オール電化についてまわる震災や災害時のライフライン問題。最近の台風や地滑りなどの災害を見ていると、地震以外も深刻だと感じます。
電気はガスに比べれば復旧は比較的早いと言われます。オール電化では電気さえ復旧すれば、エネルギー面では通常通りの生活ができます。
問題は復旧までの一定期間をいかに乗り切るか。オール電化を選んだ我が家のリスクマネジメントについて、現状と今後のグレードアップ計画を紹介します。
目次
停電時のバックアップ電源の選択肢
バックアップ方法を考えるにあたり、電気の供給源を「発電」「蓄電」の2要素に分けて考えました。「発電」には太陽光発電とPHV(HV)、「蓄電」は蓄電池とEV(PHV)です。
自給自足(オフグリッド)がベストですが、相応に設備費用も増えていきます。一度に導入すると費用負担も大きいので、日常生活の実利も考えながら1つずつ拡張できると便利です。
現実的でコスパの良い選択肢、太陽光+蓄電池にPHV(HV)追加

現実的な選択肢として我が家が目指す形です。長期の停電時は、
- 日中の電力需要は太陽光で賄い、余剰分を蓄電
- 発電が止まる夜間は蓄電池から給電
- 蓄電池の電力が不足したら、PHV(又はHV)で発電し給電
発電機として代用できるPHVやHVを加えることで、太陽光の発電能力・蓄電池の容量を抑えることができ、全体コストを削減できます。
PHV・HVからの給電方法でコストが大きく異なる
PHVからの給電を全負荷(家全体=分電盤への電力供給)とする場合V2H機器が必要です。蓄電池や太陽光に加え、V2H機器、対応するPHVまで含めると1,000万円近い費用です。
一方で、PHVやHVからの給電を特定負荷(必要な所だけに供給)とする場合は、車の非常給電システムに電源ケーブルを繋ぐだけです。蓄電池と太陽光とHVだと、最安400万円程度で実装できます。
理想はV2Hだが、順番に拡張するなら特定負荷でも十分
我が家は後者の特定負荷プランをゴール目標として設定しました。
前者のプランであれば停電時もほぼ日常通りの給電が可能ですが、予想以上に費用がかかります。また、V2H機器やPHVの選択肢も限られている上、割高感が否めません。
後者のプランだと太陽光・蓄電池と順番に導入し、日々の光熱費を削減しながら非常時に備えることができます。
加えて、比較的手頃なHVの非常給電を活用すれば、普段のガソリン代も削減しつつ非常時のバックアップ発電としても活用できます。現時点では現実的な選択肢だと考えます。
短期間の停電あれば対応可能、蓄電池の給電とPHV(HV)の発電

比較的短期の停電対策を、日常的なメリットと両立する方法です。
- 日常は比較的安価な深夜電気を充電し、昼間に使うことで光熱費を削減
- PHV(HV)によるガソリン代の削減
- 停電時は蓄電池からの給電とPHV(HV)の発電による非常給電
この方式のメリット・デメリット
近いうちにこの形にしたいと考えています。メリットは、安い深夜電気と燃費の良いHVを活用しつつ、非常時の備えとしてHV+蓄電池を300万円台で導入できること。
デメリットは、発電にガソリンを使うため持続時間が限られていること。降り注ぐ太陽光に比べると長期戦は厳しいです。消費電力次第ですが、ガソリン満タンで2日〜4日程度です。
すでにHVを持っていれば、蓄電池の導入だけで日々の実利と非常時の対応を両立できる事。我が家は既にHVがあるので、こお形を目指します。
最低限のリスクヘッジ、手軽な非常時対策としては秀逸

我が家は現在この状態です。停電時は、HVを非常給電モードにして特定配線に最大1500w(100V)で給電します。
メリットは、非常給電オプションとして数万円追加すれば、HVのコストのみで導入可能な事。コンパクトカーなら100万円台前半で導入可能です。HVの燃費も活用できるコスパ最良の選択肢です。
この方式のメリット・デメリット
デメリットは、非常給電コンセントを使うので、家電を車に移動・車と家の窓を開け延長コードを引っ張る必要がある事です。安全面・冷暖房・虫を考えると、抵抗を感じる方もいると思います。
このデメリットを補うため、我が家で工夫した事があります。後ほどご紹介します。
このパターンで、PHVとV2Hを使う方法もあります。V2H機器が安くても100万円、PHVで500万円と合計600万円かかります。「太陽光+蓄電池+HV非常給電」の方がコスパは良いと感じます。
次のページでは「HV非常給電でエアコン・冷蔵庫が動くのか」試してみました。