2021年8月からスタートした「仕事部屋のグレードアップ計画」も3ヶ月目に入りました。ようやく、メイン照明を「DCW Editions/Lampe Gras」に決定。
「仕事部屋グレードアップ」記事の4回目は、この照明器具の特徴・選んだ理由を中心に説明します。前回記事・Web内覧会の記事はこちらからどうぞ。
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現在の照明器具とその問題点

IKEA(SKURUP)を使っていますが、引掛シーリングの位置が悪く、椅子に座ると頭上に照明器具がきます。LED電球でも照明直下だと、夏場はエアコンをつけても汗ばむ暑さです。
さらに、デスク上に自分の影ができるので、書き物・読み物をする時は本当に不便。デスク脇のフロアランプで明るさを補いますが、熱源が増えるので更に暑くなる始末。
根本的な問題は引掛シーリングの位置ですが、今更、変更できません。ペンダントサポーターやフックで位置をずらす事も考えましたが、見た目が気になりNG。
照射位置を柔軟に変更できる照明器具を探した結果、DCW Editions/Lampe Grasに辿り着きました。我が家の問題を鮮やかに解決する救世主です。
DCW Editions/Lampe Gras No312による鮮やかな問題解決

このLampe Grasは、複数の可動式パイプを繋いだ先にランプシェードがついた構造。その可動域はさながら歯科医の照明です。
パイプ接続部を回転・上下左右に動かすことができ、最大半径75cm(=直径150cm)・最小半径10cm(=直径20cm)の範囲で、シェード位置を自由に動かすことができます。
2畳程度のスペース(180cmx180cm)だと、ほぼ全域にシェードを移動する事ができます。書斎のデスクならば隅々まで照らせます。
この広い可動域を活用し、頭上照明をデスク上やデスク脇に動かして使う事ができ、我が家の「照明暑い・影で暗い問題」は鮮やかに解決となります。
課題は設置方法(天井設置/壁設置)
このLampe Grasで照明問題は解決と思いましたが、実は落とし穴が2つ。説明書には「天井下地へのビス留めが必要」と「配線は直結で電気工事必要」との記載を発見。
現状は引掛シーリングだけで下地補強は入っていません。器具重量は4kg弱なので野縁(天井石膏ボードを固定する木製の土台)に固定でできないか、電気工事費含めてハウスメーカーへ確認しました。
第1案は天井設置タイプ(No.312)

ハウスメーカーの推奨は「天井クロスを剥がし、石膏ボードを外して下地を設置、回復工事を行う」方法。別件、階段下の補強と同時・電気工事込みで¥10万円弱。
重量が軽いので照明の移動を丁寧に行う前提で、現状のまま野縁に固定し電気工事を行って2万円程度でも可能。ただし、長期的には天井がたわむ不安も残る。
一方で照明メーカーは、下地の無い所にNo.312はお勧めできない。特に、パイプを大きく伸ばした時に付け根に荷重がかかり続ける。動荷重まで考えると長期的には天井を痛める可能性が高い。
第2案は壁設置タイプ(No.210)

こちらは輸入元 Royal Furniture Collectionさん推奨の代替案。壁設置タイプのNo.210です。
上下2箇所で固定するため、壁裏の間柱に固定できれば十分な強度が確保できる。電源がコンセントのため電気工事も不要との事。
可動域はNo.312よりは狭くなりますが、高さ方向で60cm、水平方向では半径60cmの範囲で動かすことができます。
電気工事も必要ないのでコスト面からは有力候補です。
No.312とNo.210の比較イメージ
間取り図に最大半径で可動域を確認しました。No.312の方が可動域が広く部屋中をカバーします。

No.210の可動範囲は壁付けで半径60cm。範囲の狭さを感じますが、デスク・ソファの半分はカバーできるので十分に目的を果たします。

天井付けのNo.312は、将来壁紙の張り替え時に天井補強と合わせて考えることで先送り。今回は、壁付けのNo.210で進めることにします。
DCW Editions/Royal Furniture Collectionについて
今回決めたDCW Editionsは、西新橋にオフィス・ショールームを構えるRoyal Furniture Collectionが輸入元。
照明以外にも家具・インテリア雑貨まで幅広く取り扱っています。特に照明のライナップが豊富で、木製・ガラス・石などシェード素材も幅広く揃っています。
照明器具メーカー DCW Editions
2008年に生産を開始したフランスの照明メーカーです。今回説明したLampe Grasの復刻を目指し、その権利を獲得した3人の支持者によって設立されたそうです。
南欧のような煌びやかで華やかな照明は少ないですが、実用性とデザインを両立する質実剛健さが目立ちます。フランスらしい哲学者のような面持ちです。
マットブラックやカッパーなど、重めの色合いが多いのも特徴です。金色もありますがブラス調で落ち着いています。どんな場面にも合う照明が多いです。
DCW Editionsの代表的な照明器具

今回紹介したLampe Gras以外にも個性的な照明があります。
NHKの連続ドラマ「ハルカの光」でも紹介された「Here Comes The Sun」が有名。我が家では階段下の照明候補です。
2013年に復刻された照明で、フランス人建築家ベルトラン・バラスが1970年にデザインしたもの。大きさは3種類あり、価格は小さいものだと3万円台からあります。
その他「In The Sun」「ISP」「RESPIRO」も、他では見かけない特徴的なデザインです。
Lampe Grasという照明器具
フランス人建築家「ベルナール・アルビン・グラ」がデザインした照明器具で、Lampe Grasはデザイナーの名前によるものです。
ネジや溶接を使わない独自の構造が特徴で、近代建築の三大巨匠の1人、ル・コルビジェが愛した照明器具としても有名です。
特徴は可動域の大きな支柱

2本のクランクしたパイプと3本のストレートパイプを組み合わせた、5つの可動部をもつ支柱がこの照明最大の特徴です。
天井設置の場合、シェードを調整するには手が届く高さに設置する必要があります。通常の設置だとシェードは天井から約70cm下(2.4m天井で床から1.7m高)と目線の高さです。
付属の50cm長ストレートパイプを1本追加すると、天井から1.2mのところまでシェードを下げることができます。2.7mの高天井でも十分手の届く位置に設置できます。
カスタマイズと納期
本体の色は黒1色ですが、シェードの形が2種類、シェード色が17種類もあります。シンプルな照明ですが、シェードのバリエーションの多さには驚きました。
カスタマイズする場合、本国から輸入する必要があり納期は3〜4ヶ月必要との事です。また、シェードだけの取り寄せはできないそうです。(これは地味に残念です。)
輸入元:Royal Furniture Collection ショールーム
内幸町駅と虎ノ門駅の間、外堀通りから少し路地に入った所にあります。ガラス越しに展示中の照明器具がたくさん見えて、テンションが上がります。
こちらのショールームは、原則販売店のスタッフ同行で事前予約が必要。訪問の際はインテリアコーディネーターや照明販売店に依頼してください。
10月18日からのIFFT@東京ビックサイト、同22日から始まるDESIGNART TOKYOに出展するそうです。IFFTは事前登録が必要ですが、DESIGNARTは登録不要です。
仕事部屋グレードアップで残っている課題
デスク・ソファ・ラグは希望が固まっています。未決は階段下の収納と照明。階段下の照明は「LYFA DIVAN2」「DCW Here Comes the Sun」のどちらかで検討中です。
収納はビンテージのサイドボードを見て回っていますが、なかなか決め手に欠けています。今のところ辻堂TEAKさんで見つけた、小振りなサイドボードが最有力候補。
どこのビンテージ家具店もコロナで在庫が少なくなっているそうです。収納がなく困っていますが、在庫が回復するまで、もう少し時間をかけるか悩みどころです。
仕事部屋のグレードアップ、次回の記事は「階段下の収納・照明計画」です。
家具だけでなく照明も充実。Louis Poulsen・LYFA・Ingo Maurer・Santa&Coleなど名作揃いです。
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