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【我が家の検討事例】北向き片流れ屋根で太陽光パネルはどれだけ載るか?

【我が家の検討事例】北向き片流れ屋根で太陽光パネルはどれだけ載るか?

(2021年時点で)新築住宅の約50%が太陽光パネルを導入しており、これは10年前に比べて大きな普及を示しています。FIT制度の効果は絶大です。

我が家も太陽光パネルの設置を検討していましたが、目的は売電よりも災害対策でした。災害時でもエネルギーを作れる点に魅力を感じていました。

最終的には新築時の導入は見送りましたが、検討過程で気になったのは「北下がりの片流れ屋根と太陽光の関係」です。今回は、新築検討時の情報をもとに北下がり屋根のデメリットと現実的な積載量についてご紹介します。

この記事でわかること

  • 太陽光を設置する上での北下がり屋根のデメリット
  • 北下がり片流れの大屋根にどれだけのパネルが載るか?
  • 北下がりだとどの程度の追加コストがかかるか?
  • 現実的な積載量だと追加コストはどれぐらいか?

北下がり屋根のデメリット

我が家の屋根は北向に1寸(5.6°)で下がる片流れ屋根で、太陽光パネルで効率が良いとされる南向き30°とは正反対です。

大屋根はメリット

延べ床面積が同じ2階建てと比べると、平屋の屋根の大きさは2倍以上になります。

費用のかかる大屋根は平屋のデメリットとされますが、多くのパネルを設置できる点で平屋の大屋根は大きなメリットです。特に南下がりの片流れ屋根は広さと角度がパネル設置に最適です。

逆勾配のデメリット

一方で、我が家のような北下がりの片流れ屋根では太陽光パネルの設置角度が逆になります。

適切なパネル角度が取れず発電効率が下がるほか、パネルに当たった太陽光が地面方向に反射されやすく、光害トラブルにつながりやすいです。この逆勾配を補正する「傾斜架台」が必要になります。

傾斜架台のコスト

傾斜架台の設置コストが予想以上に高く、パネル1kWあたり3万円ほどのコスト増となりました。太陽光パネル1kWあたりの設置単価は28万円程度(2022年)であり、架台費用で1割余分にかかる計算です。

積載量の低下

架台を使ってパネルを立ち上げるため、影を避けるために積載量が減ることがあります。

斜めに立ち上げた太陽光パネルの裏には影ができます。この影が他のパネルにかからないように、パネル同士の間隔を広く取ってパネルを設置します。この結果、傾斜架台を使う場合、同じ大きさの屋根でもパネルの設置枚数が少なくなります。

重量と重心の問題

傾斜架台を使用するとパネルの設置重量が増え、家の重心も高くなります。

我が家は耐震性を重視して軽量な金属鋼板屋根を採用しました。傾斜架台を使用すると、通常の太陽光パネルの設置に比べて部材が多く重くなります。また、重量のあるパネルを斜めに立てて設置するため重心も高くなります。

最大積載量プラン

北向き片流れの太陽光

設置効率が悪いとはいえ、モジュール42枚で11.9kWの積載量です。10kWを超えるため、産業用扱いとなり、売電価格は大幅に下がり補助金もほとんどありません。

発電見込み量

年間発電量は推定13,315kWhです。非オール電化住宅では、1ヶ月の消費電力量は400kWh前後で、毎月2.7軒分の電力を賄える計算です。オール電化住宅でも1.5軒分に相当する電力量です。

導入コスト

見積もりに記載されていた導入費用は以下の通りです。

  • 太陽光モジュール42枚:710万円
  • パワコン2台:100万円
  • その他諸々:95万円
  • 合計:905万円

価格は全て定価ベースで、ここから値引きがあります。

現実的なプラン

北向き片流れ屋根の太陽光

現実的なプランとして、積載量5.11kWを提案されました。割高な昼間電力を太陽光に置き換えることで、購入電力を減らしコストメリットを出します。災害時の停電でも十分な電力供給が期待できます。

発電見込み量

年間推定発電量は6,000kWhです。太陽光の買取価格は下がっているため、年間消費電力(7000kWh)をどれだけ自家消費で賄えるかがコスト回収の鍵です。エコキュートや冷房などを昼に動かせば、発電量の8割は自家消費できる見込みです。

導入コスト

現実的な積載量での見積もり価格は以下の通りです。

  • 太陽光モジュール18枚:304万円
  • パワコン1台:52万円
  • その他費用:48万円
  • 合計:404万円

ここに値引きが入って約半値になります。

新築時は先送り

現実的なプランの価格は、2020年の売電価格(21円/kWh)で全量を売っても10年で130万円程度です。災害時には役立ちますが、蓄電池がないと昼間以外は使えません。

最終的な目標は、太陽光・V2H・EVを併用して発電した電力を自家消費で使い切ることです。しかし、蓄電池はコストが高く、EV・V2Hは選択肢が少ない状態が続いています。

新築のタイミングでは、必要な配線経路と設備設置スペースを確保するにとどめ、設備導入は先送りすることにしました。

まとめ

「太陽光」「屋根」「広さ」と検索すると多くの記事が見つかりますが、北下り片流れ屋根の情報は見つかりませんでした。珍しいケースかもしれませんが参考になればと思います。

今回の記事のまとめ

  • 北下がり片流れ屋根への太陽光では「傾斜架台」が必要
  • 屋根の形・向きで「傾斜架台」の要否が決まるので新築時は注意
  • 「傾斜架台」は積載量減、重心・重量増、コストUPとデメリットも多い
  • 架台込みだと太陽光単体での費用回収は厳しい
  • V2H・EVを含めた最適化を考え、新築時の太陽光設置は見送った

実際に導入しました。合計5.6kWの太陽光で傾斜架台でパネル勾配を取り直してます。。詳しくはこちらの記事でどうぞ

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