WEB内覧会は「玄関」からスタートです。「家の印象は玄関で決まる」とも言われ、素敵な玄関を見ると先の空間への期待も膨らみます。
さらに、外と中を繋ぐ玄関は他の空間と異なる機能性も求められ、意外とこだわりポイントの多い空間です。
WEB内覧会 玄関編では、「機能」「見た目」「動線」の3つの切り口から我が家の玄関を紹介します。
WEB内覧会 玄関編の3記事
- 【機能性】玄関は外と中を繋ぐ場所、重視した機能と選んだ建材(今回)
- 【見た目】玄関は家の印象を決める、選んだ内装仕上や家具・照明
- 【動 線】玄関は動線の始まりと終わり、玄関に必要な収納力
初回は「外と中を繋ぐ空間」という玄関の機能に注目し、「設計時に重視した機能」「機能のために選んだ建材」について紹介します。これから家を建てる方の参考になればと思います。
玄関で重視した機能性
玄関は「外と中を繋ぐ空間」。他の部屋にはない玄関特有の特徴を踏まえて、機能面で重視した事を紹介します。
汚れに強く掃除しやすい玄関
土足で歩く場所なので掃除しやすい玄関を目指しました。具体的には次の3点です。
掃除しやすい玄関 3つの条件
- 傷つきや水に強い床・壁材
- 濡れた状態でも滑りにくい床材
- 水や汚れを掃き出しやすい玄関ドア(親子ドア)
広くて明るい玄関
毎日必ず使う玄関です。複数人で同時に使っても安全・快適を目指して、広くて明るい玄関を希望しました。
賃貸で困った暗くて狭い玄関
- 幅90cmで靴の脱ぎ履き・荷物を抱えた行き違いで一苦労
- 仮置きスペースが無く買い出し後の荷捌きが不便
- 暗くて荷物や段差に躓きやすく危険
- 暗くて探し物・身支度がしにくい
段差の無いバリアフリー玄関
一般的な玄関には、上がり框という土間とホールを仕切る段差があります。将来のために上がり框の無いフラットなバリアフリー玄関を希望しました。
上がり框の良し悪し
- 土埃が室内に吹き込む事を防ぐ
- 靴の脱ぎ履き時には便利な腰掛け
- 高齢者・車椅子には不便で危険な段差
気密性・断熱性・防犯性の高い玄関ドア
冷気・熱気の侵入しやすい玄関には、気密性・断熱性の高い玄関ドアを希望。さらに強盗の侵入経路では玄関は窓に次いで2番目。高い防犯性能も必須条件です。
代表的な2種類の玄関扉
- 木製:高い質感と断熱性が特徴。メンテナンスと価格が課題
- 鋼板製:豊富なデザイン・価格・最新機能が特徴。大手建材メーカー製が中心
実際に採用できた事
ここからは実際に採用した間取り・建材について紹介します。
玄関ポーチ・LDKと同じタイルで統一
玄関の床材は玄関ポーチ・LDKと同じ「(メーカー)Riviera(品名)Altica(色)アントラチッテ屋外用」で統一。床だけでなく壁面の立ち上がり23cmもタイルを施工。その上に巾木を挟んで壁紙(エコフリース)につながります。
汚れが目立ちにくいグレーの石目調。立ち上がりにもタイルがあるので、ホースで水をジャバジャバかけても、デッキブラシでゴシゴシ洗っても、壁紙や巾木が濡れることはありません。ザラっと荒いれた表面も滑り止め効果は十分です。
1.7m×2.8mの広い玄関スペース
賃貸では狭くて苦労しましたが新居の玄関の横幅は1.7m。上がり框(段差)を挟んで土間(1.5m)と廊下(1.3m)があり玄関スペースは全体で約3畳。幅1.7m上がり框は、大人3人が同時に座って靴紐を結んでもノーストレス。
賃貸に比べて格段に便利に感じるのは、土間と廊下を仮置き・荷捌きスペースとして使える点。週末のまとめ買いで大量の荷物を捌く時は、1人が車〜廊下、もう1人が廊下〜キッチンを分担してピストン。靴を履き替えて外・中を往復するのに比べて圧倒的に楽になりました。
中庭から陽光あふれる明るい玄関
玄関の正面に大窓(幅4m 高さ2.4m)を設置。大きな中庭から陽光があふれ、明るい玄関になりました。帰宅時、来客時、玄関扉を抜けると窓越しに大きな青空が広がり、家全体の印象も開放的になります。
日没後は照明に頼ることになりますが、玄関照明の他、廊下の間接照明、中庭の樹木を照らす照明もあり予想以上の明るさ。仕事帰り、疲れて帰ってきてもやんわりと明るい玄関にホッと一息、癒されます。
防犯性の高いカードキー式玄関ドア
質感と断熱性の高い木製ドアは諦めて、最新防犯機能が付く大手の鋼板ドア(LIXIL ジエスタ2)を選択。ポイントとなる機能は次の3点。
- 施錠忘れ、鍵複製を防ぐオートロック付きカードキー
- カバー付き2ロックディンプルキー
- こじ開け対策の鎌付きデッドボルト
- 内部把握を防ぐためガラス無し
2ロックと20秒縛りの防犯性
2つあるディンプルキーですが、どちらかを開錠してから20秒以内に残りも開錠しないと、自動的に再施錠されます。鍵屋でも解錠に時間がかかるディンプルキーが2つ、さらに20秒縛りまで加わり安心です。
残念ながら諦めた事
欲しいものが手に入るとは限らないですね。値段が高い、夫婦で意見がまとまらない、間取りに収まらないなど理由は様々ですが、残念ながら諦めた事です。
フラットなバリアフリー玄関
上がり框(かまち)の無いバリアフリー玄関を希望していましたが、「邪魔だから無くす」と言うほど簡単ではないそうです。話し合った結果、腰掛けやすい高さとして23cmの上がり框を設置しました。
上がり框を無くすには?
玄関の上がり框を無くす方法は2通りありますが、どちらも決め手に欠く選びにくい状況です。
- 室内床を下げて玄関床に合わせる
換気・配管・断熱スペースのため地盤面を掘り下げ。基礎工事などコストアップ - 玄関床を上げて室内床に合わせる
室内床の高さは変わらず。玄関はバリアフリーでもアプローチで階段数が増える
親子扉の玄関ドア
掃き掃除・水掃除の作業性や将来の車椅子対応を考えて親子ドアを希望しましたが、玄関の幅に収まらず残念ながら断念しました。親子ドアを設置する場合、120cm以上間口を確保できないと選択肢が限られてしまいます。
扉をつける面の横幅は170cmありますが、屋内側は下駄箱と干渉するため▲35cm。屋外側は玄関照明の張り出しでさらに▲35cm。結局、扉設置に使える間口は100cmしか残らず。ジエスタ2の親子ドアは幅124cmなので納まらず。
引越しで家具の搬入はどうだったか?
心配していた大型ラウンジチェア(チーフテンチェア・幅93cm 奥行き83cm 高さ89cm)の搬入ですが、幅92cmの片開き扉から問題なく搬入できました。3人掛けの大型ソファなどは厳しそうですが、横を向けて背当てから入れて回転して、意外とすんなり入った印象です。
最後に
広くて明るい使いやすい玄関ができたと思います。防犯性能の高いドアも設置でき安心して生活することができます。一方で、将来に向けたバリアフリーでは課題の残る結果。「階段のないバリアフリーな生活」が平屋を選んだ理由の一つなだけに、全体の予算配分を考えながら優先順位をつける家づくりの難しさを感じました。
次回の【WEB内覧会 玄関】では、「玄関の内装仕上げと家具・照明について」紹介します。エコフリース壁紙・ビンテージ照明など、我が家のこだわりがたっぷり詰まっています。最後まで読んで頂き有難うございました。
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