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家づくり

【採用検討した湿式壁3種】それぞれの機能性や意匠性の特徴を紹介

2021年8月15日

漆喰、珪藻土、ペイント

内装の壁仕上げ材と聞くと真っ先に思い浮かぶのは塩ビクロス。日本では、単価が安く施工業者も多い塩ビクロスが圧倒的。これに不織布や紙も含め、壁紙による仕上げを乾式壁と呼びます。

一方で、職人が手作業で仕上げる漆喰や珪藻土は少数派です。塗装(ペンキ)壁も加え、湿式壁や左官壁と呼ばれます。手作業で仕上げるため独特の質感・意匠性が最大の特徴です。

質感の高さが気に入り塗装壁を希望しましたが、残念ながら予算・工期が折り合わず乾式壁を採用。今回は、代表的な湿式工法の壁材について、検討時に調べた機能性や意匠性の特徴をまとめます。

「壁材にこだわった理由」「希望の壁材の探し方」は、下記の記事で書いています。

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3種類の湿式壁材

新築時に検討した3種類の湿式壁材に星をつけると以下の表のようになりました。このように考えた理由について説明します。

項目 漆喰 珪藻土 塗装
意匠性 ★★★ ★★★ ★★★
機能性 ★☆☆ ★★☆ ★☆☆
耐久性 ★★☆ ★☆☆ ★★☆
コスト・工期 ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
星の数 6 5 7

高い質感と豊かな表情「漆喰」

漆喰

日本でも古くから内外装壁で使用される壁材。消石灰に糊・繊維・水を混ぜ、手作業で壁に塗りつけます。二酸化炭素と反応しながら時間と共に徐々に硬化する「気硬性」の壁材です。

漆喰独特の高い質感が最大の特徴。併せて調湿・抗菌・消臭など高機能壁材としても紹介されています。ただし、壁になった状態でのどのていど機能するかは冷静に考える必要があります。

高い質感で繋ぎ目なし(意匠性★★★)

特別な表面仕上げをしなくても、ナチュラルな艶感や輝き、手作業による陰影だけで意匠性は十分です。他の仕上げ材にはない漆喰壁だけの特徴です。これだけでも漆喰壁を選ぶ理由になります。

壁紙の場合、シンプルな無地・無柄だと繋ぎ目が目立ちます。同じ無地でも漆喰は繋ぎ目が無く、艶っとした平滑な壁に仕上がります。これができるのは漆喰以外にはありません。

間接照明に照らされた漆喰壁はとても綺麗です。天井からの光で表面の凹凸が自然な陰影を作り、繋ぎ目で途切れることなく壁一面が輝きます。絵画など装飾の背景としても最適です。

調湿効果には疑問(機能性★☆☆)

原料である消石灰に調湿力があるのは理解できますが、壁になった状態での調湿には疑問があります。

スポンジ状に固まった漆喰壁は、湿気を吸収・放出し部屋の湿度を調整する効果があるとされますが、厚さ数ミリの漆喰層で部屋の調湿ができるほどの保湿量があるとは思えません。

湿気は漆喰層を透過するので、下地の石膏ボードの調湿能力次第と考える方が理にかなっています。漆喰壁単体で考えた場合、「結露はしない」程度の期待が正しいように感じます。

抗菌・消臭も疑問(機能性★☆☆)

「壁に付着した菌・臭い」のうち 「中和できる臭い」のみ効果を発揮します。家内にある菌や臭い全体からするとごく一部。期待するほどの機能ではないと考えます。

消石灰の強アルカリ性が菌を不活性化し、酸系のにおい物質を中和するという理屈です。しかし、壁になると菌や臭い物質が壁まで到達しなければ不活性化効果は発揮できません。

油脂・皮脂を中心とした酸系の臭い物質を中和しますが、トイレやペット臭といったアルカリ系の臭い物質は中和できません。経年で弱アルカリ性に変化するので、長期的にはどちらの効果も低下します。

やっぱり高級壁材(コスト・工期☆☆☆)

消石灰・水・糊・繊維といった材料は安価ですが、施工工程が長く特別な技術が必要なため、施工費が高くつきます。平米単価はビニールクロスの5倍以上です。

施工費を抑えるために、糊・水・繊維を化学物質に変更し作業・施工性を改良した漆喰もあります。それでも塩ビクロス比で4倍程度。養生や下塗り工程は変わらず、工期もそれほど変わりません。

こういった改良は人手不足や技術補完を目的とするものが多く、コスト面でのメリットはあまり期待できません。漆喰は高い壁材と割り切って、専門の職人さんにお願いした方が良いと考えます。

その余裕のない我が家では選択肢からは外しました。

ざっくりした風合いの「珪藻土」

珪藻土

漆喰と並び人気のある壁仕上げですが、歴史は30年程度と浅いようです。

鉱石由来の漆喰と異なり、珪藻が化石になり堆積した珪藻土に固化材を加えて壁に塗り付けます。表面はゆず肌で和の印象が強いですが、仕上げの模様によっては洋風にも合います。

モデルハウスで聞いた「掃除が手間」という声が印象に残り、「日々の生活で気を使いたくない」と「費用・工期がかかりすぎる」という理由で選択肢から外しました。

マットな風合いで繋ぎ目なし(意匠性★★★)

漆喰の艶っとした表面と異なり、ざらっとしたマットな風合いが特徴です。素材の多孔質や表面のゆず肌が光を吸収するため、落ち着いたマットな表情になります。

その他漆喰と異なる点は、珪藻土には複数の色がある事や表面仕上げで多彩な模様を作れる事。明るめの色でラフな表面仕上げだと、洋室にも違和感なく使えます。

繋ぎ目がないのは漆喰と同じで、余計な線を入れず壁一面を同じ調子で仕上げられるのは大きなメリットです。漆喰に比べると多孔質特有の軽さを感じるので、床・天井材との質感合わせは重要です。

漆喰より高い調湿性能(機能性★★☆)

珪藻土の粒には多くの孔があり、この孔に湿気を取り込むことで湿度を調整します。漆喰の調湿と似ていますが、孔の数がはるかに多く調湿効果は漆喰の数倍といわれます。

ただし、調湿の仕組み上、孔が塞がってしまうと十分に機能を発揮できません。珪藻土は、漆喰と異なり自己硬化しません。このため、固化材・バインダーと呼ばれる接着剤が使用されます。

樹脂系接着剤では孔を塞いでしまう事も多いので、調湿効果を期待する場合、接着剤の種類や壁になった状態での吸湿能力がどの程度かを注意する必要があります。

あくまで脱臭機能(機能性★★☆)

調湿機能同様に多孔質の孔に臭い物質を捕捉し脱臭します。珪藻土は中性に近いので、漆喰と違って中和機能はありません。「補足した臭い物質がどうなるか」気になります。

「臭い物質を分解する」とする珪藻土製品もありますが、消石灰を配合し強アルカリで分解する仕組みです。消石灰の量は少ない上に、漆喰と同じく、長期的には効果が薄まります。

通常の珪藻土製品では「補足した臭い物質を放出する速度が遅く、放出される臭いに気づかない」との説明があります。調湿と同じく多孔質が接着剤で埋まると機能しません。接着剤には注意が必要です。

耐久性が難点(耐久性★☆☆)

自己硬化する漆喰に比べると、接着剤で固定しているだけの珪藻土は柔らかく傷つきやすい壁材です。特に凸コーナーは削れやすく、剥がれてしまった写真も見かけます。

珪藻土を使用しているモデルハウスでは、粉落ちで苦労してると聞きました。来場者が多いので劣化が早いとは思いますが、普段使いに気を使うのはデメリットと感じました。

接着剤を増やせば粉落ちも軽減しますが、メリットの調湿力や脱臭力も低下します。修理しやすいという記事もありますが、表面に模様があると補修部は目立ちます。腰壁で物を直接当てない対策も必要です。

漆喰と並ぶ高級壁材(コスト・工期☆☆☆)

材料費は漆喰よりも高いため、施工を多少縮めても総額では漆喰と大きく変わりません。塩ビクロス比で4倍以上という高級品です。

漆喰よりも若干安いとされるのは、下塗り不要や1回塗り(下塗りの後に上塗り)でも施工できる改良品があるため。通常の珪藻土だと漆喰よりも高くなる可能性があります。

腰壁の平米単価は珪藻土よりも高く、壁保護のために(珪藻土に見合う)腰壁を設置する場合、全体としてはコストアップになります。

次のページでは色だけでなく質感も選べる、塗装壁」を紹介します。

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