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平屋

平屋の不安#4 収納が不足しやすい?収納設計で注意した事と収納率

2022年8月13日

平屋のメリット・デメリットを読むと、「平屋は収納が不足しやすい」と言う記載を頻繁に目にします。

収納不足は平屋に限った事では無いですが、確かに、ついつい収納を減らしたくなる平屋固有の事情も見え隠れします。

平屋の不安4回目の今回は「平屋と収納」についてまとめます。

この記事のポイント

  • スペースの取り合いにさらされる平屋の収納事情
  • 新居で考えた収納設計のポイント
  • 新居の収納率と生活して感じる便利さと不便さ
  • 空間を有効活用するための3つのポイント

平屋を検討中の方の参考になればと思います。

目次(ジャンプできます)

    収納を減らしたくなる平屋の事情

    平屋は収納が不足しやすいと言われます。確かに、2階建てに比べると「収納を減らしたくなる誘惑」は多めだと感じます。

    広い土地が見つからない

    横方向に間取りが広がる平屋では2階建てに比べて大きな土地が必要です。しかし、手頃な土地はなかなか見つかりません。条件を妥協してようやく見つけた土地でも、間取りを見ると少し手狭。どこを削るか?

    「収納減らしとく?引っ越し前に物を捨てるし、十分に収まると思う ...。」

    この考えで一部収納を削りましたが、残念ながらそう簡単には物は減りませんでした。マンションから戸建てで、荷物はむしろ増える一方です。

    坪単価が高い

    土地が決まって間取りも大枠決定。契約に向けて見積もりを見たら予算オーバー。家づくりの怖いところですが、検討を重ねる毎に欲しいものは増えていきます。平屋の坪単価は2階建ての2〜3割増し。建物が小さくなると意外と減額幅が大きく、気持ちも前のめります。

    「収納減らせば◯◯万円下がる!LDKは減らしたくないし、収納に◯◯万円って高いよね?」

    収納部屋でも屋根も基礎もフルスペックです。しかも、2階建てと違って2フロアで按分しない専用屋根と専用基礎。確かに高価な収納です。

    プライバシーや音の問題

    2階がなくコンパクトで無駄のない間取りが作りやすい一方、音の緩衝地帯を作りにくいのが平屋のデメリット。

    「書斎とLDKが近すぎるので、もう少し離してほしいです。」

    「ここに廊下をつけましょうか?ただLDKが少し小さくなります。良いですか?」

    「この収納を削ってなんとかなりませんか?」

    2階がないので、素人でも芸術的な間取りが作れます。反面、生活する場としての「遊び」や「ゆとり」はプロの匙加減でが必要です。

    限られたスペースを取り合う平屋

    2階建てであれば上下に空間を分けることで解決できる事もあります。その点、平屋は全てをワンフロアに収めるので、スペースの取り合いがシビアになると感じます。

    実際に平屋を新築し住み始めて分かった事は、「その時出来ていない事」をできる前提で設計しても「結局新居でもできていない」ということ。建物は変わっても、住む人間は簡単には変わりません。

    空間の有効活用① いっそ大型テレビやめとく?

    我が家は大型テレビの代わりに超短焦点プロジェクターを導入。テレビの位置に縛られないので、LDKの間取り自由度が大幅アップ。スペースの取り合いが厳しい平屋ではこのメリットは絶大です。

    さらに、屋外の壁に投影すれば夜空のシアターだってお手のもの。ネット動画ならアンテナ線も不要、SWITCHだって大画面。プラスαの楽しみ方も盛りだくさんです。

    新築時に考えた収納対策

    当時住んでいた賃貸住宅を見渡して「なぜ片付かないのか?」を考えました。我が家の場合、「片付かない」には大きく4つの理由があるようです。対策と合わせて紹介します。

    ユーティリティ収納がない

    各部屋に「満遍なく大型収納」があり一見便利なのですが、使ってみると実際は使いにくいものでした。部屋の使い方次第で必要収納量が変わるため、満遍なく設置されても使いきれません。むしろ「部屋毎の収納は最低限」「1ヶ所に大きな納戸の方が便利だと感じました。

    この事から新居には大型ロフト(20畳)を設置。使用頻度の低い物や置き場所が決まらない物はとりあえずロフトに放り込む。居室にあふれることはなく探し回る必要もありません。固定階段を設置したので昇降しやすく、アクセス良好なユーティリティ収納です。

    動線上に収納がない

    収納が各部屋にしかないため、出勤前や帰宅時は着替えや荷物の片付けに複数の部屋を右往左往。疲れて帰ってきた時はカバンを片付けるのも億劫で、翌朝までダイニングに床置きすることも。PCも入っていて間違って踏んだら一大事です。

    動線分析やゾーニングのできていない収納は本当に使いにくいと感じます。

    新居では寝室・ウォークスルークローゼット・洗面・浴室を一直線に配置。身支度・出勤・帰宅・就寝の生活動線を1本に集約し、1度の移動で全てをこなせるように設計しました。

    手近な収納がなく小物が溢れる

    賃貸で気になっていたのはダイニングテーブルにあふれる小物。リビングがなかったため生活の中心はダイニング。スマホや財布、鍵、PCなど、あらゆる物がテーブル上に集まりますが、手近な収納がなくテーブル上にあるれます。これは2つの方法で対策。

    1. フロントキッチンにテーブル下収納を設置。手近で収納するスペースを作ります
    2. ダイニングテーブルを大きくする。小物入れを置ければあふれた状態は回避できます

    ただし、1については「使いにくい」というキッチンメーカーの意見もありました。ダメならIKEAのワゴンでも投入します。

    「片付け方」の個人差が大きい

    最後の4点目は家づくりで話し合って気づいた夫婦間の「片付け方の違い」です。我が家では2つの意見に分かれました。

    • 散らかっている状態が目に入る事が嫌。見えないところに押し込めばそれで良し(妻)
    • 散らかっている状態は嫌だが、ただ押し込むだけは探しにくくて嫌(自分)

    数十年それで生きてきたので、話し合ってどうなる事でもありません。あれこれ言われるのはお互いストレスなので、可能な限り収納を2つに分けて「夫婦別収納」にします。

    空間の有効活用② 造作家具は極力避ける

    造作棚やフルハイト収納などの造作収納は、インテリアに調和しすっきりまとまります。一方で動かせないため間取りが固定されるデメリットもあります。

    平屋の厳しい取り合いを緩和するため、間取りを固定しすぎない置き家具収納を選択。造作作家具+αの価格で希少樹種のビンテージ品を購入。数十年後のリセールバリューも確保できました。

    ボーエ・モーエンセン

    ローズウッドのサイドボード

    次のページでは「我が家の収納率と便利・不便な収納ランキング」を紹介します

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