PVアクセスランキング にほんブログ村

エネルギー

騒音トラブル発生!雪の日、全力稼働したヒートポンプはうるさい!

2022年4月3日

2022年の年明け、関東は4年ぶりの大雪に見舞われました。24時間稼働を開始した床暖房のおかげで室内は快適そのもの。そんな年始の朝突然インターホンがなりモニター越しにお隣さんの姿。

「エコキュートの音がひどく眠れない。暖房の室外機はお互い様だとは思うが、エコキュートは前から気になっている。窓に防音材を貼って我慢してきたが、昨日の振動は酷すぎる。なんとかして欲しい」

ヒートポンプの騒音でお隣から苦情がきました。お隣さんの理解もあり大事にはなりませんでしたが、言う方も言われる方も気まずさが残ります。今回の記事では、ヒートポンプの騒音問題を実体験を交えて紹介します。今後新築予定の方の参考になればと思います。

今回の記事のポイント

  • 深夜のヒートポンプはうるさい
  • 認識が甘いと知らないうちに騒音加害者
  • 苦情対策の鍵は「時間帯」と「出力」
  • 新築でチェックしたい騒音ポイント
  • オール電化は脱深夜時間が重要

目次(ジャンプできます)

    エコキュート・床暖房はうるさいのか?

    何かと騒音問題で話題になるヒートポンプ(エコキュートやエアコン、床暖房)について、公的な基準値・規制についてまとめました。

    騒音に関する数字を確認

    生活騒音に関するパンフレット「生活騒音 互いの思いやりで騒音のない社会を」(環境省)によると、戸建て住宅地は

    • 昼間は40〜45dB
    • 夜間は35〜40dB

    図書館の館内が40dBなので、戸建の住宅地は図書館並みの静かさです。

    また、環境省が定める環境基準によると、住居専用地域の騒音基準値は「昼間(6時〜22時)は55dB以下・夜間(22時〜6時)は45dB以下」です。

    この環境基準を基に各自治体が「受忍限度(我慢できる限界の目安)」を決めます。神奈川県(除く横浜市・川崎市)の住居専用地域の場合、

    • 8時〜18時:50dB以下
    • 6時〜8時・18時〜23時:45dB以下
    • 23時〜6時:40dB以下

    と条例で定められています。トラブルになった際は、(法律・条例では)この受忍限度を基準に生活騒音が判断されます

    設置設備の運転音

    (エコキュートなどの)ヒートポンプの運転音は45dB前後ですが、メーカーの取説を確認すると「中間期:55dB・冬期:58dB」との記載されています。

    少し分かりにくいですが、「2018年に運転音の測定方法が変更され数値が大きく表記」されています。(一社 日本冷凍空調工業会)

    • 〜2018年:音圧レベル
    • 2018年〜:音響パワーレベル

    一説には11dB程度大きく表記されるそうで、この点を踏まえると、ヒートポンプの運転音は「45dB」前後で良さそうです。

    低周波について

    「エコキュートなどのヒートポンプ」や「エコジョーズなどのコージェネレーション」では低周波(1〜100Hz)もトラブルの原因とされています。

    国が明確な基準を出している騒音と異なり、低周波は影響を判断するための「参照値」(目安値)が示されています。具体的な低周波トラブルは大きく2つあります。

    • 窓や扉といった建具が揺れたり、がたつく
    • 人に不快感や圧迫感をあたえる

    「参照値」では、2つのトラブルを分けて「周波数(Hz)」「音圧(dB)」の値が細かく記載されています。(低周波音問題対応のための「評価指針」・環境省)

    ヒートポンプによる低周波トラブル

    原因を特定しやすい「建具の揺れ・がたつき」に対して、「人が感じる不快感や圧迫感」は、原因が多岐に渡り低周波の影響を特定しにくくなります。

    地方公共団体担当者のための 省エネ型温水器等から発生する 騒音対応に関するガイドブック」(環境省)では、低周波トラブルの特定に関して次のように記載されています。

    1. ヒートポンプの音にはトラブルの原因となる特定の低周波音が含まれる
    2. 特定の低周波音でも一定の音圧(dB)に満たないものは聞こえない
    3. 低周波の影響判断では「参照値(周波数と音圧)」を基準とする

    注目したいのは2点目。一定の音圧(dB)以下におさえれば、低周波自体が聞こえない可能性があります。「出力を下げるて騒音を減らす」ことで、一定の効果がありそうです。

    ただし注意点もあります。人の耳は低周波域の音が苦手で感じ方には大きな個人差があります。「参照値さえ下回れば聞こえない」は期待しすぎのようです。

    やはり、ヒートポンプはうるさい

    ここまでの話をまとめると、「騒音」では、

    受忍限度と運転音を比べればヒートポンプは「うるさい」

    という結論になります。また、低周波トラブルに関しては

    ヒートポンプの音は問題となる低周波を含む。個人差はあるがとても不快なも

    当然のようにヒートポンプを深夜に動かしてきましたが、近隣への配慮が必要な設備という事がよくわかりました。

    次のページでは「我が家が騒音加害者になった理由」を紹介します。

    次のページへ >


    良く読んで頂いている記事


    窓掃除ロボットHOBOT 2S ロボットで本当にきれいになるの?

    大きなフルハイトの窓は開放的、冬でも日差しをたっぷり取り込めるので人気です。 しかし、綺麗な状態を維持するのは大変です。特に梅雨など長雨シーズンは、掃除しても掃除してもすぐに汚れます。 我が家は、中庭に面して「幅1.5m 高さ2.4mの大窓6枚」「2.4m高のテラスドア2枚」があり、軒が無いのでしっかり雨が当たります。 雨上がりには水染みや水垢がくっきり。入居直後は隔週で窓掃除をしていましたが、段々億劫になり最近は半年近く放置してました。 そんな状況を打開するため、試しに購入したのが「窓掃除ロボットHOB ...

    ReadMore

    オール電化にして後悔?1年半暮らして感じたメリット・デメリット

    今までガス・電気併用で生活してきた我が家にとって、オール電化は「理屈上は良い」と分かっていても「不安が残る」決断でした。そんなオール電化生活もようやく1年半が経過。 色々トラブルもありましたが、実際に暮らしてみて「オール電化を選んでよかった」と感じています。今回の記事では次の3点について紹介します。 今回の記事のポイント オール電化を選ぶ時に感じた不安とその結果 最終的にオール電化に決めた理由・メリット 住んでから分かったオール電化のデメリット オール電化を検討中の方、これから新築の方の参考になればと思い ...

    ReadMore

    フェムトセル

    携帯電波の入らない家(解決編)フェムトセルで電波はどれだけ改善したか?

    我が家は「携帯電波が入らない家」、新築の途中、窓・屋根・外壁が出来上がった時に発覚しました。フェムトセルの導入条件は、新築住宅には複雑でなかなか手続きが前に進みません。 引っ越しから3週間遅れでフェムトセルが稼働し、宅内でも電話を使えるようになりました。我が家は大きな中庭のある変則的な間取り。Wi-Fiも含めて電波を使う通信にはハードルが高いようです。 今回の記事では、フェムトセル導入前後での電波改善状況についてまとめます。フェムトセル導入手続き、中庭のある間取りのWi-Fi事情は、こちらの記事でまとめて ...

    ReadMore

    イーサネットバックホール

    Wi-Fi電波が弱い問題#2 イーサネットバックホールとDecoX20で解決

    「中央に大きな中庭がある平屋」という特殊な間取りで、家全体にWi-Fiを張り巡らすために、バッファローのWTR-M2133HSによるメッシュWi-Fiを選びました。 家中なんとか使える状態にはなりましたが、ランドリーや寝室の電波が極端に弱い状態。ロフトに上がる階段に中継機を置いているので、登り降りで危ないと感じる事もあります。 そんなWi-Fi事情の中で最大の問題は、親機と中継機の通信状態です。設置場所の都合もあり、親子の通信でかなりのエラーが発生しています。一連の問題を解決するために「イーサネットバック ...

    ReadMore

    タイル床のメリットデメリット

    タイル床のメリット・デメリット、建てる時は大変、住んでからは手間要らず!

    我が家はデンマークの建築家「Halldor Gunnløgsson」の自宅をイメージして設計。その家の床は大理石ですが、それは予算オーバーなので石目調のタイルを採用しました。 タイル床での生活は初めてなので、ネットで見かけるデメリット情報に不安を感じていました。実際に建てて1年住んでみて感じた「タイル床のメリット・デメリット」をまとめます。 結論としては、建てる時は費用・手間・時間がかかるが、住んでからは手間要らず。選んでよかったと思います。 その他、家づくりに関する記事はこちらからどうぞ。 こちらもCH ...

    ReadMore

    クラピア

    3ヶ月経過したクラピア、植えた場所によって成長具合に差が出ました

    6月上旬に植え付けたクラピアですがとても元気に育っています。今年の夏は雨も多かったので、たっぷりの水と太陽で驚くほど広がっています。 芝生よりも成長が早く手間の少ないと考え、グランドカバーにはクラピアを選びました。期待通りの成長の早さですが、場所によって成長に違いがあります。 モサモサすぎる部分を刈り込みましたが、。刈り込みながら陽当たり・水捌け・土の状況など成長の違いについても考えてみました。 植え込み直後、1ヶ月後の記事はこちらからどうぞ。 こちらもCHECK こちらもCHECK 植え付け1ヶ月後と3 ...

    ReadMore

    エアコン目隠しルーバー

    コストダウンのため、エアコンの目隠しルーバーをDIYで作成したら、ハウスメーカーにも大好評!

    内装にこだわり始めると、エアコンの設置方法は悩みどころです。特に、LDK用のエアコンはサイズが大きく存在感があるので、インテリアの雰囲気を崩さないように設置したいと考えました。 見積りには目隠しルーバーが設定されていましたが結構な値段。そこで、思い切って自作しました。試行錯誤・手間と時間はかかりましたが、見た目も内装と調和しコストダウンにもなりました。今回は、そんな大好評の「可動式のエアコン目隠しルーバー」を紹介します。 また、関連記事はこちらでも記載しています。 こちらもCHECK 引っ越して最初にやっ ...

    ReadMore

    フェムトセルの導入

    携帯電波が入らない家(導入編)、3ヶ月かかった、全体像の見えないフェムトセル導入手続き

    iPhone3Gが発売され、便利なものができたと飛びついてから10年以上。生活インフラとして当たり前に使っているスマホですが、「使えない」と大変です。 前回記事で紹介した通り、我が家は「携帯電波の入らない家」。引っ越し時は家電・家具の搬入など携帯電話が必須なので、引っ越し前にフェムトセルの設置を目指しましたが、残念ながら間に合わず。こんなに手続きが分かり難いとは思いませんでした。 そこで今回の記事「導入編」では、DOCOMOフェムトセルの導入方法・手続きのポイントを紹介します。新築で導入する場合、既存の建 ...

    ReadMore

    植えてはいけないトクサ

    「植えてはいけない」と言われる「トクサ」、植えた理由と地下茎対策

    世間では「植えてはいけない」と言われる植物がいくつかあります。我が家の外庭法面や中庭の一角に植えた「トクサ」もその1つ。 「植えてはいけない」と言われるとインパクトがあるので身構えてしまいます。実際は、「軽い気持ちで植えてはいけない」「付き合い方を理解して植えましょう」という意味が正しいと思います。 今回は、「植えてはいけないと言われるトクサを植えた理由」「トクサの地下茎対策」について紹介します。 外構・植栽関連の前回記事はこちらです。 こちらもCHECK 目次(ジャンプできます) 「植えてはいけない」ト ...

    ReadMore

    片流れ屋根の太陽光

    北向きの片流れ屋根、太陽光パネルはあまり載らない?

    新築住宅の5軒に2軒が太陽光を導入するそうで、10年前に比べるとかなり普及したと感じます。FIT制度の効果は絶大です。 御多分に洩れず、我が家も太陽光設置を考えていましたが、目的は売電というより災害対策。災害時でもエネルギーを作れる点に魅力を感じていました。 最終的に新築時には導入せず先送りましたが、検討過程で気になったのは「北下がりの片流れ屋根と太陽光の関係」です。 今回の記事では、新築検討時の情報をもとに以下の事を紹介します。 この記事のポイント 太陽光を設置する上での北下がり屋根のデメリット 北下が ...

    ReadMore

    -エネルギー
    -,