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平屋

コストも敷地もハードルが高い平屋、それでも平屋を選んだ理由は?

2021年10月16日

平屋を選んだ理由

我が家の建築会社の担当さんによると、「平屋を希望するお客さんは多いが、見積もりを見て諦める人も多い」そうです。

契約前は構造見学会や完成見学会にも行ったので、我が家でもそういったイベントがあると思っていましたが、我が家は希望者の個別見学のみ。

必要な敷地、周りの住環境、建築費用を考えると平屋はハードルが高く、見学会への需要が少ないという事情もあるそうです。(都市部から遠すぎるのも理由です。)

初めての新築なので他と比較はできませんが、土地探し、予算見直し、資金面と、平屋特有の苦労が多かったのも事実です。しかし、それでも平屋は譲れなかった。

我が家が平屋にこだわり譲れなかった理由をまとめました。

平屋のどこに魅力を感じたか?

新築を考えた時、夫婦で最初にイメージしたのは海の近く、のんびり暮らせる平屋住宅。庭に面した縁側でお茶を飲みながらゆっくり話す将来をイメージしていました。

実際に家作りに向けて動き始め、土地探しの難しさ、平屋の価格、欲しい住宅設備もわかり、平屋を諦めた時期もあります。試行錯誤の末、結局、平屋に戻ってきました。

間取り作りで生活しやすい動線に集中できる

平屋を選んだ理由
寝室から洗面までのフラットアプローチ

せっかく建てる家なので、いつまでも快適に暮らしたい。そこで重要だと考えた事は、(空間の用途から間取の配置を考える)ゾーニングを可能な限り忠実に間取りに反映する事。

足腰が弱くなる将来を考えると、家事・生活動線はコンパクトにまとめる方が快適です。若いうちでもフラットなコンパクト動線はとても便利です。

起床ー洗面ー着替えー朝食の流れの中が、隣接する空間で段差1つ無く実現できます。水のペットボトルなどの重量物でも、玄関から平台車でパントリーまで移動できます。

平屋では水回り・構造などの上下階の兼ね合いは不要です。ゾーニングによる空間分け・動線設計を忠実に間取りとして再現しやすいのは平屋の魅力です。

ポイント

一方で、平屋で期待されるバリアフリーでは、敷地(GL・床面)と正面道路の高低差をがポイント。ただし、「どこまで求めるか」の線引きも重要です。

アプローチ階段をスロープにすると傾斜を抑えるため距離が長くなります。結果、駐車スペースが減ったり、工事手間が増え外構費が上がります。さらに、玄関の段差(框)を無くすと正面道路の高低差は広がり、スロープの距離はさらに伸びます。

平屋の土地探しは制約が多く、バリアフリーのための諸条件まで含めると、土地の選択肢が大幅に減ってしまいます。「将来は車は減らせる」など生活上の要件は変化するので、「今必要」「将来必要」「万が一必要」をしっかり見極める事も重要です。

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階段がないから、滑って落ちる事もない

夫婦でも育ってきた環境は異なります。2階建の戸建てで育った自分にとって、家内に階段がある事は当たり前の事です。

しかし、マンションしか経験のない相方にとって、日々の生活に階段のある生活が想像できない。日常的に、安全に階段を昇り降りする自信がないとか。確かに実家の頃を思い返すと、階段から滑り落ちた事は1度や2度ではありません。

また、2階建ての建物では階段部分で動線が交錯します。階段がないという事は、動線のボトルネックを無くせるので、間取り設計でも有利になります。

ロフト階段

それでも、納戸ロフトに上がる階段はあります。日常的の動線ではなく、梯子より安全だから問題ないと思います。

耐震性が高く、大空間・大開口を実現しやすかった

平屋を選んだ理由

2階建を考えていた頃希望する耐震等級は3でした。平屋であればなおさら等級を取りやすいと考えて、3等級を希望していました。

しかし、我が家の要望(大空間・大開口・中庭に四方窓)での3等級はコストや住宅性能への跳ね返りも大きく、話し合った末、2等級+制振デバイスという仕様で折り合いました。

建物が軽く重心が低い平屋ならば、相応実害も小さくなると考えました。2階との構造上の整合性(直下率)も不要で開口位置も比較的自由です。

納得できる耐震性を確保し、空間イメージを実現しやすい点も平屋を選んだ大きな魅力です。

気に入った北欧建築が平屋だった

我が家が内装を含めて建築の参考にした「Halldor Gunnløgsson邸」は、海に面して少し高台に建つ平屋です。低く構えた幅広の建物で、海に向かって広がる大開口の窓、海と反対にある庭に向かって広がる大開口窓を備えた開放感のある邸宅です。

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田舎暮らしといえば平屋(というイメージ)

平屋を選んだ理由

以前はタワーマンションの立ち並び、改札を抜けるにも行列に並ぶ地域に住んでいました。用事は全て徒歩圏内で済み、都内も近く利便性は抜群です。

一方で、昼夜問わず車や電車が行き交う喧騒から離れて、週末は静かに暮らせる場所が良いと考えました。

勝手なイメージですが、「田舎暮らし=古民家=平屋」のようなイメージを持っていたので、喧騒から離れて新築を考えた時、平屋の縁側を真っ先にイメージしたのかもしれません。

まとめ、平屋にこだわった魅力

魅力をいくつか書きましたが、やはり我が家の感じる最大の魅力は「開放感」です。間取りの自由度や高い耐震性があっての開放感です。

実際に住み始めてもうすぐ1年経ちますが、平屋にしてよかったと感じています。土地や費用面でハードルが高いのは事実ですが、乗り越える価値はあると思います。

次回は、「実際に建てて住んで分かった、平屋のメリット・デメリット」について書きたいと思います。

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