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平屋提案コンペの結果、4社の比較一覧とジューテックホームを選んだ理由

ここまで検討4社の提案内容を紹介しました。今回は、4社の提案をどう評価して、最終的に1社(ジューテックホーム)に絞ったかを説明します。前半部分では、提案コンペの前提条件、後半部分では評価理由を中心記載しています。

提案コンペの前提と比較結果

まずは、提案コンペの前提条件と比較結果を紹介します。比較結果を改めてまとめてみると全体的には接戦ですが、我が家の重視するポイントに絞ると大きな差があります。

提案コンペの位置付け

まずは今回の提案コンペの位置付け。初めて住宅展示場を訪問してから着工まで約3年をタイムラインで紹介します。

家づくりの勉強:約2年

とにかくモデルハウスを周って各社の特徴を理解する。訪問したメーカーは合計13社。

「自分達の欲しい家」「そのために必要な費用」を考えた期間で、並行してキッチンをはじめ住宅設備、タイル・壁紙といった建材ショールームも巡ります。

第1次スクリーニング

13社から「モデルハウスの作り」「目安コスト」「施主の希望への向き合い方」を基準に3社に絞り込み。

FILE社の紹介で知った「ジューテックホーム」を含めて4社で次ステップに進みます。

ハウスメーカーとのイメージ共有:約半年

ハウスメーカー営業(一部設計やインテリア部)と建てたい家のイメージ共有を深めた期間。結果としては、このタイミングでのコミュニケーション量が大きな差を生みました。

最終の提案コンペ(今回の記事):約3ヶ月

2020年10月土地の売買契約締結をきっかけに「最終の提案コンペ」を実施。事前に我が家の希望を4社にプレゼンし、提案間取り・概算見積もりをもとに1社に絞り込みます。

請負契約の締結

選んだ1社と請負契約を締結。(このタイミングでは提案コンペで出てきた資料をもとに、フラット35の本審査は実施済み。)

着工合意に向けた詰め:約4ヶ月

「追加オプション」「予算に合わせた仕分け」など着工合意に向けた打ち合わせを重ねます。

持ち込み間取りと要望プレゼン

夫婦で話し合って決めた要望を間取りにし「その間取りを作った理由」を中心に説明。「持ち込み間取りはやりずらい」といった話も耳にしますが、希望を伝える方法として間取りにするのが一番伝えやすいと考えました。

さらに、モデルとなる「グンログソン邸」「購入予定の家具と使い方」「好みの内外装」「住宅設備」をまとめた資料も作成しプレゼンを実施。間取りと同じく「なぜそれを選んだか」を中心に説明し、設計担当者の描くイメージを聞きたいと伝えました。

全社、営業と設計同席で提案

プレゼンは3社は営業・設計同席、住友林業のみ営業のみでヒアリング実施。提案間取りの説明は4社全て営業・設計同席です。提案間取りではこの差が多少見られましたが、大勢に影響するほどではありませんでした。

各社のスタイル

提案資料には各社の違いが出ていました。住友林業やミサワホームはしっかりと作り込まれた間取り・パースで説明。ジューテックはA・B案と複数提案。

驚きはダイワハウス。間取り・パースともに手書きですが、話し合いの中で修正点が出てくると、その場でささっと修正案を作成。これがどれもハイクオリティ、思わず見惚れました。

比較結果の一覧表

打ち合わせ・間取り・概算コストをもとに各社を比較した一覧表(◎○△)です。上4項目が我が家が重視したポイント、下5項目は参考程度で考えています。あくまで我が家の基準です。なお、耐震性は、設定されていた「耐震等級」を基準に評価しています。

比較項目 ジューテックホーム ミサワホーム 住友林業 ダイワハウス
担当(営業・設計) ◎(3pt) ○(2pt) △(1pt) ◎(3pt)
提案間取り ◎(3pt) ◎(3pt) ○(2pt) ◎(3pt)
内装仕上げ・選択肢 ◎(3pt) ○(2pt) ○(2pt) ○(2pt)
価格 ◎(3pt) △(1pt) △(1pt) △(1pt)
重視項目の合計 12pt 7pt 6pt 9pt
耐震性 ○(2pt) ◎(3pt) ◎(3pt) ◎(3pt)
建築工法 ○(2pt) ○(2pt) ◎(3pt) ◎(3pt)
高気密・高断熱 ○(2pt) ○(2pt) ○(2pt) ○(2pt)
保証・安心 ○(2pt) ◎(3pt) ◎(3pt) ◎(3pt)
ステータス ○(2pt) ○(2pt) ◎(3pt) ○(2pt)
総合ポイント 22pt 19pt 20pt 22pt

重視項目と参考項目で順位変動があります。特に住友林業は住宅としての完成度が高く、この点を重視する施主に選ばれるハウスメーカーだと感じます。また、ダイワハウスは建築の完成度に加えて、営業担当・インテリア部のサポートもあり、我が家の場合、全般通してポイントが高くなりました。

重視したポイント4点の比較

ここからは重視した4ポイントについて、評価結果の理由を説明します。

比較項目 ジューテックホーム ミサワホーム 住友林業 ダイワハウス
担当(営業・設計) ◎(3pt) ○(2pt) △(1pt) ◎(3pt)
提案間取り ◎(3pt) ◎(3pt) ○(2pt) ◎(3pt)
内装仕上げ・選択肢 ◎(3pt) ○(2pt) ○(2pt) ○(2pt)
価格 ◎(3pt) △(1pt) △(1pt) △(1pt)
重視項目の合計 12pt 7pt 6pt 9pt

担当・家づくりチーム

ジューテックホームはベテランタッグの引き出しの多さ、ダイワハウスは営業・インテリア部・家具販売店がタッグを組んだ対応が際立ちました。ミサワホームは、展示場が近かった事もあり、十分なコミュニケーションが取れたと感じます。

一方、住友林業は全国有数のエース営業でしたが、その忙しさが理由なのか、なかなかコミュニケーションを取れませんでした。こだわって家を建てたい人にとって、人気営業さんは良し悪しです。

提案間取り

考え抜いた自作間取りがあるので、提案間取りにどれだけの驚きを感じられたかがポイント。

ダイワハウスの「想定外のコンセプト提示」、ジューテックホームの「北側リビングでパッシブ性を高めた間取り」提案が秀逸。ミサワホームの「中庭の1面を壁にする」という提案も、その後の間取り検討でとても役立つものでした。

住友林業は意外と印象に残らず。4方向窓の中庭や6mの大開口窓などビッグフレームならではの提案ですが、建築工法の完成度の高さ頼みといった印象。ダイワハウス・ジューテックの提案後という順番も、物足りなさを感じた理由かもしれません。

内装仕上げと選択肢

ジューテックホームが建築士を中心に家づくりする事もあり頭一つ上で◎。塗装壁の質感を持つ「エコフリース」での施工実績も多く、施工実例の見学もできました。建築士やFILEとのコラボレーションなど個性の強い実例も多く、こだわりを実例として見れた事で大きくイメージが膨らみました。

ダイワハウスは具体的な内装仕上げの提案はありませんでしが、「インテリア・家具販売店のバックアップが強く」期待感は高まります。ミサワホームは「モルテックス」での提案でイメージは十分ですが、生活しやすさに力点を置くメーカーという印象があり、選択肢については未知数。この点に不安が残り◯止まり。

住友林業はこのタイミングで内装コンセプトがズレて残念。確かにミッドセンチュリーですが、家具リスト外のイームズがいくつも出現。コンセプトの落とし込みができていない点は、急ごしらえ感が否めず△評価としました。

価格

価格に関してはジューテックホームの独壇場。建材商社の購買力をそのまま活用できるので、一般的なハウスメーカーや建築会社とは比較にならない価格です。ジューテックホームを選んだ大きな理由です。

他3社は大手ハウスメーカーで標準の坪単価自体が高く、価格面では厳しい提案でした。その後の引き代もあるとは思いますが、概算の提示価格で3割以上の開きがあります。個別に見ていけば理解はできますが、4社並べると「大手は高い」という印象が残ります。それに見合う価値をどこに見出すかが、評価の分かれるポイントです。

中間コストの大きさ

標準価格の差も大きいですが、特にコストがかかる「水回り」「窓」、面積の広い「床・壁・天井材」の価格差も大きな要因です。ジューテックホームの場合、「建材の一次卸し」≒「建築会社」なので、結果として「施主」≒「大手ハウスメーカー」という商流位置になります。 中間コストの大きさを実感します。

参考として考えた5点の比較

ここからは参考として考えた5点についても紹介します。総合住宅メーカーである「大手ハウスメーカー」の強さを感じる結果です。一般的には重視されるポイントも多く、耐震性や保証を重視項目に入れていたら、ダイワハウスや住友林業を選んでいた可能性が出てきます。

比較項目 ジューテックホーム ミサワホーム 住友林業 ダイワハウス
耐震性 ○(2pt) ◎(3pt) ◎(3pt) ◎(3pt)
建築工法 ○(2pt) ○(2pt) ◎(3pt) ◎(3pt)
高気密・高断熱 ○(2pt) ○(2pt) ○(2pt) ○(2pt)
保証・安心 ○(2pt) ◎(3pt) ◎(3pt) ◎(3pt)
ステータス ○(2pt) ○(2pt) ◎(3pt) ○(2pt)
合計ポイント 10pt 12pt 14pt 13pt

耐震性など災害性能

基本的には設定された耐震等級による差で点数をつけました。どのメーカーでも耐震等級3の取得は可能ですが、等級3は不要と事前のヒアリングで説明。空間・コストのバランスを考えた結果の違いと理解しています。唯一◯のジューテックホームでも、耐震等級2+制振デバイス(住友ゴム「ミライエ」)による提案です。

誰のための等級か?
強固な地盤に建てる平屋の場合、建物や屋根を軽くするだけでも実害はかなり抑制できると考えています。条件の良い土地・極端に悪い土地は、社内基準に縛られない建築家の柔軟さが光ります。

建築工法

間取り・耐震性のバランスという点で評価。住友林業の梁勝ちラーメン「ビッグフレーム」、ダイワハウスの鉄骨+Σ形デバイスなど、独自工法は間取り・耐震性に関わります。実物サイズでの耐震実験を行い、性能の高さは理解できます。

一方、必要ならばRC(鉄筋コンクリート)まで使える建築家でも必要十分です。耐震性で妥協余地のある我が家では、それほど重視していません。

高気密・高断熱

各社気密・断熱には力が入っており、公式ページには計測値や理論値が並びます。実際は「窓性能」や「施工精度」に依存するのであまり重視せず。その代わり各社に要望したのは、ワンフロアで面積が大きくなる平屋の「屋根断熱」と「床下断熱」の2点。

全社ベタ基礎のメーカー、タイル床という事もあり床暖付きの提案で差は見られず。 屋根断熱は、屋根材・断熱材・緩衝空間の取り方で変わるので比較が難しく、建築後でも比較する方法はありません。各社を信じて、ここは一律◯として評価しました。

保証・会社安心度

この点は大手ハウスメーカーの強さを感じる点。メーカー間の保証競争も激化していて30年の初期保証は当たり前。延長条件を満たせば最大60年保証もあります。さらに、スムストックによる住み替え対応など、大手ならではの高付加価値は魅力です。

一方でジューテックホームは初期保証10年と、この部分では違いが出ます。 会社としての安心度は大きな違いを感じず。大手でも過去の民事再生や型式認定問題など何かしらの問題はあります。親会社の安定度を考えると、大手ではないジューテックホームでも十分だと感じます。保証部分の違いだけで、評価しました。

ステータス

欲しい家が明確になってからは、全く気にしなくなった項目。テレビCMのイメージも強く住友林業のステータスは高いと感じます。近隣が新築ラッシュですが、キコリンを見つけるとと思わず足を止めてしまいます。個人的な感覚ですが、住友林業のみ◎にしました。

最後に

ハウスメーカー選びの情報はたくさんあり、評価の切り口も多種多様です。

一度住宅展示場に足を踏み入れると、営業の説明、メーカーカタログ、他社のネガティブキャンペーンなど、とにかく情報過多で処理が追いつきません。「マンションが高いので戸建て」ぐらいでスタートした我が家は、メーカー比較のポイントがはっきりせず最初のうちは混乱続きでした。

住宅性能(高耐震・高気密・高断熱)は特に話題が多く悩んだ部分。高性能は良いですが、その反面、開口・空間・仕上げ材などで我慢を強いられます。数値の意味、計算・計測方法を理解して、平均より良い悪いで理解する程度に捉えるようにしたら楽になりました。

「比較ポイントをリストアップして優先順位をつけ、◯番目以降は一旦切り捨てる」など条件の絞り込みが重要です。我が家の場合、夫婦で1人3票をもってランク付け上位4項目で選びました。また、こだわりの強い施主の場合、一般論からはみ出したこだわり部分の伝え方もとても重要だと感じます。

最後まで読んでいただき有難うございます。ハウスメーカー選びの記事はこれで終了です。今後は、着工合意に向けた最終検討(オプション・仕分け)について書く予定です。  

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