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ミサワホームの平屋提案、四季の変化を楽しむユニバーサルな間取り

設置予定の家具やその使い方などをまとめた資料を作成。ハウスメーカー4社にプレゼンをし提案コンペを行いました。※このプレゼンは別記事で紹介します。

その中から1回目としてミサワホームの提案内容を紹介します。「木質パネル接着工法」が有名ですが、我が家は木造軸組MJ Woodでの提案でした。まずは、ミサワホームの特徴から紹介します。

ミサワホームの特徴

2020年にはトヨタ・パナソニック合弁会社「プライムライフテクノロジーズ」の子会社となり、トヨタ・パナソニックの鉄骨・ミサワの木造で、鉄も木もできる総合住宅メーカーの一翼を担います。

蔵のある家で有名ですが、最大の特徴は木質パネル工法。産業再生機構の支援下にあった2006年、トヨタホームがスポンサーになり後に子会社化。トヨタが欲しかったのは「パネル工法のノウハウ」とも言われます。

木質パネル接着工法

ミサワホームの独自工法で、建築基準法では「木造枠組壁工法」に分類されます。工場生産ラインでパネル(壁)を作る事で、セントラルキッチンのように、品質・現場施工削減・大量生産を可能にします。

元々、地震や風など外力に強い壁工法ですが、パネル工法では構造合板と枠の接合に接着剤を使います。面で接着するため壁が強固になり、従来の釘による点接合に比べ1.3倍のせん断耐力があるとされます。

MJ Wood(木造軸組工法)

木造軸組工法もMJ Woodという名前で商品化されています。壁工法の面接合を取り入れた軸組工法と紹介されており、積水ハウスのシャーウッドとよく似た工法だと理解しています。

パネル工法に比べて現場施工割合が高く、製造ラインや輸送時の制約が少なく、間取り・構造・仕上げ材(下地材)の柔軟性が高くなります。中庭や大開口を求める我が家は、この工法での提案でした。

ターゲット層はどんな人?

標準坪単価は75万前後と大手の中では比較的抑えめ。モデルハウス入口や名刺にはミッフィー。家事動線や子育て間取りなど、30代の共働き世帯を中心に比較的若い世代がターゲット。

一方、カタログやデザイナーズ実例にある豪奢な建築もあります。モデルハウスでは駒澤展示場が、組子障子や大空間の吹き抜けなど趣が違います。

コンペでの要望とミサワホームの提案

ここからは実際のミサワホームの提案内容を紹介します。間取りのエリア毎に、「我が家の要望」と「それに対する答え」という形で記載します。

間取りの全体像

まずは間取りの全体像です。ミサワホームらしいコンパクトにまとまった家事動線が好印象。工法はMJ Wood(木造軸組工法)、延べ床面積は37.3坪、建ぺい率は36.6%。

なお、敷地の向かって右側が8m道路、上下、左は隣家があります。

平屋の間取り提案

中庭を含めたLDKと客間

LDKに関して我が家の要望は以下の通りです。

LDKへの要望
  • 南側大窓と中庭から陽射しが差し込む明るいLDK、中庭は4方向窓
  • 30畳以上で柱や垂れ壁がない大空間
  • 通り土間をイメージした回遊廊下には絵画を飾りギャラリースペースに
  • 家具の配置で再レイアウトできるユニバーサルスペース
  • キッチンはII型で無垢ステンレス天板の家具調キッチン、オール電化・輸入食洗機
  • 中庭に面した客間、来客用布団を収納する押し入れも必要
  • 平屋の間取り提案

    これに対して設計士さんが描いた間取りは、廊下・中庭を含めると50畳の大空間LDKです。我が家の要望がどうなったか説明します。

    提案間取り
  • 南側の窓は幅5.8m、中庭は長手3.6m 短手2.7mのフルハイト窓。中庭は1面を壁にして生活空間の目隠しにし、同時に木々の緑や照明による陰影を映すキャンバスに
  • LDKは柱・垂れ壁がない大空間で、フルハイト窓で中庭・南庭とシームレスに広がる間取り
  • 壁にした中庭1面裏側の廊下をギャラリースペースに
  • 中庭を中心に客間・キッチン前・キッチン横に空間を設定。好きな場所で好きな家具と過ごすユニバーサルなライフスタイル
  • キッチンは希望通りII型で、インターテックのオーダーキッチンを設定
  • 客間は来客時専用とせず、中庭を囲む溜まり場の1つとする。坪庭を眺めるコーナー窓もさりげない提案。
  • 気に入ったのは1・4・6の考え方。説明を聞いて4方向窓はあっさり撤回です。4・6については、改めてユニバーサルスペースの意味を考えることになります。

    中庭は屋内にある屋外。朝から夜、春から冬と表情が変化します。差し込む朝日を感じるにはキッチン脇、夕日の染まる空と紅葉を見るなら客間。明るい日差しと新緑を眺めるにはキッチン前。

    その時にどの家具を使うのが一番良いか?そんな事を考えるのも楽しみです。3方向に溜まり場を作る考えはとても共感できるものでした。

    主寝室

    続いて主寝室で要望したのは次の4点です。

    主寝室への要望
  • 主寝室は前室付きの和室。寝るための場所と割り切って、籠り感を重視したい
  • トイレは主寝室近くに設置
  • 主寝室からLDKや廊下を通らず、WIC・洗面へ続く動線が欲しい
  • 換気と掃除の利便性から掃き出し窓にしたい
  • 平屋の間取り提案

    実際に提案された間取りの特徴は、

    提案間取り
  • 主寝室は6畳の和室で、手前には1畳分の廊下があります。寝室の入り口が奥まっていて籠り感があります。なぐりの無垢床にするのも雰囲気が良さそうです。
  • 主寝室を出るとすぐトイレ、希望通りです。トイレ・押入の廊下側の壁を活用できます。
  • 主寝室から風呂までの動線は希望以上。来客時でも寝室から風呂までこっそり移動できます。
  • 掃き出し窓も希望通りですが、防犯面が気になるので再考が必要
  • 家事動線・水回り・WIC

    日々の生活に直結する家事動線、水回り、WICに関する提案です。

    家事動線・水回り・WICへの要望
  • 洗濯から収納までの動線は短く、勝手口から外干しする
  • 洋服はWICに収納。畳まず出来るだけハンガー収納を希望
  • 洗面は2ボウルで朝の混雑を避けたい
  • 風呂は1616以上の大きさが必要、スパージュやシンラで肩湯希望
  • 平屋の間取り提案
    提案間取り
  • 洗濯動線は完璧。洗濯物はハンガーにかけまとめて外干しへ。取り込んだ後はそのままWICへ。
  • 洗濯物が出る場所と洗濯機、干し場、収納がコンパクトな間取り。平屋ならではの間取りです。
  • 希望通り2ボウル。ランドリーに引き戸があるので来客時も目に触れません。
  • 希望より大きめの1620の設定です。コストダウンで1616に変更することも可能です。
  • 間取り図にはありませんが、WIC・ユニットバス・ランドリー・洗面の上に、約10畳のロフト収納が設定されています。
  • 内装仕上げ・耐震・エネルギー

    北欧デザイナー家具を中心に据えた家づくりです。内装仕上げはとても重要です。

    内装仕上げの要望
  • 北欧デザイナー家具・ビンテージ家具と調和する左官壁かエコフリースを希望
  • 床はタイル乱貼り、天井は木貼り
  • 玄関框無しで、出来るだけバリアフリー仕様を希望
  • 耐震等級2と制震デバイスで十分
  • 太陽光パネルを希望し、予算が許せば蓄電池かV2Hを導入したい
  • これに対してミサワホームの提案内容は、

    内装に関する提案
  • エコフリースは採用できず。質感の高い塗装としてモルテックスを提示。下塗り・中塗り・上塗りと手間がかかるので、それなりに費用はかかるだろう。
  • WICと和室以外は全てタイル仕上げ。タイルには床暖房必須でコストがかかる。天井材は板張りも可能。
  • 玄関框は無しは可能だがコスト高。床面を下げるのではなく玄関を上げるため、外構アプローチ階段が増えてコストアップになる。砂埃の吹き込みを考えても框はある方が良い。
  • 耐震等級や太陽光、蓄電池は費用次第。V2Hは設置準備を行うまで。
  • 3の框は諦めることになります。モルテックス・床暖房でかなり費用がかかりそうなので、太陽光・蓄電池は予算オーバーになる可能性が高いです。

    外構・外観

    最後は外観、外構に関する要望です。

    外構・外観の要望
  • 車を2台を駐車できる事
  • 南側庭はBBQなどできるようにスペースを取る
  • 外観は軒の出を大きく、軒下で雨の日を楽しめる空間が必要
  • 外壁はタイル壁を希望、屋根はできるだけ軽く金属鋼板にしたい
  • 平屋の間取り提案
    外構・外観の提案
  • 車は縦列で2台分確保。南の外庭を雑木風に仕上げると、目隠しにもなり雰囲気良くまとまります。
  • BBQスペースはウッドデッキでの提案。ミサワホームオリジナルの合成木材です。
  • 軒のではしっかりと1.5mで可能。ただし、コスト増にもなるので全体の費用を見ながら。
  • 外壁はタイル、屋根はスレートでの提案。金属鋼板(ガルバリウム)は採用できない。
  • 概算の価格イメージ

    コンペにあたり間取りとセットでもらった概算です。本当に大まかな見積もりですが、上記の通り要望は伝え大方反映されているので、残りは仕分けによる減額と値引きを織り込むぐらいです。

    要望したオプション
  • 中庭と中庭まわりの大窓
  • 外庭側の5.8m幅の大窓
  • LDKを中心に基本はタイル床
  • 内装壁はモルテックスの塗装壁か左官壁
  • LDKの天井は木張り、天井は勾配天井
  • 外壁は全面タイル
  • 洗面は2ボウル
  • II型オーダーキッチン(間取り図はアイランド)、天板は無垢ステンレス、海外製食洗機
  • 外庭はウッドデッキ施工(タイルデッキも可)
  • 窓は樹脂(樹脂アルミ)の複層ガラス
  • タイル床部には床暖房が必要
  • オール電化で、エコキュート、蓄電池を含む
  • 長期優良住宅は不要、耐震等級は2等級以上
  • 概算の見積もり価格

    「あくまで概算、大枠の見積もりですから、驚かないでください」との前振りの後に提示いただきました。

    費用項目 金額 坪単価 備考
    標準本体工事 ¥29,000,000 ¥783,784  
    オプション枠取り ¥17,000,000 ¥459,459  
    付帯工事費用 ¥4,500,000 地盤改良費は含まず
    設計料 ¥530,000  
    諸費用 ¥860,000 申請費用・印紙代など
    その他費用 ¥5,000,000 外構・カーテン代など
    小計 ¥56,890,000 ¥1,243,243  
    消費税 ¥5,689,000 ¥124,324  
    総合計 ¥62,579,000 ¥1,367,568  

    総合計より先に消費税に目が行きました。今までの人生で見た事のない消費税額です。全体費用では、値引きも入っていないフルチャージの金額です。

    平屋なので標準坪単価は2階建にプラス5万円前後。値引き交渉で、標準本体+オプションで端数を切って坪単価120万円。相見積もりでもう一段、坪単価110万円+αが落とし所。

    最初にもらった見積もりで理解に苦労すると不安でしたが、イメージの範囲内なので間取り・価格コンペの1案として確定。他メーカーの確認に進みます。

    最後に

    ミサワホームの平屋提案を紹介しました。この提案で最も気に入った点は中庭の活かし方。あえて1面を壁にし影を映す、3方向から中庭を眺めるという設計は素晴らしいアイデアだと思います。

    他のメーカーの価格が分かり始めると、価格や内外装仕上げへの要求も高まります。他社では選べる安い建材が選べないなど、最終的には割高に感じるようになり他社を選びました。

    それでも平屋の特徴を押さえたコンパクトな動線は、さすが家事動線を大切にするミサワホームの設計だと思います。

    最後まで読んで頂き有難うございます。次回は、「ダイワハウス ジーヴォシグマプレミアム」の平屋提案です。他とは一線を画す秀逸なコンセプトハウスです。

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