PVアクセスランキング にほんブログ村

エネルギー

V2H導入#1 電気代削減のため、トライブリッド導入を決めた皮算用

2022年7月7日

最近の電気・ガス・ガソリンの高騰には驚いています。特に電気代は家計に占める支出割合も高く頭を悩ませます。

燃調費が最安だった2021年1月の「▲5.02円/kWh」に対して、2022年8月は「+5.10円/kWh」となり完全に反転。

10円/kWhの値上がりで4人家族(400kWh/月)では4,000円/月。ガス・ガソリンを足すと負担増は7,000円/月を超えます。

年間7,000kWhを消費するオール電化の我が家。新築時の「エネルギー計画」を前倒し、電気代対策を行う事にしました。

今回の記事では、次の点について我が家が考えた事を紹介します。

この記事のポイント

  • 我が家のエネルギー計画について
  • このタイミングで計画を変更し、設備導入に踏み切る理由
  • 活用できる補助金
  • 最終的にかかる費用や回収見込み

こんな方におすすめ

  • これから新築予定の施主の方
  • 光熱費の高騰に困っているオール電化住宅の方
  • 災害時の電力供給に不安な方
  • V2Hの導入を考えている方
  • 対象となる補助金を調べている方

色々な考え方があり賛否はあると思いますが、「我が家はこういう考え方で導入します」という話です。

目次(ジャンプできます)

    新築時に考えたエネルギー計画

    我が家がハウスメーカと契約したのは2019年末、「台風15号・19号(東日本広域)」の直後です。

    立て続けにきた2つの台風による被害は甚大で、電力供給網も大きな被害を受け復旧にはかなりの日数がかかりました。

    そういった状況を目の当たりにして始まった家づくり。「台風を含めた災害時はどのするか?」夫婦で何度も話し合いました。

    その話し合いで決めた事を、我が家では「エネルギー計画」と呼んでいます。

    どのエネルギーを使うか

    家庭で使うエネルギーは「電気・ガス・ガソリン・灯油」の4種類ありますが、我が家は「ガソリンも含めて全て電気に集約する事」を選びました。

    大地震の度に「オール電化の弱さ」が報道され不安もありますが、以下4つの理由から電気への集約を決めました。

    電気に集約する理由

    1. 電気は家庭で唯一創れるエネルギー
    2. 化石燃料の価格はいずれ上昇する
    3. 電気はガス・ガソリン・灯油の代わりになる
    4. 電気に1本化すれば投資効果が高い

    最小限のエネルギーコスト

    平常時の生活ではエネルギーコストの削減もエネルギー計画の重要なテーマです。

    最小限がいくらかを知る事で、最終目標とする削減幅や段階的な削減計画が見えてきます。

    我が家の場合、ガソリン・電気・ガスの合計で30万円/年に対して、最大で26.3万円(1+2+4)の削減が見込めます。

    最小限のエネルギーコストは年間で3万円となります。

    エネルギーコストの削減効果

    1. オール電化へ変更:▲1.8万円/年
    2. ガソリン車→HV車:▲3万円/年
    3. ガソリン車→EV車:▲8万円/年
    4. 太陽光のみ(5kW):▲14.3万円/年
    5. 太陽光+V2H:▲16.5万円/年

    ただし、電気・ガス代は「2人暮らし世帯の平均支出額(新電力ネット)」を参考に試算しました。

    実際の電気代は試算より6万円多くなっています。(冷暖房の24時間稼働・電気代高騰による)

    以下は削減額の試算方法です。

    • ガソリン車:12万円/年(走行距離10,000km/年・燃費13km/L)
    • HV車:▲3万円/年(ガソリン比で約2/3弱)
    • EV車:▲8万円/年(ガソリン比で約1/3)
    • 電気代・ガス代:¥1.5万円/月×12ヶ月=18万円/年(電気・ガス平均支出額「新電力ネット」)
    • オール電化:電気+ガスの約1割減
    • 太陽光:積載量5kW・発電量6,000kWh
    • 太陽光のみ:50%消費(3000kWh×¥30/kWh=▲9万円/年)・50%売り(3000kWh×¥17.7/kWh≒▲5.3万円/年)
    • 太陽光+V2H:80%消費(4800kWh×¥30/kWh=▲¥14.4万円/年)・20%売り(1200kWh×¥17.7/kWh≒▲¥2.1万円/年)

    災害時に必要な電力

    台風15号・19号では電力網自体が被災し避難所でも停電が発生。他避難所への移動を余儀なくされたケースもあったそうです。

    自宅に被害が無い限り在宅避難を基本とし、まずは、在宅避難で使う家電・設備の消費電力を計算しました。

    「絶対に必要」と「あれば良いな」の2つに分けて考えています。

    絶対に必要の電力量(7kWh/日)

    1. 冷蔵庫:消費電力 30Wh × 24時間 = 0.7kWh
    2. エアコン(1基・暖房):700Wh × 5時間 = 3.5kWh
    3. シャワー(沸かし太郎・20L):900Wh × 1時間 × 2人 = 1.8kWh
    4. 照明・スマホ・テレビ・ホームセキュリティなど:1.0kWh

    あれば良いなの電力量(13.3kWh/日)

    1. 冷蔵庫:消費電力 30Wh × 24時間 = 0.7kWh
    2. エアコン(1基・暖房):700Wh × 10時間7.0kWh
    3. シャワー(沸かし太郎・30L):900Wh × 1.5時間 × 2人 = 2.7kWh
    4. 照明・スマホ・テレビ・ホームセキュリティなど:1.0kWh
    5. IHクッキングヒーター:3kWh × 0.5時間 = 1.5kWh
    6. 炊飯器:炊飯1回あたり0.2Wh × 2回 = 0.4kWh

    必要な設備と資金

    ここまでの内容(導入設備・平常時のコストダウン・非常時の自立日数)に、それぞれの「必要資金」を一覧表にまとめました。

    導入設備 必要資金(工事込み) 平常時のコストダウン 非常時の自立日数
    • オール電化
    • HV車
    • 50万円
    • 400万円(ハリアー)
    • ▲5.8万円
    • 最低限の電力:6日間
    • 欲しい電力:3日間
    • オール電化
    • 太陽光
    • HV車
    • 50万円
    • 120万円
    • 400万円(ハリアー)
    • ▲20.1万円
    • HVで3kWh/残り太陽光
    • 最低限の電力:15日間
    • 欲しい電力:15日間
    • オール電化
    • 太陽光
    • EV車
    • 50万円
    • 120万円
    • 420万円(リーフ60kWh)
    • ▲24.1万円
    • EVで3kWh/残り太陽光
    • 最低限の電力:18日間
    • 欲しい電力:18日間
    • オール電化
    • 太陽光
    • V2H
    • EV車
    • 50万円
    • 120万円
    • 100万円(ニチコン プレミアム)
    • 420万円(リーフ60kWh)
    • ▲26.3万円
    • EVで3kWh/残り太陽光/余剰はEV戻し
    • 最低限の電力:30日以上
    • 欲しい電力:18日間

    ※HV車にはオプションの「非常給電システム」(最大1500Whの出力)と建物側には冷蔵庫・寝室エアコンをつなぐ特定配線を設置しています。詳しくはこちらで紹介しています。

    ※2番目・3番目の最大の違いはガソリン/電気の残量。確率論ですが、家で充電できるEVの方が、災害発生時に満タンである可能性は高くなります。

    ※3番目・4番目の違いは、消費電力を減らして蓄電量を回復し自立期間を調整できる点。3日に1日の割合で最低限消費を挟めば、13.3kWh消費でも自立日数は大幅に伸びます。

    設備導入スケジュール(エネルギー計画 Ver.1)

    理想は4番目のV2Hまで揃ったパターンですが、初期投資が670万円とかなり大きくなります。

    そこで上から順番に段階を踏んで設備導入をする事にしました。具体的には

    エネルギー計画 Ver.1

    • 入居1年目(=新築時):オール電化・HV車・配線準備(HV→特定コンセント・太陽光・V2H)
    • 入居2年目:太陽光(5kWh)を追加
    • 入居3年目:EV車を導入
    • 入居4年目:V2H設備の導入

    何かと物入りな1年目の支出は抑えて、キャッシュアウトが一巡した2年目以降で設備投資を始める計画です。

    (ガソリン満タンが条件ですが)最も自立日数が短い1年目でも最低限で6日間の生活を確保できるのが肝。

    さらに、新居での消費電力の実績も揃うので、太陽光の積載量を現実に即して判断ができるのもメリットです。

    取り巻く環境の変化

    何度も話し合いを重ねて考えたエネルギー計画ですが、世の中の変化には抗えず。2年目の今年、外部環境の変化を考慮して前倒す事を決めました。前倒しを決めた理由を紹介します。

    電気代が想定以上に高い

    まずはオール電化での電気代。想定していた電気代を大きく超えました。

    1.5万円/月で試算していましが、実際の平均電気代は2万円/月。年間で6万円のコストアップです。

    原因は「冷暖房による消費量増加(+2万円)」と「高騰した電力単価(+4万円)」です。

    支払った電気代は取り返せないので、設備導入とコスト削減を前倒し、急ぎ出血を止めるべきだと考えました。

    災害リスクの増大

    頻発する地震や豪雨被害を見ていると、自分達も同じように被災する可能性を意識します。

    2019年台風15号では、土砂崩れによる送電設備の損壊や変電所の水没が長期停電を引き起こした一因とされます。

    最近は台風だけでなく、線状降水帯による被害も報道されています。

    昨年、町内・近隣自治体で大規模な土砂崩れも発生。改めて早急な災害対策の必要性を感じました。

    設備の供給懸念

    半導体不足の影響もあり、EVに限らず自動車全般の納期が長くなっています。

    その他、家電や住宅設備でも在庫不足が深刻化。納期待ちの状況が続いています。

    さらに折りからの電力不足。V2Hがニュースで特集されるなど注目度も上がり、在庫不足に拍車がかかっているようです。

    以前は納期1ヶ月だったトライブリッドが現在は2.5ヶ月待ち。

    オール電化の消費電力は冬がピーク。EVは手遅れですがV2Hはまだ間に合います。

    状況が悪化する可能性もあり、結局買うのであれば、入手できるものは早めに入手と考えました。

    補助金の拡充

    最後は補助金の拡充です。今年からEVに対する補助金が大幅に増え、V2Hの補助金も充実してきました。

    国・自治体の補助金を上手く使えば、EV・V2Hでの補助金は合計200万円前後。特に、V2Hでは負担額は2〜3割程度で済みます。

    問題はどちらも供給不足による納期の遅れ。

    CEV補助金

    車の納入後1ヶ月以内の申請。既に納期が年度を跨ぐ車種も出始めています。今年度予算での申請はかなり厳しい状況です。

    V2H補助金

    「決定通知後の発注」「年度末までの実績報告」が補助金の条件。申請が増加し審査が遅れると、決定通知の受領も遅れます。

    現時点で2.5ヶ月の納期を考えると意外と猶予はありません。

    次のページでは「エネルギー計画 Ver2・設備費用・補助金・回収期間」を紹介します

    次のページへ >


    良く読んで頂いている記事


    窓掃除ロボットHOBOT 2S ロボットで本当にきれいになるの?

    大きなフルハイトの窓は開放的、冬でも日差しをたっぷり取り込めるので人気です。 しかし、綺麗な状態を維持するのは大変です。特に梅雨など長雨シーズンは、掃除しても掃除してもすぐに汚れます。 我が家は、中庭に面して「幅1.5m 高さ2.4mの大窓6枚」「2.4m高のテラスドア2枚」があり、軒が無いのでしっかり雨が当たります。 雨上がりには水染みや水垢がくっきり。入居直後は隔週で窓掃除をしていましたが、段々億劫になり最近は半年近く放置してました。 そんな状況を打開するため、試しに購入したのが「窓掃除ロボットHOB ...

    ReadMore

    オール電化にして後悔?1年半暮らして感じたメリット・デメリット

    今までガス・電気併用で生活してきた我が家にとって、オール電化は「理屈上は良い」と分かっていても「不安が残る」決断でした。そんなオール電化生活もようやく1年半が経過。 色々トラブルもありましたが、実際に暮らしてみて「オール電化を選んでよかった」と感じています。今回の記事では次の3点について紹介します。 今回の記事のポイント オール電化を選ぶ時に感じた不安とその結果 最終的にオール電化に決めた理由・メリット 住んでから分かったオール電化のデメリット オール電化を検討中の方、これから新築の方の参考になればと思い ...

    ReadMore

    フェムトセル

    携帯電波の入らない家(解決編)フェムトセルで電波はどれだけ改善したか?

    我が家は「携帯電波が入らない家」、新築の途中、窓・屋根・外壁が出来上がった時に発覚しました。フェムトセルの導入条件は、新築住宅には複雑でなかなか手続きが前に進みません。 引っ越しから3週間遅れでフェムトセルが稼働し、宅内でも電話を使えるようになりました。我が家は大きな中庭のある変則的な間取り。Wi-Fiも含めて電波を使う通信にはハードルが高いようです。 今回の記事では、フェムトセル導入前後での電波改善状況についてまとめます。フェムトセル導入手続き、中庭のある間取りのWi-Fi事情は、こちらの記事でまとめて ...

    ReadMore

    イーサネットバックホール

    Wi-Fi電波が弱い問題#2 イーサネットバックホールとDecoX20で解決

    「中央に大きな中庭がある平屋」という特殊な間取りで、家全体にWi-Fiを張り巡らすために、バッファローのWTR-M2133HSによるメッシュWi-Fiを選びました。 家中なんとか使える状態にはなりましたが、ランドリーや寝室の電波が極端に弱い状態。ロフトに上がる階段に中継機を置いているので、登り降りで危ないと感じる事もあります。 そんなWi-Fi事情の中で最大の問題は、親機と中継機の通信状態です。設置場所の都合もあり、親子の通信でかなりのエラーが発生しています。一連の問題を解決するために「イーサネットバック ...

    ReadMore

    タイル床のメリットデメリット

    タイル床のメリット・デメリット、建てる時は大変、住んでからは手間要らず!

    我が家はデンマークの建築家「Halldor Gunnløgsson」の自宅をイメージして設計。その家の床は大理石ですが、それは予算オーバーなので石目調のタイルを採用しました。 タイル床での生活は初めてなので、ネットで見かけるデメリット情報に不安を感じていました。実際に建てて1年住んでみて感じた「タイル床のメリット・デメリット」をまとめます。 結論としては、建てる時は費用・手間・時間がかかるが、住んでからは手間要らず。選んでよかったと思います。 その他、家づくりに関する記事はこちらからどうぞ。 こちらもCH ...

    ReadMore

    クラピア

    3ヶ月経過したクラピア、植えた場所によって成長具合に差が出ました

    6月上旬に植え付けたクラピアですがとても元気に育っています。今年の夏は雨も多かったので、たっぷりの水と太陽で驚くほど広がっています。 芝生よりも成長が早く手間の少ないと考え、グランドカバーにはクラピアを選びました。期待通りの成長の早さですが、場所によって成長に違いがあります。 モサモサすぎる部分を刈り込みましたが、。刈り込みながら陽当たり・水捌け・土の状況など成長の違いについても考えてみました。 植え込み直後、1ヶ月後の記事はこちらからどうぞ。 こちらもCHECK こちらもCHECK 植え付け1ヶ月後と3 ...

    ReadMore

    エアコン目隠しルーバー

    コストダウンのため、エアコンの目隠しルーバーをDIYで作成したら、ハウスメーカーにも大好評!

    内装にこだわり始めると、エアコンの設置方法は悩みどころです。特に、LDK用のエアコンはサイズが大きく存在感があるので、インテリアの雰囲気を崩さないように設置したいと考えました。 見積りには目隠しルーバーが設定されていましたが結構な値段。そこで、思い切って自作しました。試行錯誤・手間と時間はかかりましたが、見た目も内装と調和しコストダウンにもなりました。今回は、そんな大好評の「可動式のエアコン目隠しルーバー」を紹介します。 また、関連記事はこちらでも記載しています。 こちらもCHECK 引っ越して最初にやっ ...

    ReadMore

    フェムトセルの導入

    携帯電波が入らない家(導入編)、3ヶ月かかった、全体像の見えないフェムトセル導入手続き

    iPhone3Gが発売され、便利なものができたと飛びついてから10年以上。生活インフラとして当たり前に使っているスマホですが、「使えない」と大変です。 前回記事で紹介した通り、我が家は「携帯電波の入らない家」。引っ越し時は家電・家具の搬入など携帯電話が必須なので、引っ越し前にフェムトセルの設置を目指しましたが、残念ながら間に合わず。こんなに手続きが分かり難いとは思いませんでした。 そこで今回の記事「導入編」では、DOCOMOフェムトセルの導入方法・手続きのポイントを紹介します。新築で導入する場合、既存の建 ...

    ReadMore

    植えてはいけないトクサ

    「植えてはいけない」と言われる「トクサ」、植えた理由と地下茎対策

    世間では「植えてはいけない」と言われる植物がいくつかあります。我が家の外庭法面や中庭の一角に植えた「トクサ」もその1つ。 「植えてはいけない」と言われるとインパクトがあるので身構えてしまいます。実際は、「軽い気持ちで植えてはいけない」「付き合い方を理解して植えましょう」という意味が正しいと思います。 今回は、「植えてはいけないと言われるトクサを植えた理由」「トクサの地下茎対策」について紹介します。 外構・植栽関連の前回記事はこちらです。 こちらもCHECK 目次(ジャンプできます) 「植えてはいけない」ト ...

    ReadMore

    片流れ屋根の太陽光

    北向きの片流れ屋根、太陽光パネルはあまり載らない?

    新築住宅の5軒に2軒が太陽光を導入するそうで、10年前に比べるとかなり普及したと感じます。FIT制度の効果は絶大です。 御多分に洩れず、我が家も太陽光設置を考えていましたが、目的は売電というより災害対策。災害時でもエネルギーを作れる点に魅力を感じていました。 最終的に新築時には導入せず先送りましたが、検討過程で気になったのは「北下がりの片流れ屋根と太陽光の関係」です。 今回の記事では、新築検討時の情報をもとに以下の事を紹介します。 この記事のポイント 太陽光を設置する上での北下がり屋根のデメリット 北下が ...

    ReadMore

    -エネルギー
    -,