玄関に関するWeb内覧会は今回が最後です。主役の玄関照明を引き立てるため、建築側でもいくつか工夫を凝らしました。今回は建築側の工夫についてご紹介します。
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玄関天井クロスの見切り方
玄関に関する最初の記事で、玄関の天井だけ「目透かし仕上げ」と書きました。まずは、この「目透かし仕上げ」について説明します。
天井クロスの見切り材、廻り縁
通常、天井クロスと壁クロスがぶつかるコーナー見切りには、「廻り縁」と呼ばれる部材が挟まれます。クロスの見切り部分を隠したり、剥がれを防ぐために使われます。
特に木造軸組の建物は、季節の変化で木材寸法が変化したり、風や地震といった外力で建物が動き、クロスのつきあわせ部分が開いてしまう事もあります。
突き合わせ部分を隠したり、クロスの目開きを抑えるのが廻り縁の役割で、大半の家で取り付けられています。
塩ビ廻り縁による天井見切り
実際の我が家の廻り縁の写真です。天井と壁クロスの間にある白い線状の部品が廻り縁です。

クロスは壁・天井ともにエコフリースです。質感の高いクロスと合わさると、どうしてもプラスチック感が目立ちします。
この写真の場所は、冷蔵庫上のスペースなので気になりませんが、これが玄関天井にあるとかなり目立つと思います。
目透かしによる天井見切り
角度は少し違いますが、玄関天井の目透かし仕上げの写真です。

天井サイズより縦横1cm小さな石膏ボードを貼り、天井面を折り下げています。これにより天井と壁のコーナーに幅1cmの溝ができます。
この溝の中で壁クロスと天井クロスを突き合わせています。廻り縁を使わなくても、天井クロスと壁クロスの繋ぎ目を隠すことができます。
また、クロスの突き合わせ部分が開いてきても、溝の奥で突き合わせているので目立ちません。綺麗な仕上げです。
廻り縁を使わずクロスを突き合わせる方法もありますが、天井付近は床のコーナーよりも大きく動くので、クロスの合わせ目が開くリスクが高いそうです。
廻り縁と目透かしで見え方をシミュレート
試しに玄関の天井に廻り縁を模した線を入れてみました。夜はこんな感じ見えると思います。

エコフリースは、細かい木質繊維を不織布に織り上げた壁紙で、塗壁のような高い質感が特徴です。光が当たってもテカることなくマットな質感です。
これに対して塩ビの廻り縁は、光が当たると反射しテカります。廻り縁だけが光を反射しテカって目立つ状態では、折角の照明器具が台無しです。

目透かし仕上げはオプションで追加費用もかかりましたが、範囲も限られているので採用を決めました。
Edwald Haldの柔らかい照明を邪魔することなく、採用して良かったと思います。
展示場のモデルハウスなどでも見かけます。石膏ボード1枚分天井高が低くなります。玄関程度なら良いですが、LDKなど広い場合は早めに伝えた方が良いです。
竹カーテンの収まりに関する工夫
これは建築士からの提案で採用したものです。
玄関に入って目の前にSICがあります。最初は引き戸が設定されていましたが、コストダウンのため竹カーテンで仕切る仕様に変更しました。

通常の布カーテンと異なり、長さ2cmのS管を使ってランナーに取り付けます。レール・ランナーで4cmの高さがあります。
このため、レール取り付け面からカーテン上部の間には、合計で6cmの隙間が開いてしまいます。
この隙間を見せないために、レール取り付け部のみ折り上げています。

正面からみた写真です。カーテン上部は見えていますが、金属のS管はうまく隠しています。カーテンレールも隠すことができるので、すっきりとした見た目になります。
タイル割り付けの工夫
写真にもある通り、玄関框の上と下ではタイルの長手短手が直交しています。

タイルはどちらもリビエラのアルティカですが、屋内用/屋外用で少し雰囲気が違います。
廊下のタイルはLDKまで繋がるので、方向を変えることはできません。框の高さは20cmあるので、タイルの直交は気にせずこの仕様で進めました。

玄関と玄関ポーチの写真です。
ポーチ手前にはアプローチ階段があり、階段にも同じタイルを施工します。階段から玄関土間までは、全て横長割り付けで統一しています。
玄関を水洗い・掃き掃除する時に、掃く出す方向と目地の向きが直交しますが、多少砂が吐き出しにくい程度です。
以上、玄関周りの建築での工夫でした。最後まで読んで頂き有難うございます。次回のWeb内覧会は、中庭を囲む廊下についてご紹介します。
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