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外構・庭木費用① 予算オーバーした外構工事、想定外の費用発生は何?
1年近い期間をかけて、数千万円の使い道を決めていくという家づくり。想定外の費用で予算不足に陥る事もあります。着工前の仕分け作業は精神的にもきついものです。
その中でも外構工事は、コンクリートや土工事が多く予想以上に費用がかかります。我が家は敷地境界工事で120万円もの想定外の費用が発生しました。
建物のオプションや家具に盛り上がり予算をかけ過ぎて苦労しましたが、後回しにできない先行外構費用の調整は特に苦労しました。
ポイント
◆「外構・庭木費用」の初回では次の3点をご説明します。
- 外構の予算枠
- 予算不足の原因となった境界工事
- 見積もりの全体像
◆ 外構・庭木の当初予算は以下の通りです。
- 当初予算 400万円 → 320万円(建築増額)
- 外構工事 250万円 → 70万円
- 庭木工事 70万円 → 0万円
目次(クリックで開閉)
想定外の費用で打ち砕かれた外構・庭木予算
外構・庭木の予算枠
建築費用に関しては、ネットで調べれば標準坪単価を始め建築事例も沢山あり、ある程度の根拠をもって建築費用がイメージできます。
しかし、外構予算となると情報量が極端に減ります。実例や費用の記事もありますが、建築検討段階では外構のイメージが固まらず参考になりません。
ネットで見つけた記事の「外構予算は建物価格の10%」を目安に予算取りをしていましたが、建築側のオプションなどで「7%強」まで減らしていました。
具体的な費用明細や根拠のない予算枠で進めていたので、建築側の費用が決まる度に不安が増していきます。
その不安が思わぬ形で的中しました。建築側で計上されていた土留め工事(先行外構)が予想以上に高くなったのです。
予算不足の原因となった土留工事
地盤が硬く改良工事は不要でした。このため、先行外構費用はほとんど要らないと気楽に考えていました。
発端は、中庭を当初より大きくしたことです。建築面積が大きくなり、建物が敷地境界に近づきます。我が家の建築地は石積みのひな壇地です。
近づいた建物を支えるため、石積み上の土留めブロックにRC基礎が必要になった事が盲点です。

法面になっている敷地の2面に、RC基礎を作りブロックを積み、盛り土で平坦にする工事です。
当初の図面にはCB3段積みとしか記載がなく、建築見積もりもこの前提でした。
工期も養生期間を含めて長くなります。GW連休明けの予定でしたが、4月上旬から先行外構スタートとなりました。

CB積みであれば費用も知れていますが、RCだと型枠・配筋など費用は大きく膨らみます。
さらに、掘削・埋め戻し費用もかかります。埋め戻した場所は、犬走りになっています。
また、施工の長さも費用がかかる理由です。2面だけですが施工距離は40mもあります。

RC基礎とブロック積みが完成した時の写真です。
写っているブロックは2段ですが、基礎の下にもう1段埋まっています。
この後型枠を外し、土を戻して平坦にして完成です。
業者との交渉の結果、最終的な提示金額は120万円でした。元々数十万円しか見ていなかった土留め工事費用です。約100万円の追加で、外構予算の3割を食い潰しました。
基礎前では見積りできない
このままでは本当に予算オーバーすると思い、ハウスメーカーに外構イメージを伝え試算を依頼しました。
一方で、ネットで見つけた複数の業者に見積りを依頼しましたが、どの業者も軒並み「基礎ができてから見積り」という回答でした。
「見積もりは敷地の高低差や状態を見てからになる。基礎ができないと具体的なイメージが作れない」という説明でした。
ハウスメーカーに期待して、他社は一旦保留にします。
ハウスメーカーの外構見積もり
そんな中でハウスメーカーから外構見積もりが出てきました。イメージは希望通りですが、先行外構の追加費用を加えると予算を使い切り、植栽費用もでません。

見積りをエリアごとに5つに分けてみました。駐車場横の土留め、アプローチの浮階段が特に金額のかかっている部分です。
画像に植物がありますが、植物は全て別の依頼先があるので、この見積もりには含まれていません。
玄関アプローチと浮階段

天然石の浮階段が希望でしたが、とても手が出ないのでコンクリート平板です。
アプローチ・階段の平板だけで42万円、据付費用で13万円、合計55万円です。
CB階段自体はそれほど高くありません。蹴上の仕上げ込みでも10万円程度です。
アプローチ脇の庭

長手は8mあり、天然石(和石 和良)を仕切りに設定しています。これで13万円。
石英石の砂利敷きで2.5万円です。施工込みなので妥当な金額です。
客土は1.5㎥で3万円、これは植木屋で1万円ぐらいなので、結構高いです。
駐車スペース

駐車場のコンクリート(24.3㎡)ですが、やはり土・コンクリ仕事は費用がかかります。
平米単価1.2万円程度なので、ネット情報と比較すると2割ほど高いです。
初回見積もりなのでこれぐらいかも知れません。
門柱、土留め擁壁、階段

擁壁は延べ長で10mほどあります。基礎の手前に庭に上がる階段があります。
擁壁本体、門柱、奥の階段は、ブロック積みで20万円程度です。
土留め擁壁にRC基礎があり掘削、配筋・型枠費用で、35万円、ジョリパッド仕上げで7万円です。
境界フェンスと犬走り

フェンスはLIXILのメッシュフェンスで総延長40m、取付込みで18万円です。
防草シート・砂利敷きは幅平均80cm、全周で60mほどあります。見積額は7万円弱です。
土台の土留めブロック・基礎は先程の通りで、別費用です。
管理費・付帯費用と外構費用総額
これらの費用に、管理費・付帯費用を足した合計250万円が外構費用です。これに、先行外構の追加費用110万円(税込)を足すと360万円で、すでに30万円の予算オーバーです。
これに中庭、アプローチ庭、外庭の植栽費用(合計70万円)を加えると、先行外構分と同じ100万円の予算オーバーとなります。
まとめ
以上、外構費用で予算オーバーになった理由を説明しました。完全に先行外構での追加費用が原因です。
予算オーバーの背景には建築面積を広げた事もありますが、石積みのひな壇地特有の事情でもあります。擁壁がRCで作られていればブロック積みだけ済みます。
大谷石積みは趣があり和の雰囲気で好きですが、思わぬコストアップ要因になりました。土地購入時には全く予想もしませんでした。
法面のある土地は土留め工事を念頭において、土地選び・建築設計にあたった方が良いと思います。
外構工事費は、最終的に120万円まで圧縮しました。次回は、費用を圧縮したポイントを中心にご説明します。