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エネルギー

V2H導入#2 EVで大丈夫?車は電池?EV7車種を乗り比べた結論

2022年7月16日

電気・ガソリン代の削減、災害時の電力確保に向けて太陽光・V2Hの導入を検討しています。V2Hを導入する場合、車はV2H対応のEV(PHV)車から選ぶことになります。

V2H導入を考える中、頭の片隅にひっかかる疑問が2つ。

  • 本当にEVで大丈夫なのか?
  • EVを蓄電池として選ぶことは正しいのか?

この疑問を解決するため、「EVのデメリット」「V2Hを諦めればどんな車を選べるのか」を念頭に各社のEV7車種を試乗。

最終的には日産アリアを注文しV2H導入を決めました。今回の記事では我が家がこの結論に至った経緯を紹介します。

この記事でわかる事

  • EVのデメリットは何か?
  • それでもEV導入を決めた理由
  • 試乗比較したEV7車種の特徴
  • 日産アリアを選んだ理由

こんな方におすすめです

  • V2Hの導入を考えている方
  • EVの購入を考えている方

目次(ジャンプできます)

    EV導入時に気になったデメリット

    いつかはEV導入と考えていましたが、いざ購入となると「本当にEVで大丈夫か?」という不安もあります。記事前半では「EV購入時に気になるデメリット」と「そのデメリットを乗り越えた理由」を紹介します。

    車の選択肢が少ない

    最初にEVを考えたのは家づくりがスタートした2019年末。当時購入できるEV車は「日産リーフ・三菱 i-MiEV・BMW i3・テスラ」しかなく、時期尚早と判断しハリアーHVを購入しました。

    EV元年とも言われる2022年、国産・輸入のほぼ全メーカーでEVがラインナップされ、2019年に比べれば選択肢は大幅に広がりました。それでも、国内のボリュームゾーン(コンパクト・軽)では日産サクラのみ。

    まだまだ「自由に選べる」とは言い難い状況です。

    我が家はSUVでOK

    どのメーカーもSUVを中心にラインナップ。SUVが希望の我が家にとっては好都合です。サイズ別に3〜4車種が揃うHVに比べれば見劣りはしますが、メーカー間での比較ができる点は大きな変化です。

    ガソリン高騰や補助金という後押しが強いのも事実ですが、「ある程度は比較検討できる」状況になったと理解しています。

    車本体の価格が高い

    2022年からCEV補助金が拡充。自治体の補助金もあり価格面のハードルは随分下がりました。それでも補助金頼み。予算上限で受付終了になると「来年度への先送り」を視野に燃料代と補助金の損得勘定です。

    アリアが最安539万円に対して同じ車格のX-TRAILは316万円から。200万円以上の値差があり、年間11万円のガソリン代と自動車税2万円が減っても回収するには18年。

    さらに、ガソリンやHVと比べて値引きがないのもEVが割高な理由。販売店からは収益性や先々のリスクと言った意見もあり、価格での競合はもう少し先になりそうです。

    V2Hで電気代も視野に

    太陽光発電のある家庭なら、V2Hの導入で購入する電気代を削減できます。卒FITに限らず売電価格が下がり、買電価格が高騰している昨今では、自家消費を増やせるV2Hは効果抜群。

    我が家の試算では、ガソリン・自動車税・電気代で年30万円の削減効果。V2H・EV補助金を最大に活用すれば8年程度まで回収期間を短縮可能です。

    補助金頼みは変わりませんが…。

    航続距離が短く充電時間が長い

    HVが数分の給油で800km走るのに対し、EVは高速充電(50kW)30分でも160kmしか走りません。しかも冷暖房の強い夏冬はさらに走行距離が短くなります。あまりにも大きな違いです。

    より高速な90kW充電機もありますが、まだまだ設置場所は限られています。見つかっても他の車が使用中など、すぐに充電できるとは限りません。

    特に片道150kmを超える日帰り運転は、充電込みの観光・休憩計画が必要。EVに慣れるまでは、わからない事も多く付き合いづらく感じそうです。

    酒好きの我が家

    幸い夫婦揃って酒好きで美味しい物には酒が必須。日帰りで片道100km程度なら車も考えますが、それ以上の長距離は基本新幹線か飛行機。車での長距離移動はほぼありません。

    どうしても車で移動する時は、レンタカーでハイブリッド車を借りれば事足ります。レンタカー代はかかりますが、EVで削減したガソリン代を考えれば十分に許容範囲です。

    バッテリーの劣化問題

    スマホの電池と同じように、EVの電池も使用に伴い劣化します。このため、各社電池劣化に対する保証を設定しています。例えば、

    • 日産:8年 or 16万kmで75%(9/12セグメント)以上
    • トヨタ:10年 or 20万kmで70%以上
    • スバル:8年 or 16万kmで70%以上

    といった具合です。

    充放電頻度が多いほど劣化しやすく、V2Hのような使い方は特に厳しいと言われますが、V2Hに対する例外条項は見当たりません。

    各社の長期保証は安心ですが、問題は30%程度の劣化条件。例えば20%劣化だと、100km近く航続距離が短くなった状態です。あと10%劣化するまでそのまま乗り続けるのは、なかなかの苦労がありそうです。

    5年を目安に

    EVの選択肢が増えたといってもまだまだEVは過渡期。EVの仕組み・インフラ・電池でも進化は続きます。現時点では5年を目処に乗り換えることにしました。

    次の車を探す頃には、もっと選択肢が増えている事を楽しみにしています。

    エンジンの音・振動・高揚感

    最後まで悩んだポイントです。

    車は生活の道具・目的地に着けば良いという考えもあります。その意味では、EV車なら災害対策も兼ね備えた優秀な道具になります。一方で、運転中に感じる高揚感も車の魅力。「EVはちょっとね」という意見もその通りです。

    ある記事で「スマホと同じくEVネイティブ世代には理解されない感覚になる」という記載を見かけました。ガソリン車は富裕層の趣味という時代が来るかもしれませんし、レコードのように復刻するかもしれません。

    車を運転する楽しさ

    BMW iX3を試乗した時、やっぱりBMWだと感じました。EVらしさを強調するメーカー・自社らしさを強調するメーカーと各社の異なる考え方が垣間見れます。

    BMWの走行感を体験した直後には「V2Hはやめてこの車で楽しくガソリン代を削減」という考えもよぎりましたが、少し時間をおいて話し合い「補助金が充実している今は、V2Hを条件に車を選ぶ事」で決定。

    それでも「次に買う車はV2H抜きで選びたい」という夫婦共通の意見もまとまりました。

    結局、車って何なんだろう?

    色々と考えた結果行き着いたのは「車って何なんだろう?」という疑問。世代・性別・地域が違えば車に対する考え方も違います。

    我が家にとって、現段階でのEVは「移動・災害対策・電気代削減のツール」なので、この目的を重視してEVを選びます。

    V2H非対応の輸入車にも試乗することで、あらためて今必要な事を再確認できたと感じています。また、試乗したからこそ、次の車のイメージもできました。

    1ヶ月半という駆け足スケジュールでしたが、乗り比べて良かったと思います。

    次のページでは「試乗した7車種の特徴」をまとめます

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