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平屋

平屋の不安#2 外から丸見え?新築時に考える目隠し・視線対策

2022年6月13日

「平屋の不安」の第2弾は「新築時に考える目隠し・視線対策」について紹介します。

平屋のデメリットでもよく挙げられますが、全ての部屋が1階に集まる平屋は、何もしないと外部から宅内が筒抜けになりやすい住宅。

プライバシーの問題だけでなく、在宅不在・ライフサイクルが把握しやすいので、防犯面でも注意すべきポイントです。

今回の記事では、平屋の目隠し・視線対策として新築時に考えられることをまとめます。併せて、我が家が実際に採用した対策の効果についても紹介。

平屋の新築を検討中の方、不安で迷っている方の参考になればと思います。

前回の記事は、「平屋の防犯対策」について紹介しました。

平屋の防犯対策

平屋の不安#1 空き巣に狙われやすい?新築時に考える防犯対策!

最近は一段と人気の平屋住宅ですが、少数派で情報は少なく新築時は不安も沢山。中でも「平屋は空き巣に入られやすい」は、進入経路にしやすい1階の窓が多い平屋の宿命です。今回の記事では、そんな平屋の防犯対策、特に新築時に考えると効果的な防犯について紹介します。

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目次(ジャンプできます)

    平屋は外から丸見え?

    平屋で住んでみて感じる視線はどんなものか?

    意外といろんな方向から見られています。平屋を取り巻く視線について紹介します。

    通行人からの視線

    まずは一番気になるのは通行人の視線。特に新築直後は、珍しい平屋住宅にご近所さんも興味津々です。

    歩いてる人からすれば、覗いてる訳ではなく何となく見ていたら、カーテンが開いて住人とばったり。

    生活空間が道路と同じ高さになる平屋住宅。こういった事は起こりがちです。

    道路に面した和室で在宅仕事中、「平屋なんだ〜」という声が聞こえて外を見ると、犬の散歩中のご夫婦と目があって軽く会者。

    声も2階に比べればよく聞こえます。お互いちょっと気まずい感じです。

    隣人からの視線

    お隣さんの視線も気になります。見えないと思っていた場所が、お隣の2階のベランダからは丸見えだったり。

    気づかないうちは良いですが、気づいてしまうと気になるところ。一度でも目が合うと、その後お互い気を使うことも。

    我が家は中庭で食事する事も多く、お隣さんから見えていないか気になっていました。

    妻がお隣さんと仲良くなったので、2階のテラスから我が家を確認。戻るや否や「見えてなかった」との報告。

    下着も含めて洗濯物を中庭に干すので気になってたそうです。

    周辺建物からの視線

    特に都市部の平家の場合、周りに背の高いマンションがずらり。遠くからでも意外とよく見えるので気になります。

    水平視線に強い天窓や中庭であっても、上からの視線は防げません。周囲の高層建築物、もしくは建築計画の位置には注意が必要です。

    我が家の周辺にマンションはありませんが、高台の家からどれぐらい見えるかが気になってました。

    実際に高台に上がって見たところ、屋根は全部見えますが、幸い中庭までは見えません。プライベート空間は守られてます。

    家の中はNO、家の周りはYES

    全方向からの視線に曝される平屋ですが、決して悪いことばかりではありません。

    平屋は周囲の建物に埋もれるため死角が多く、空き巣・泥棒の標的になりやすいのも事実。

    家の中・プライベートスペースへの視線は遮りつつ、建物への進入経路は周囲の視線に守ってもらえる配置・間取りが重要です。

    目隠し・視線対策は土地選び・新築計画で

    周囲の視線と上手に付き合う平屋には、周辺環境を含めた土地選びが最重要。

    隣家との距離がとれるゆったりした土地が一番。周辺に高層建築がなければ、閉じる・開くの選択肢も広がり、開放感・防犯を両立した家を作りやすくなります。

    さらに、広い土地を確保できれば、前面道路との間に庭を配置、植栽で自然な目隠しを作る事も可能。

    平屋は「土地の広さ」「土地条件」「周辺環境」が重要とされますが、本当にその通りです。

    平屋の目隠し・視線対策

    ここからは、具体的な平屋の目隠し・視線対策について紹介。さらに、対策を行うにあたっての注意点も併記します。

    中庭の設置

    2階を支える必要がない平屋は、口の字やL字といった変則的な形の家が作りやすい建物。このため中庭との相性は抜群です。

    「口の字で外に閉じた家」「開く方向を選べるL字・コの字」は、平屋の視線問題を手っ取り早く解決する方法です。ただし、注意点もあります。

    口の字型平屋の注意点

    • 口の字は建物外周が大きく敷地を広く使います。隣地境界距離緑化率には注意
    • 水の逃げ場がないと中庭がプールに。排水面の対策が必要。植物の生育にも悪影響なので、暗渠や排水計画は念入りに
    • 口の字の最大のデメリットはコスト。基礎・排水・屋根周りでは結構なコストアップ

    デメリットの少ないL字・コの字

    • 安定した平屋でも、L字の家は重心バランスが取りずらい建物。耐震面の要望は事前にしっかり伝えておく
    • 口の字に比べてL字・コの字は中庭に侵入されやすい。死角になりやすいので入念な防犯対策が必要
    • 回遊動線の口の字に対して、L字・コの字は宅内動線が長い事がデメリット。間取り検討は動線設計を慎重に

    縦・横滑り窓の活用

    「通風」「採光」「出入り」と便利な引き違い窓。一方で、大きく開く窓は、目に留まりやすく視線対策は苦手。

    実際に平屋で暮らして感じますが、気になる視線の大半は、意図的に覗き込んだ視線ではなくたまたま見えてしまった視線。

    これを避けるには、縦滑りスリット窓横滑りの高窓が効果的。小さく開き視線を避けつつ通気効果は十分です。

    縦横滑り窓の注意点

    • 気になる点は少ないですが、網戸の効果が低く掃除がかなり面倒なのはデメリット。割り切って家事代行を頼むとか
    • 高窓のオペレーターハンドル(クルクル回して開閉する)は面倒、頻繁に開ける窓には電動がベター

    深い軒を設置

    上からの視線に対しては深い軒の出が有効。視線だけでなく、夏の強い日差しも遮りパッシブデザインとしても優秀です。

    雨の日でも軒下を使えるので、雨音を聞きながらゆっくりするのも平屋ならではのスタイルです。

    深い軒の注意点

    • 壁芯から1mを超えた軒は建ぺい計算に含まれます。条件の厳しい土地は、意外と自由が利きません
    • 屋根が大きくなり建物重量は増えます。軽い屋根材を選ぶなど、平屋の高い耐震性を損なわない対策も重要
    • 猛威を振るう台風。深い軒は風の被害を受けやすい。特に海近くの土地は要注意
    • 深い軒はカッコ良くて憧れます。しかし、屋根は現場施工なのでコストアップは予想以上

    道路と高低差のある土地

    新築平屋

    「前面道路から一段上がった土地」「傾斜地のひな壇地」だと目線を遮りやすく、低めの植栽との併用でも十分な効果が期待できます。

    さらに、道路との高低差があれば、平屋の弱点「水害対策」でも効果的です。

    高低差のある土地の注意点

    • 傾斜地は土砂崩れのリスクが高まります。ハザードマップを確認して、寝室位置をずらすなど万が一の対策も必要
    • 全面道路との高低差があると、駐車場や玄関アプローチなど外構工事でのコストアップは避けられません

    植木で目隠し

    株立ちのシマトネリコ(手前)と梅(奥2本)

    最近は里山風、雑木風の庭づくりも人気。窓周りを自然に隠せる植物を選ぶのも良い方法です。

    特に株立ちの常緑樹をうまく透かしてやると、目隠しをしつつ木漏れ日も楽しめる素敵な庭になります。

    夜はライトアップしても綺麗です。

    植栽目隠しの注意点

    • シマトネリコなど成長旺盛な常緑樹もあり、放ったらかすと大変。メンテナンス含め樹種選びは慎重に
    • 落葉樹は一気に葉を落としますが、常緑樹は年中パラパラ落ちます。常緑樹の方が返って面倒という声もあります
    • 在不在の手がかりになるのでライトアップはタイマーで定時点灯。また、樹木の影が家にかかると、暗闇に紛れられます

    縦ルーバーやフェンスの設置

    縦ルーバーやフェンスは、外からの視線を遮りつつ新鮮な空気を取り込める便利なアイテム。

    水平基調の平屋住宅に縦ルーバーで変化をつけると、見た目が一段とカッコよくなるのも人気の理由です。

    縦ルーバー・フェンスの注意点

    • 完全に外の視線を遮ると、侵入時の隠れ場所になります。間隔広めのルーバーと樹木の目隠しを併用すると効果的
    • 屋根近くの構造物は屋根に上がる足がかり。せっかくの中庭も、侵入されると周囲の目が届かない空間です。ルーバーの配置に注意

    次のページでは我が家が採用した視線対策の効果を検証します

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