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家づくり

「軒の出」があると、窓掃除の頻度が全然違う。雨の日の窓で確認しました!

2021年3月5日

軒のある窓・無い窓

新居に引っ越して3ヶ月程度ですが、中庭の窓掃除の回数は10回を超えます。半年に1度、大掃除ぐらいでしか窓掃除をしなかった賃貸に比べるとかなりの頻度です。

中庭の3面に設置した窓は高さ2.4m 幅4mと大きく、脚立に登って作業する必要があり、なかなかの重労働です。雨が降るたびに気になってしまいます。

一方で、家の南側に位置する客間と寝室にも幅1.8m 高さ2.4mの掃出し窓がありますが、こちらは雨が降ってもほとんど汚れず、3ヶ月で1度も掃除をしたことがありません。

実は、この違いは軒出の有無によるもの。今回は、掃除頻度を中心に軒の出のメリット・デメリットを紹介します。

比較対象とする「軒有り窓」と「軒無し窓」

まずは、比較対象となる2つの窓について説明します。どちらも南向きの大窓です。

軒のある窓(客間と主寝室の掃出し窓)

軒の出がある窓

南側の外庭に面した客間の掃出し窓。昼間の陽当たりはとても良く、一時期は洗濯物や布団を干す事も考えていました。日差し・雨避けとして建ぺいに入らない程度で軒を出しています。

外壁の中心線から100cm以下の軒の出は、建ぺい率を計算する際の建築面積には含まれません。(工法にもよりますが)壁面からだとざっくり90cm以下の軒の出となります。

例えば、外壁中心から150cm張り出した軒の出がある場合、軒の先端から外壁に向かって100cm分は建築面積には含まれません。残った50cmのみ建築面積に加算されます。

軒の無い窓(中庭のFIX窓)

軒の出が無い窓

中庭の北・東・南にあたる3面に設置した大窓には軒の出はありません。四方を囲まれた中庭で横殴りの雨も考えにくく、空が広く見えるようにあえて軒の出はつけませんでした。

雨の日の窓、雨のあたり具合はどう違うか?

雨の日、それぞれの窓がどんな状況か紹介します。2月末に激しい雨が降った日の状況です。朝から昼過ぎまで、南寄りの風7m〜9m、時間雨量は8mm〜11mmに上ります。

軒の有る客間の窓

軒の出のある窓

客間の掃き出し窓付近の写真です。窓を確認すると、多少水滴がついている程度で、ほとんど雨が当たっていませんでした。かなりの雨量で、外庭には至る所に水溜りができています。

基礎、水切り、その手前の土も乾いたままで、直接雨が当たっていない事がわかります。たった1m弱の軒の出ですが、これほど違いが出るかと驚きました。

軒の出の無い中庭の窓

軒の無い窓

しっかりと窓に雨が当たっています。南からの風に乗って降り込んでいます。中庭で風が渦をまているようで、時折、落ち葉がクルクルと回っています。

風雨の激しい日は窓枠や水切りに砂が残っています。窓掃除は窓枠全体の砂を落とす事から始めますが、窓に水が垂れてこないように、窓枠がある程度乾いてから窓掃除を始めます。時間も手間もかかります。

雨上がりの窓はどうなったか?

最後は雨上がりの窓の状況を紹介します。上手く写真が撮れず数日後の写真ですが、窓掃除は行なっていません。

雨上がりの客間の窓

軒のある窓

写真の通り、汚れはほとんど気にならなりません。入居から一度も窓掃除をしていないので、3ヶ月この状態をたもっています。軒の効果は抜群だと思います。

賃貸マンションで窓掃除で少なかったのも、上階のベランダがあったからだと思います。ベランダは奥行きは1.5mもあったので、この軒以上に効果があったはずです。

雨上がりの中庭窓

軒の無い窓

日光の当たっているところが1番わかりやすいですが、窓全体が写真右上の様な状態です。外側の窓枠にもしっかりと汚れがついており、なかなか苦労しそうです。

その他、軒の出のメリット

ここまでは窓掃除を切り口に軒の出のメリットを紹介しました。その他、軒の出でよく紹介されるメリット・デメリットは、以下の通りです。

軒の出によって陽射しを調整する

夏は太陽が高い位置を通るので、多少の軒の出でも夏の日差しを遮ることができます。一方で、冬は太陽が低い位置を通るので、軒の出の下から日差しが差し込みます。

夏の日差しを遮り室内温度の上昇を抑え、冬の日差しは積極的に取り込み室内温度・床材温度を上昇させます。代表的なパッシブデザインです。

雨漏りのリスクを減らす

雨漏りは屋根の不具合で起きると思っていましたが、意外と多いのは「壁」や「壁と屋根のつなぎ目」からの浸水によるものだそうです。

軒を張り出すことで、浸水リスクの高いつなぎ目を屋根材で覆うことができます。また、つなぎ目には止水用にシーリング材が使われます。軒で覆うと、劣化の原因となる紫外線を遮る事ができます。

外壁材の保護

シーリング材と同じ理由で、軒の出が外壁に直接雨があたることを防ぎます。雨水だけでもチョーキングなどの原因になります。また、北側外壁は苔が生えるなどのトラブルの原因にもなります。

また、太陽光が直接あたることで、紫外線・熱の影響を受けることになります。紫外線と熱は建物・建材を劣化させる一番の理由なので、軒を出し外壁を保護する事のメリットは大きいです。

まとめ

軒の深い家、特に平屋の大屋根で深い軒のある家に憧れていました。どちらかと言うと、かっこいいという見た目だけの憧れです。実際に住んでみて違いを目の当たりにすると、日本の風土にあったつくりだと感心します。

深い軒はコストもかかります。建ぺい率にも影響するので、好き放題はできませんが、もし選ぶ事ができるのであれば1mぐらいの軒を出すと、窓掃除の頻度も減って楽できると思います。

それと、軒があると直射日光が当たらないので汚れが目立ちにくい。これは予想外のメリットです。手抜きしても気にならないのは助かります。

最後まで読んで頂き有難うございます。次回から壁紙選びについてまとめます。

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