コストダウンのために行ったアプローチ階段のDIYタイル貼り。今回の記事では、
- 階段タイル貼りをやってみて難しかった所
- 階段のタイル張りはDIYに向いているのか?
について紹介します。正直な所、かなり難易度が高いDIYでした。
また、新築の場合、外構工事もハウスメーカーに依頼することが多いと思います。
DIYは外構工事の後に行うので、この点も階段タイル貼りをDIYで行う事の難しさです。
全部で3回連載の記事です。
アプローチ階段のタイル貼り
- 予算不足、タイルはDIYできるか?
- タイル施工の手順と必要な道具
- 階段タイルDIYで難しかった事、DIYに向いてない?(今回の記事)
タイル施工の手順と道具
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アプローチ階段のタイル貼り#2 なんとか完成!タイルDIYの道具と手順
コストダウンを理由にDIYに踏み切ったアプローチ階段のタイル貼り。前回の記事では、業者に依頼したときのコストとの比較を中心に紹介しました。2回目の「タイル施工の手順と必要な道具」では、タイルDIYの施工手順、施工にあたって購入した・使った道具を紹介します。
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階段タイルはDIYできるか?
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アプローチ階段のタイル貼り#1 予算不足、タイルはDIYできるか?
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その他、今年のDIY予定はこちらで紹介しています。
今年のDIY計画
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新築2年目の外構DIY計画、難易度高めタイルとウッドデッキが目玉!
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目次(ジャンプできます)
上手くできた所?… 無い
貼った本人にとっては失敗した所ばかりが目につき、正直、上手くできたと思う事はほとんど有りません。
遠くから見ればそれなりにタイル階段、できれば夜に見てほしいと思う限りです。
事前に動画やネット記事を読んで入念にプランニングしたつもりでしたが、作業を始めると想定外や思うように行かない事の方が多かったです。
それでも何も知らずに階段タイルを見た人からは、「違和感は感じない」「DIYと思わなかった」というコメントは貰えました。
初めてのタイル貼り。悔しいですが、「最後までやり切り、なんとか形になった事」が、唯一良かった点です。
階段タイル貼りはDIYには向かない?
アプローチ階段にタイルを貼ってみましたが、とにかく難しく思うようにできませんでした。
全体の工程順・作業自体の難しさを考えると、階段タイルはDIYには向かないと思います。
「圧着貼り工法」で施工すれば、シンプルなタイルデッキは比較的容易にタイルを貼れます。これはDIYにおすすめ。
圧着貼りとは?
タイル個別にモルタルをつける「直貼り工法」に比べると、作業工程が独立しているので比較的ゆっくり、工程ごとに集中して作業できるのがメリットです。
通常「砂:セメント:水=6:2:1」で作るモルタルですが、水の量を大幅に減らし「バサッとしたモルタル」を使います。
- バサモルをタイル施工範囲に2〜3cm厚で敷き詰め、しっかり叩き込んで空気を抜く
- ノロと呼ばれる「セメントを水で溶いた接着剤」を流し込みタイルを圧着
1工程ずつ丁寧に仕上げやすいので素人作業には向いています。
しかし、階段になると、形は複雑で寸法面でもシビアな貼り付けが必要。実際にやってみて感じた難しさは、
- 作業順:他の外構工事が終わってからタイルDIYなので、周りが固められ調整幅がない
- 踏み面:狭い限られたスペースに、所定枚数のタイルを収めなければならない
- 蹴込み:蹴込みタイルのモルタル量を一定にしないと、踏み面の広さが変化する
- 連続する平面と垂直面:1段当たりの少しのズレが、最下段に行く頃には大きなズレになる
具体的に苦労したポイントを順番に紹介します。
タイルの高さ合わせ
まず1点目はタイル同士の高さ揃え。これは階段だけではなく、タイル施工全般に言えること。慣れが必要な難しさです。
比較的高さを揃えやすい「圧着貼り工法」を選択しましたが、場所によっては高さがチグハグ。
苦労した原因は、
- バサモルの水不足:ノロ(接着剤)の水分をすぐ吸ってしまい、表面が乾いてタイルが貼り付かない
- ノロが多すぎる:ノロをたくさん流しすぎて、バサモルが極端に柔らかくなりタイルが沈む
上から下に施工したので最上段では高さ違いが特に多め。下に行くにつれ水の量やノロの使い方が安定し、だんだん上手くなっていきます。
もう一度、最初からやり直せるならと思いますが、一発勝負なのがモルタル作業の難しいところ。
それでも、それなりの見栄えに仕上がったのは「圧着貼り工法」のお陰です。
側面のタイル貼り
階段側面のタイル貼りも苦労しました。これは「#1 タイル作業を最後に行なった事」の弊害。
垂直面へのタイル施工は直張り工法(モルタルをタイル裏に盛って直接貼り付ける)で行いました。
同じ垂直面でも、蹴込みと側面で作業性が大きく異なります。
- 蹴込み面:貼り付け後、踏み面に楔形のスペーサーを使って仮固定できる
- 側面:地面が斜面になっていてスペーサーが使えない
側面はスペーサーが使えず、貼り付けてもずり落ちて斜めに傾きます。結局、貼り付けて20分ぐらい手で押さえてました。
事前に側面の地面を平に均しておけばスペーサーも使えますが、植栽が育っているため土を掘り起こすことができません。
タイル施工・土入れ・植栽の順ならばここまで苦労しなかったと思います。
水平面と垂直面の合わせ
蹴込みにタイルを貼るとき、モルタルの量が多かったり少なかったり。その結果、階段のコーナー部分がうまく揃いません。
これは「#3 モルタル量が安定しない事」という問題。
- モルタルの量が安定しない
- 蹴込みタイルの位置がずれる
- 踏み面の奥行きが変化
- 踏み面と蹴込みが合わなくなる
モルタルが一定の厚みになるように、治具を作っている記事も見かけましたが、そこまでは不要だと甘くみていました。
せめてお玉やカップを使って、簡単に一定量を計って貼り付けるといった工夫をするべきでした。
均等な目地幅
先ほどのコーナー部分の合わせを優先したため、均等な目地幅は諦めざるをえません。
「#2 所定枚数を限られたスペースに貼り付ける事」の難しさ。
奥行き60cmの踏み面に、29.7cmのタイルを2枚・目地幅5〜6mmで配置する作業。
- モルタル多く、蹴込みが5mm手前にはみ出すと、目地幅は0mmに
- モルタルが少なく、蹴込みが5mm奥にずれると、目地幅は10mmに
バサモルの敷き込み易さ、まとめてタイルカットを優先し、蹴込みを仕上げてから平面を貼りました。
平面を先に施工してから蹴込みの垂直面を貼るべきだったのか?作業手順にも問題があったかもしれません。
いずれにしても、限られた範囲に所定枚数のタイルを配置する難しさを感じました。
最下段は調整できず
踏み面・蹴込みが連続するため、上段のズレが積み重なり下段ほど大きなズレになります。「#4 面が連続する階段」の難しさを感じました。
実際、ズレが集約する最下段では、数mmですが、踏み面タイルが軒のように張り出す始末。
さらに、最下段の施工が難しかった理由がもう1つ、これは「#1 タイル作業を最後に行なった事」によるもの。
最下段の両隅は、砂利と土間コンを仕切るためのピンコロが埋め込まれています。
タイル厚み分、階段とピンコロの間に隙間を開けてもらいましたが、積み重なったズレが大きく蹴込みタイルが収まりません。
タイル後にピンコロ施工ならばこういった事は起きませんが、タイルが後回しになったので、こういった部分に皺寄せがきます。
面変化が連続する階段の難しさに加え、本来の施工順序と逆になった事が、難しい階段をさらにシビアにした原因です。
剥がれて再施工で悲劇
施工後、怪しいタイルが1枚。1ヶ月後、その1枚が剥がれました。モルタル面には大きな空洞があり、全く接着できていません。
大変だったのはここから。タガネとハンマーで下地モルタルを剥がし、再度モルタルで貼り付けます。
叩く音が大きく近所に響き渡ります。さらに、重いハンマーを振り下ろすのは体への負担も大きく、1日1時間が限界。遅々として進みません。
結局、剥がし切るのに1週間かけ再施工。うまく貼り直せましたが、かなりきつい作業でした。
次のページでは「タイルDIYをやる方へ事前に行うべき対策」を紹介