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フロントキッチン徹底採寸!(後編)各スペースの収納力を検証しました

前回の記事では、フロントキッチンの平面寸法を元に作業スペースの広さを検証しました。今回は、引出しや戸棚など収納スペースを徹底採寸します。

事前にしっかり考えて設計したつもりでしたが、想定外の張り出しや内外寸法が異なるといった事もあります。

図面から全てを読み解くことは難しいので、「自分たちが収納したいもの」をしっかりと整理して伝え設計者とクロスチェックする必要性を感じます。

自分たちの失敗点も含めて、徹底採寸したフロントキッチンの収納力を検証します。赤破線と番号のあるところで、説明を記載してます。

内側からみたフロントキッチン

まずは、キッチンの作業側(内側)からみた寸法です。中央にAEGの食洗機を設置し、左側のシンク下はゴミ箱スペース、右側は3杯の引き出しを設定してます。

天板高さは87cm、フロントキッチン本体の幅は180cmです。天板と本体の間・台輪(土台部分)は、金属調メラミン(アイカ工業)で間接照明風に仕上げています。

キッチンハウスデュエ収納サイズ

①ペダルを踏んで蓋を開けると、ガツンとぶつかる張り出し

まずはシンク下のゴミ箱スペースです。

シンクまわりで発生する生ゴミは水分も多く、ゴミ箱はできるだけ近くに設置したいと考えました。そこで、ネット写真でもよく見かける「シンク下ゴミ箱スペース」を設置。

ゴミの発生場所とゴミ箱が最短距離でまとまるので、汚汁が床に垂れにくい、理にかなった配置だと思います。

一方で、シンク下はシンク本体・給水・排水設備があり、スペースは取り合いです。上図①の左端にある小さな丸は引き出し式タオルハンガーです。また、浄水器を設置する場合もここに設置されます。

シンク下のゴミ箱

ゴミ箱は、シンク下の定番「KEYUKA arrots ダストボックスII」です。蓋が両開きのため、開いた時の高さを抑えられます。高さに制約がある場所に設置するには最適です。

設計段階からこのゴミ箱で決まっていたので、キッチンハウスの図面にも2つ描かれています。寸法も記載され、シンクと干渉しないことは確認済みでした。

シンク下ゴミ箱

しかし、ゴミ箱を1つ追加した時、問題が発覚。3つ目のゴミ箱を中央に設置した場合、ゴミ箱の蓋とシンク下中央に9cm張り出した「排水トラップ」と干渉します。

他の自治体で新築する場合、ごみの分別ルールが変わります。事前に考えた上でゴミ箱2つにしましたが、ペットと容リプラが予想以上に多かったです。

「KEYUKA arrots」は白だとサイズが4種類あり、真ん中だけ背の低いものにできます。黒は27Lのみ。キッチンに合わせてゴミ箱も黒にしたので、他の大きさの選択肢はありません。

②外寸と内寸が予想以上に違った

(キッチンハウスの引き出し仕様が変わりました。内寸は下記より大きくなります。)

最初のイラスト記載の寸法は、引出しの外寸高さ、白い点線が引出しのサイズのイメージです。かなり寸法が違います。表にまとめてみました。

引き出し寸法

最上段の引き出し

外寸より内寸幅が狭くなっています。底面の丸くなった形状(レール台座の部分)が原因。表の内幅は底面の平らな部分だけの寸法です。

キッチンハウス引き出し内寸

引き出し上部は幅23.5cmあるので、底部の丸みで4cmロスしています。収納トレーを設置する場合、平らな底部に合わせると両脇に隙間ができ、上部の幅に合わせるとトレーが浮きます。

※この曲面形状は、新レールシステムで廃止されました。汎用品のトレーが使えるので、デザインの選択肢が増え、価格も安く抑えられます。

思ったより狭くなる引き出し有効寸法

キッチンハウス引き出し寸法

引き出し内部には写真の通り補強板があります。これが内寸高を低くしています。この裏を確認すると、L字のプラスチック部品がついているので、開口部分の強度上必要な部品だと理解しています。

実際に収納できているもの

最上段は内寸高さ8cmがネックです。まな板スペースの隣なのでラップ類を収納しています。すぐに取り出せるので便利ます。30cm幅のクレラップを4本収納できるサイズです。

中央段は内寸高さが17cm。大半のキャニスターは高さ10cm以上。引き出し高さが15cmを超えると収納物の幅が広がります。コーヒー豆やミル、サーバーなど、コーヒードリップセットを収納しています。

最下段は20cm近く最も高さのある引き出し。食洗機用のタブレット洗剤や液体リンスは、そのまま入れることができます。ただし、キッチンハイターなど背の高い洗剤類は収まらず、横倒しで収納しています。

天板までの高さは87cmありますが、引き出しを3段つける場合、補強板・底板厚が必要で、実際に使える高さは45cmしかありません。外寸高さの割には、収納に使えるスペースは限られます。

このキッチンハイターを立てておく場合、高さは24cm以上必要です。仮に最下段を25cm高にすると残り20cmで2段を作る事になり使いにくい。この高さ割り以外、選択肢はなかったかもしれません。

引き出しと食洗機の位置関係も使いにくいと感じる点です。出来れば、食洗機を右端・引き出しは中央に配置した方が良かったと思います。

今の配置で食洗機を使う場合、ドアをフルオープンしてシンク前で食器をセットします。一旦、食洗機のドアを閉じ、引き出しから洗剤を取り出し、再度食洗機を開いて洗剤をセットします。

シンク下のゴミ箱の袋を交換する時も、引き出しが食洗機の向こうなので遠く感じます。珍しいレイアウトですが、引き出しが中央にあれば食洗機・ゴミ箱・シンクからアクセスしやすくなります。

リビング側から見たフロントキッチン

フロントキッチンの最後はリビング側の収納です。奥行きはありませんが、キッチン幅いっぱいに戸棚収納を設置。ダイニングテーブルが固定されているので、左側半分は高さ低めです。

キッチン内部の収納>リビング側大収納(②)>テーブル下収納(③)の順に、使用頻度に応じて収納しています。

キッチンハウスデュエ収納サイズ

①使用頻度が低い物を収納するテーブル下の戸棚

可動棚が2段の戸棚で、プッシュ式ラッチがついています。内寸と外寸は大きくは変わらず、幅88cm 奥行き19cm 高さ54cmです。棚板は3cm刻みで調整可能。棚板は2cmの厚みがあります。有効高は4cm引いた50cmです。

キッチンハウスデュエ収納サイズ

テーブル下なので屈まないと出し入れできません。来客用のワイングラス、コップ、カップソーサーや季節物など、使用頻度が少ない物を収納しています。

通常のタンブラーならば1段に2列で合計22個、4寸(12cm)のソーサーだと1段で6客収まります。コミック本を置いてみましたが、最下段1段で62冊を収めることができました。

キッチン収納力

②日常的に使うグラスやマグカップの収納に便利

先程のテーブル下戸棚(①)に比べると約15cm高い戸棚です。高さ以外は①と同じですが、立ったままで取り出せるので、普段使うグラス・マグカップ・タンブラーを収納しています。

背の高いワイングラス・ビールグラスも収納できます。耐震ラッチも付いているので、地震の時でも安心です。

キッチンハウスデュエ収納寸法

棚板2枚分の厚みを引いても有効高64cm、均等に割り付けても1段あたり21cm確保できます。グラスやカップ類はほとんどのものが入ります。3段全て漫画本ということもできそうです。

キッチン内側からはアクセスし難いですが、リビングからグラスをとって冷蔵庫へ向かうなど、別の空間からの動線上にあります。収納品を選べば柔軟な収納として活用できます。

最後に

改めて検証してみると、引き出しで外寸と内寸の差が特に大きかったです。レールが引き出しの下についている構造なので、高さ方向はロスが大きいです。

引き出し・戸棚ともにスペースがあり収納不足にはならないと思います。パントリーが溢れ気味なので、収納品・レイアウトで再考が必要だと思います。

次回は、バックキッチンの寸法と収納力を検証します。

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