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【失敗談】見込みが甘くて失敗したWi-Fi設計、課題と今後の対策
新居の建築途中に「建物内で携帯電話が使えない」という問題が発生しました。Low-Eガラスにより電波が遮断されたためで、フェムトセルを設置することでこの電波問題は解決しました。
ところが、携帯の次はWi-Fiで問題が発生。設計時に考えたWi-Fi計画が思うように機能しません。実はこの問題にもLow-Eガラスが影響していました。
今回の記事では、我が家に起きた「Wi-Fiが届かない問題」について紹介します。
目次(クリックで開閉)
Wi-Fi計画は大失敗
まず最初に、大失敗に終わった「設計時に考えたWi-Fi計画」について紹介します。
家中で使えるWi-Fi
我が家が目指したのは「家中どこへ動き回っても途切れることなく通信できるWi-Fi環境」です。
これを実現するために1つのSSIDで全体をカバーできるメッシュWi-Fiを選択。中継機のようにハンドオーバーによる瞬断がなく、動画を見ながら音楽を聴きながら家中自由に動き回れます。
親機・子機の配置
メッシュWi-Fiを実現する機器として選んだのは「BUFFALO WTR-M2133HS/E2S」。親機1台・子機2台がセットになったメッシュルーターです。
LDKにある造作戸棚の中に光コンセントを設置。戸棚の中に親機を設置し、仕事部屋の子機、WICの子機をつないで、家全体をメッシュでカバーしようという計画です。
結果は大失敗
ところが、実際に親機・子機を設置してみると想定通りに機能しません。具体的には、
- LDKの親機と仕事部屋の子機の通信が弱く、扉を閉めると通信できない
- 仕事部屋の子機とWICの子機が通信が不安定
メッシュを家中どころかメッシュWi-Fi自体が成立しない事態です。
Low-Eガラスが電波を遮断
親機の電波が中庭の反対側にある仕事部屋まで届く前提でしたが、中庭を囲むLow-Eガラスに阻まれ反対側にまで届きません。
結果、「戸棚背面の壁を抜けた電波」と「玄関前の廊下を抜けた電波」が、辛うじて仕事部屋に届く程度。仕事部屋の扉を閉めると通信が途切れるなど、とても使える状態ではありません。
予想以上に壁で弱くなる
仕事部屋からWICまでは直線距離で8m程度。通信できる距離だと考えていました。しかし、設置してみるとつながったり途切れたりと不安定です。8mの間に3枚の内装壁がありますが、ここまで電波が減衰するとは思いませんでした。
とりあえず使える状態に
とりあえず使える状態を目指して配置計画を練り直します。「家中満遍なく」は一旦あきらめて、できるだけ広い範囲をカバーすることを目指しました。
親機のエリアを見極める
まずは親機単体で通信できる範囲を見極めます。
iPhoneのAirMacユーティリティのスキャン機能を使い、間取り図にポイントごとの電波強度を記入。結果は図のとおりですが、LDK以外はほぼ全滅という状態です。
子機の配置を決める
親機の通信状況をもとに子機を設置できる場所を探します。
1つ目の子機はロフトへの階段に設置。ギリギリ親機と通信できるエリアで、中庭の反対側に電波を届けられる配置です。仕事部屋と違って扉もありません。
2つ目はLDKの冷蔵庫上に設置。親機からは中庭の反対側にあたるランドリーエリアをカバーする配置です。
※階段に設置した子機に繋ぐ方法もありますが、親機とのバックホールが弱く通信を増やしすぎないように子機の数珠繋ぎはやめました。
最終的な電波状況
最終的に出来上がった子機の配置・電波強度は図のとおりです。
全体のカバー率は下がりましたがバックホールが安定した結果、通信全体の安定感が出ました。
今後の改善計画
最低限のWi-Fi環境は構築できましたが、当初の計画とは大きく異なる不便な状態です。特に寝室の電波はひどい状態で、ランドリーや風呂場もなんとか通信できる程度です。
今後の改善計画として次の2点を実施する予定です。
有線バックホールの構築
今更言っても仕方ないことですが、設計時にもう少し柔軟に考えて有線設備を導入すれば良かったです。
幸いなことにLDKの光コンセントと客間の間にはテレビのアンテナ線が通っています。これをイーサネットケーブルに入れ替えて有線のバックホールを構築する予定です。
中庭反対側の3部屋の中央に子機を設置できるので、寝室の電波状況も大きく改善します。さらにバックホールが安定するので子機同士の数珠繋ぎも可能になります。
TP-Link Deco X20の導入
ルーターをWTR-M2133HSから有線バックホールを構築できるTP-LINK DECO X20に変更します。
1台あたりの無線エリアも広いようなので、光コンセントの位置に親機、バックホールを経由して和室に子機という2台体制で導入してみます。
ランドリーエリアの電波が弱い場合は、X20をもう1台追加して3台体制での運用に変更します。