窓掃除ロボットHOBOT 2S ロボットで本当にきれいになるの?
- 2022年5月9日
- 2023年10月15日

大きなフルハイトの窓は開放的、冬でも日差しをたっぷり取り込めるので人気です。
しかし、綺麗な状態を維持するのは大変です。特に梅雨など長雨シーズンは、掃除しても掃除してもすぐに汚れます。
我が家は、中庭に面して「幅1.5m 高さ2.4mの大窓6枚」「2.4m高のテラスドア2枚」があり、軒が無いのでしっかり雨が当たります。
雨上がりには水染みや水垢がくっきり。入居直後は隔週で窓掃除をしていましたが、段々億劫になり最近は半年近く放置してました。
そんな状況を打開するため、試しに購入したのが「窓掃除ロボットHOBOT 2S」。5月1日に発売されたニューモデルですが、5日に手元に届いたので早速大窓6枚、テラスドア2枚を掃除しました。
使ってみた感想
- 十分に実用的で予想以上に綺麗になる
- 脚立を使った高所作業が不要で安全
- 「落ちてくる不安」は感じない
- 寒い時期でも水に濡れずに窓掃除できる
- 今後も窓掃除はロボットに任せたい
こんな方にメリットが大きい
- 幅広の大きな窓がいくつもある
- 高窓があって掃除に脚立が必要
- 忙しくて窓掃除は後回し
- 足腰が弱く窓掃除が負担
今回の記事では、窓掃除ロボットHOBOT 2Sの特徴、使い方、使って感じたメリット・デメリットを紹介します。
窓掃除ロボット HOBOT 2Sとは?
ロボット掃除機に比べると狭いですが、窓掃除ロボットにもいくつか選択肢があります。まずは、HOBOT 2Sの特徴から紹介します。
窓掃除ロボットの選択肢
現在販売されている窓掃除ロボットは、HOTBOT社の2Sと388、ロボット掃除機も販売しているEcovacs社のWinbot Xの3種類です。それぞれの機能の違いをまとめました。
HOBOT社の2Sは388の後継機種で機能の多くは共通です。3モデル共通の機能はグレー、HOBOT社共通の機能はブルー、HOBOT 2Sのみの機能は黄色になってます。
※以前はウィンドウメイトRTという製品もありましたが、現在は販売終了してます。
HOBOT 2S | HOBOT 388 | Winbot X | |
方式 | 吸引 | 吸引 | 吸引 |
電源供給 | 電源コード・充電池 | 電源コード・充電池 | 充電池 |
動作可能時間 | 上限無し(充電池は20分) | 上限無し(充電池は20分) | 50分 |
走行 | 縦横 | 縦横 | 縦横 |
リモコン | あり | あり | あり |
スマホ操作 | 可能 | 可能 | 不可 |
落下防止 | ロープ | ロープ | ロープ |
クロスの再利用 | 洗濯可能 | 洗濯可能 | 洗濯可能 |
掃除対象 | 窓・浴室壁・タイル壁・枠なし窓は可 | 窓・浴室壁・タイル壁・枠なし窓は不可 | 50cm角以上の窓・特殊ガラスは不可・高低差5mm以下の窓枠は不可・枠なし窓は可 |
水・洗剤 | タンク2つ、噴霧可能 | タンク1つ、噴霧可能 | 事前にクロスへ噴霧 |
重量 | 1,300g | 913g | 1,800g |
共通する機能から順番に紹介します。
3モデルに共通の特徴
窓に張り付く方式
壁に張り付く方式はどれも吸引式。
機械裏面の吸引口があり、強力な吸引力で窓に張り付きます。
そのため、動作音は掃除機並み。
特にWinbotはHOBOT 388の2倍(2Sの1.5倍)の重量があり、より大きな吸引力が必要。比例して音も大きくなります。
2度拭き仕上げ
吸引力でクロスを窓に密着させるので、1度拭きだけの段階では「拭きムラ」「拭きスジ」が目立ちます。
そのため、どのモデルも走行は縦横移動の2度拭き仕上げ。
横に拭いた後は自動で方向転換し、縦に移動しながら拭き上げます。
HOBOTの場合、「設置方向(駆動輪基準)」「3種の開始ボタン」の組み合わせで、6通りの動作パターンが選べます。
テラスドアのドアノブ・窓のクレセント鍵など障害物がある場合、避けやすい(=掃除しやすい)動作を選ぶと、効率良く掃除ができます。(例:ドアノブの反対側から左右方向で掃除)
本体スイッチの他、専用リモコンでも操作可能です。
メーカー毎にリモコンでできる操作に違いがあり、
- Winbot:開始・停止・一時停止・方向転換
- HOBOT(共通):自動掃除×3・マニュアル操作(上下左右・開始)・停止・スプレー有無・洗剤噴霧
HOBOTの方が、より細かく操作できるようになっています。
その他の点
電力供給がなくなると吸引が停止するので、窓面に張り付く事はできません。3モデルともに、万が一のために落下防止用ロープが付属します。
Winbotは吸盤でロープを窓に固定する仕様。対して、HOBOTはカラビナでカーテンレール等に引っ掛けて使います。
我が家のように、カーテンレールがない場合は、落下防止ロープは使えません。
その他、専用洗剤(220ml/)と予備ノズル(2個)が付属します。
クロスは使用後に洗濯すれば繰り返し使用可能。
HOBOTには3セット、Winbotは4セットが購入時に同梱されています。
単品でも販売されており、HOBOT 2S用は3枚組で1,500円。
屋内用・屋外用と分けて準備すると便利だと思います。
HOBOTだけの特徴
次にHOBOT社共通の特徴(青)とHOBOT 2Sだけの特徴(黄)です。388より若干高いですが、実用性・汎用性を考えて2Sを選びました。
電源供給(HOBOT共通)
Winbotは充電式のワイヤレスですが、HOBOTは電源コードを繋いで常時電源を供給する必要があります。
ワイヤレスは便利ですが、有線ならではの良さもあります。
- ワイヤレス:電源が無くても使用可能・有線:軽いので吸引力にゆとりがでる
- ワイヤレス:動作可能時間が限られる・有線:長時間でも動かせる
窓掃除ロボットでは軽い事は大きなメリット。落下リスクや動作(吸引)音は小さくなり、同じ吸引力なら条件の悪い壁(タイル・すりガラス)でも張り付きやすくなります。
垂直面に張り付くという特殊性を考えると、有線が現実的な選択だと感じました。
動作可能時間(HOBOT共通)
HOBOTは1平米あたり3分弱で拭き上げ。我が家の窓は合計35平米なので、屋内(外)の片面で1時間半、屋内外両方を行うと3時間の動作時間。
一方のWinbotは、1回の充電(2.5時間)で50分間動作。実際に使っていないので分かりませんが、動作時間が短いといった口コミも見かけます。
同じ条件で試算すると、屋内面だけでも掃除4回+充電3回で約11時間。両面だと20時間以上必要なので現実的ではありません。
HOBOTは「月に1〜2回まとめてしっかり掃除」、Winbotは「気になった時に部分的に掃除」という違いでしょうか?
スマホ操作(HOBOT共通)
HOBOTはスマホアプリをダウンロードすると、スマホをリモコン代わりに使えます。
掃除完了時は通知が届くので、他事しながらの動作時も便利。
アナウンスの音量変更や取説参照、FAQもアプリに内蔵されています。
リモコンと違ってスマホは宅内でも持ち歩くので、スマホだけで完結できる点はとても便利です。
ただし、Bluetoothなので距離や環境によっては途切れます。
落下する事はありませんが、動作時・完了後の動作音は変わらないので、気づかずそのまま放置したことが数回ありました。
掃除対象(HOBOT 2Sのみ)
掃除できる窓は事前に確認が必要です。
HOBOT 2Sの場合、枠なし窓やすりガラス等の特殊窓、タイル壁(目地幅5mm以下)や浴室壁面も掃除可能。
ただし、手摺など突起物が多い浴室壁は、よほど大きな風呂でない限り、メリットは少ないかもしれません。
洗剤噴霧・タンク(一部HOBOT 2Sのみ)
HOBOTは洗剤・水タンクが付いていて、水拭き設定をすると洗剤を噴霧しながら窓拭きをします。これはWinbotにはない機能。
HOBOT共通ですが、388はタンク(噴霧口)が1つ、2Sは左右に1つずつ合計2つという違いがあります。
進行方向に向かって洗剤(水)を噴霧するので、左右移動だと388は片道だけ、2Sだと往復で噴霧という違いになります。
2Sの方が効率が良いと感じます。
意外と簡単な操作手順
実際に使ってみましたが、意外と簡単で助かりました。購入検討中の方がイメージできる程度に、操作方法をまとめます。
ポイントは乾拭き・水拭きの順に2回掃除する事。簡単に取れる汚れは先に乾拭きで取り除く方が、汚れが洗剤や水と混ざらず効果的だそうです。
step.1 まずは準備段階
- ACコード、アダプター、DCコードの3点をつなぎ、ACはコンセントにDCは本体にネジ式で固定。
- LEDの緑点灯を確認。オレンジ点灯は、本体の充電(20分のバックアップ電源)不足。そのまま緑点灯まで充電。
- 本体裏のマジックテープにクロスを貼り付け。クロスと本体の角、駆動輪の位置を合わせて押さえるだけ。
- タンクの洗剤(水)残量を確認。少なければMAXの線まで洗剤(水)を補充。
step.2 本体の設置
- 本体にある電源スイッチをONにして吸引を開始。
- 窓ガラスの端(サッシ)から10cm離れたところに設置。※設置時に、駆動輪を横にするか、縦にするかでその後の動作に違いが出ます。
- 表面についた砂埃などを取り除くため乾拭きで窓掃除をスタート。洗剤噴霧ボタンを押して、噴霧をオフにします。
- 開始ボタンは上向き▲・左向き◀︎・右向き▶︎の3種類。基本は「駆動輪を横(=取手を縦)にし▲ボタン」です。(右上角から左右にジグザグで降り、再度上まで登りNを描くように縦に移動)
- ▲ボタンの代わりに「×2」ボタンを押すと、自動で2セット(▲×2)拭き掃除します。
- 乾拭きで表面の埃が取れたら、次は水拭き。step.2〜3の繰り返しです。
- ただし、step.2の前にクロスを新しいものに交換、step.3で洗剤噴霧をオンにする事が乾拭きとの違いです。
- 水拭きが完了したら窓から外して電源オフ。
- クロスを乾拭き用に交換して次の窓に進みます。
クロスの張り替えが頻繁で面倒
窓毎に乾拭き・水拭きでクロスを張り替えるのが手間なので、一旦窓を全て乾拭きし、その後クロスを張り替えて一気に水拭き。
厳密に言えば乾拭き・水拭きの間に埃が付着す可能性もありますが、面倒な作業はやらなくなる自分の性格を考えると、この方が結果きれいになるかも。
さらに、雑巾を取り付けるモップがあれば「乾拭きは手作業」「ロボットは水拭きスタート」のハイブリッドも可能。
「水を使う」「脚立作業」が窓掃除の難点なので、埃を取る乾拭きだけなら冬も苦ではなく、高さ3m程度の窓なら脚立も不要。メリットは十分です。
使ってみて感じたメリット
ここからは実際に使ってみて確認できたメリットを紹介します。
期待以上にきれいになる
ロボット掃除機は掃除機に自動で運転する機能をつけたもの。便利になるだろう事は容易に想像できます。
しかし、窓掃除となると話は別。汚れの取れない窓と格闘した年末の大掃除を思い出すと、どこまで綺麗になるか半信半疑でした。
実際に使った結果、期待以上にきれいになりました。
特に「拭き跡」「拭き筋」「垂れた水滴跡」など目立つ汚れが残らない点は秀逸。今までは素人の手作業なので、プロ用ワイパーを使っても掃除結果にムラがあります。
ロボットでも、近づいてみれば「サッシの際」「コーナー部」の汚れが見つかりますが、全体が均一にきれいなので印象は別格。
ロボットが苦手な部分は、手の届く範囲で事前に窓用ウェットシートで拭き取っておけば、頑固な汚れ・サッシ際の汚れも解決です。
危ない脚立作業が不要に
今までは脚立を使って高いところの掃除をしていました。
窓毎に脚立を移動したり、大窓のコーナー掃除では脚立の移動が面倒。無理な体勢で作業するので、濡れた脚立で滑ってヒヤリとする事も。
脚立作業がなくなる事は大きなメリット。
また、室内側掃除で脚立を運ぶ時、誤って壁紙をガリッ・家具にガツンという事もあります。
間接的ですが、脚立無しの窓掃除ロボットならこういったリスクも減らせます。
寒い冬でも水を使わず快適
冬の窓掃除は本当に辛いです。寒い上に水仕事。
こまめに掃除すれば良いのですが、結局は年末の大掃除で寒い思いをしています。窓掃除ロボットなら辛い思いから解放されます。
普段から窓掃除ができていれば、大掃除の時は他の場所に集中できます。
床が濡れないので、無垢フローリングでも安心
我が家はタイル床なので無垢フローリングほどシビアではありませんが、それでも窓際に雑巾を広げてから窓を水洗い、ワイパーで水切りをしてました。
作業の度に準備が面倒で、掃除の頻度が下がる大きな理由。
タンクから洗剤を噴霧しながら掃除してくれるので床が濡れません。無垢フローリングの家では特にメリットが大きいと思います。
ビックフレームの大開口・無垢床の住林施主さん、特にメリットあると思います。
他の家事と並行できる
ロボット掃除機のように完全に任せっきりとはいきませんが、他事を行いながら窓掃除が完了するのは大きなメリットです。
加熱時間を気にする料理では厳しいですが、風呂掃除・トイレ掃除・洗濯物干し・畳みなど時間に縛られない作業との並行は効果抜群。
サッシ際やロボットが使えない細い窓の掃除を並行するのと、効率よく窓掃除を行えます。
アップルウォッチと併用すれば、スマホをロボットの近くに残して、別階で作業しててもスマホ経由で完了通知が届きます。
落下する可能性は?(ここは自己責任です)
それなりの値段なので、落下して壊れないか心配でした。特に我が家は落下防止ロープを設置できない窓ばかり。
実際に使った結果、「電源供給が途切れない限り動作中に落下する可能性は少ない」と感じてます。このため、落下防止ロープは使っていません。
むしろ注意が必要だと感じるのは設置・取り外す時。手を滑らせて落下させるリスクはあります。
我が家は平屋なので良いですが、2階以上の窓で屋外側を掃除する時は、ロープを設置した状態で設置・取り外しを行った方が安全です。
機械が壊れるだけなら自己責任ですが、誰かが怪我をするとそうはいきません。この点は注意が必要だと思います。
気になる所、デメリット
概ね満足している窓掃除ロボットですが、多少気になる点もあります。使用を躊躇うほどではありませんが、ちょっと気になる程度です。
音はそれなりに大きい
1,300gの機械を窓に貼り付けるほどの吸引なので、それなりに大きな音がします。感覚的な話ですが、個人的には及第点。
屋外側の掃除は夜には絶対にやりません、流石に近所迷惑。それでも、近くで動作していても、テレビは十分に観られるレベル。
掃除機と同程度の音ですが動作時間が長くなるので気になる人はいると思います。
拭き跡が残る事も
拭き跡なのか、取りきれなかった汚れなのか、進行方向に伸びた筋状の跡が残る事もあります。
手作業でもワイパー跡が残ったので、それに比べれば随分良くなったと感じるレベル。完璧を期待する人は気になるかもしれません。
こびりついた汚れが原因かもしれません。気になる汚れは事前に取るなど、上手な付き合い方も必要そうです。
窓毎に設置し直す
これは仕方ない、ロボット掃除機のように全面おまかせとはいきません。窓毎に設置し直す必要があります。
「家事と並行可能」のところで書いた通り、空いた時間でどんな作業を行うかで感じ方が変わります。
時間に追われる作業は厳しい。気づかず放置しても落下しないので、「放置気味、他事優先」「気がつたら動かす」ぐらいがちょうど良いと思います。
風がある日はスプレーが飛ぶ
中庭なので強い風は吹きませんが、噴霧した洗剤が窓に当たらずフワッと空中を漂う事も。
超音波ノズルを使って洗剤を霧状に噴霧する仕組みです。
わざわざ超音波ノズルを使っているので、理由があって細かくしてると思いますが、見ていると気になるところです。
サッシにスプレー
ロボット掃除機のような複雑な制御はしていないようです。
サッシ際でサッシに向かって洗剤を噴霧。すぐにサッシに触れて反転というシーンをよく目にします。
特に害はなく、微笑ましくも感じるので気にしてませんが、昔あったピンポンダッシュのような。
複雑な仕組みを詰め込めば重くなり、軽量という良さが消える気もします。特に実害はありません。
最後に、こんな人には良い商品
窓掃除ロボットは窓が小さいと、頻繁に再設置することになりメリットを感じにくくなります。窓が大きければ大きいほど任せておける時間も長くなるので、ある程度窓が大きな家向きです。
窓掃除に手が回らない忙しい方、窓の上に手が届かない高齢の方は、時短効果や高所作業が減らせるので多少窓が小さくても有効だと思います。
また、最近は3m近い高天井にフルハイト窓の家も増えてます。吹き抜けの高窓も人気ですが掃除となると大変。こういった窓のある家にも向いています。
高窓のための渡り廊下を作っているモデルハウスもありましたが、窓掃除ロボットを前提に考えれば間取り設計も変わってきます。
新築設計の際、窓掃除ロボットを前提に窓の大きさやコンセントの配置を考えてみてはいかがでしょうか?もしかしたら、諦めていた窓が手に入るかも。