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Web内覧会 寝室・WIC 和室寝室と通り抜け動線を作るWIC
小学生の頃は畳に布団を敷いて、兄弟3人で川の字で寝てました。中学の頃、引っ越しそれからはずっとベッド生活です。
そんな長い付き合いのベッドですが、新築ではベッドを手放し「和室に布団」にしています。LDKが椅子中心の生活空間なので、床に寝転がれる和室はとても便利です。
目次(クリックで開閉)
寝室の設計にあたって考えたこと
寝室、WICを考える上でリストアップした事項は次の通りです。
寝るため以外の要素は極力持ち込まない
崖にある洞穴のような籠り感を重視した寝室です。寝室は寝ることだけに集中したいので、基本的に寝具以外のものはありません。テレビも置きません。
長々とテレビを見たり、物を持ち込み片付け忘れて溢れるのも嫌なので、寝るために不要なものは置かない、寝る時以外は使わないが我が家のルールです。
籠り感を高める演出
大和ハウスのモデルハウスで、無垢床に畳小上がりを設置し布団を敷いた主寝室がありました。高級旅館のようで、畳に布団で寝室を作ろうと考えたきっかけです。
寝室前には前室もあり、生活の場と寝る部屋をはっきり区切らる点も取り入れたいと考えていました。前室のなぐり無垢床を通って寝室に入る様は、離れのような雰囲気で気に入っていました。
残念ながら間取りの都合でどちらも叶いませんでした。それでも「畳に布団の寝室」だけは実現しました。
寝る時は部屋を完全に暗くできること
光が入ると寝れない妻の要望です。掃き出し窓は遮光性の高いロールスクリーンを設置しています。
しかし1点見落としがありました。西側にある縦滑り窓から結構な光が入ってきます。隣家があるので光は入らないと考えてましたが、そこには隣家の窓がありました。
特に遅くまで電気が付いている部屋で、当初は寝れないと騒いでいました。今は普通に寝れているようです。横滑り窓用のロールスクリーンも考えてましたが不要でした。
来客動線を使わず着替えや入浴、洗濯ができること
来客時を想定した妻の要望です。回遊動線なので動き方を考えれば来客の目を避けることもできますが、化粧前や着替え前に、万が一の鉢合わせが気になるそうです。
対策として寝室・WIC・洗面を1直線に並べ、直接行き来できる間取りにしました。来客と鉢合わせの可能性がある廊下に出ることなく、洗面まで行き来できます。
「起きて着替えて寝間着を洗濯機に入れて出てくる」というサブ動線もできました。
トイレが近くにあること
トイレは玄関近くが良いか悩みましたが、将来のことを考え寝室の隣にトイレを配置しました。寝起きで歩く距離を最短にする事ができます。
安全に換気ができること
寝室は、外庭を挟み8m道路に面した南側に配置しています。
山の中なので人通りは少なく隣家との間に死角もあるので、安全に換気できるように幅22cmの縦滑り窓を2連で設置しています。軒も90cm出ており雨の日でも、換気できて助かります。
冬寒くないこと
南側ですが、隣家の影に入るので14時以降は日は当たりません。日中は使わないので冬は部屋が冷えます。対策として床暖房を設置。寝る直前は寒く感じることもありますが、朝布団から出づらいことはありません。
ハウスメーカー営業さんからは、和室の床暖房はおすすめと聞いていました。和室は床面に直接体が触れること多く床暖房の良さを実感します。畳と床暖房の組み合わせはおすすめです。
寝室まわりの収納力
寝室まわりには押入収納とWICがあります。
寝室・客間で分けた1畳の押入スペース
寝室の隣は客間和室です。床面積1畳の押し入れを上下で分割。下段を寝室用、上段を客間用の押入として使用しています。寝室側が高さ116cm、客間側が高さ110cmです。
天井高240cmの場合、天井付近の収納は使いにくいので、頻繁に使わない物を収納するスペースとして高さ50cmの天袋を設置。残りの180cmを厚みを15cm程度の中板で仕切り、上段90cm 下段75cmとします。
我が家の場合、客間和室は20cm小上がりなので天井高220cm、寝室和室は他空間と同じ天井高240cmです。客間側の天井が低いので、天井付近も十分に使えると判断し天袋は設置しませんでした。
この結果、押入1段としては高さのある110cmの押入が設置できました。
サブ動線・洗濯動線にもなるWIC
賃貸では収納が不足していたので、寝室と洗面の間、2畳分をWICにあてました。ハンガー掛けパイプを2段と1段で合計3本ずつ、中央の58cm幅通路を挟んだ両側に設置。最上部50cmは棚収納にしています。
夫婦で片側ずつ使っていますが、妻にはスペースが足りないようです。倍の大きさにすれば良かったと言いながら、こちら側の空きスペースを狙っているようです。
洗濯動線を短縮するWIC
WICをランドリー隣接にした事で洗濯動線を短く手間が減りました。賃貸ではランドリーからクローゼットが遠く、衣類をクローゼット近くに移動し畳んで収納するので、移動距離が長く手間もかかりました。
今は、Tシャツや肌着などハンガーで収納できるものは、そのままWICに収納できるので畳む手間が減りました。WICが隣接しているので、移動距離もほとんどありません。
洗濯物を干す動線のみ設計事とは異なります。設計時は、ランドリーからWICを通り、和室掃き出し窓の外に干す予定でした。想定外に中庭の陽当たりがよいので、洗濯物は中庭に干しています。人目に触れない事も利点です。
内装でこだわった所
壁紙、天井クロス、薄畳、照明
壁紙はサンゲツの1000番台クロス「FE-6239」で、麻と和紙を使った褐色の塩ビクロス。麻を混ぜた塗壁のような自然な風合いで気に入っています。
天井は和紙を撚って作った糸を編み込んだ和紙クロスで、リリカラ「LMT-15161」を採用。ムラ感のある染めが特徴で、淡い色の多い和室で黒い窓枠と共に空間を引き締めます。
照明はパナソニックのダウンライト3灯を長手方向に配置しています。
畳は山中産業の床暖用薄畳で、畳表は若草色を選択。畳縁は高田織物の綾部 No.5を選びました。若草色の畳、褐色の壁、焦茶色の天井に、柔らかいピンク色の紅葉柄が色を添えます。
襖、襖紙と取手
襖は高さ1185mmと特殊なためオーダー製作です。襖枠は漆が良かったですが価格も高く断念し漆調で妥協。襖紙と引き手にだけは拘りました。
引き手は東京松屋「彩引き手 8112 本燻べ」を採用しています。襖の引き手だけでカタログは30ページもあります。カタログのみで選びましたが、上野駅近くにショールームがあります。
東京松屋については全く知らなかったですが、インテリアコーディネーターの紹介です。
伝統工芸にも指定されている「江戸からかみ」の版元で、浜離宮恩賜庭園にある松の茶屋を始め歴史建造物の復元にも携わっているそうです。
襖表は木曽アルテックの「漆和紙 W-004(春慶)」という楮紙に漆を塗り込んだ壁紙。
手作業で塗られた漆が紙の模様に重なり重厚感がでます。漆の調湿効果と防水効果で水回りにも使用できるとの記載があります。
木曽アルテックは、家具・建具・壁紙・床材・浴槽やキッチンまで幅広く取り扱っています。
元は漆器の製造メーカーで、漆器の技術を建具や建材、住設に広げ手作業で製造されているとのことです。予算があれば建具や床材にも取り入れたかったです。
竹ロールスクリーン、竹カーテン
我が家では布カーテンは一枚も使っていません。和室の掃き出し窓には大湖産業の竹ロールスクリーン(ニュアンス)を使っています。自然な竹の雰囲気が和室とよく合います。
また、WICとの仕切りには、同じニュアンスの竹カーテン(模様の縦横が入れ替わります)を使っています。ここは遮光性は不要ですが、掃き出し窓スクリーンと同じものとして採用しています。
竹ひごを使ったスクリーンは全部で6デザインありますが、寝室では最も遮光性の高い「ニュアンス」というデザインを選んでいます。
滋賀県の琵琶湖近くに工場があるそうで、大湖という名前にも納得です。
採寸・取付方法はホームページに詳細があり、収まり図もお願いしたら送ってもらえます。自分で採寸・取付できますが、竹カーテンは注意が必要だと感じました。
折り畳んだ状態だと90cmの厚みが出ます。カーテンボックスに取付ける場合、通常のレール位置に取り付けると、ボックスとカーテンが干渉する可能性があります。
最後まで読んでいただき有難うございます。
次回は、客間和室を紹介します。中庭を正面に眺める我が家の特等席です。中庭の景色もあわせて紹介します。