植木屋さんによる植栽工事は、今回含めてあと2日で一旦終わります。中庭の工事ではプロならではの拘りや作業のメリハリに驚きました。今回は、植木屋さんによる外庭の植栽工事とちょっとしたアプローチの植栽DIYをご紹介します。
とても綺麗な中庭が完成間近です。前回の植栽記事はこちらです。
こちらもCHECK
-
-
職人の植栽工事#1 中庭・玄関前の植樹、プロの仕事を間近に感じた1日
予算不足が大きな理由ですが、庭づくりはDIYでできる事は極力自分達で行っています。玄関アプローチ庭のDIYがひと段落し、ここからは待ちに待った植木職人の登場。 中庭・外庭・玄関前の植栽工事が始まります ...
続きを見る
この外庭と中庭を眺める客間和室の記事はこちらです。
こちらもCHECK
-
-
Web内覧会 和室客間 使用頻度は予想以上、椅子に疲れたら和室
中庭の植栽工事もひと段落。あとは苔貼りと砂利入れを残すのみです。外庭の植栽工事も一旦終わり。 中庭、外庭の両方に面し我が家で一番眺めの良い和室客間となりました。設計時の考えや採用した建材を紹介します。 ...
続きを見る
外庭工事の作業内容と樹種のご紹介
外庭の植栽工事のテーマは、「石積み擁壁の上、法面の土留め」と「目隠し用の樹木」と大きく2つあります。

我が家の土地は傾斜地に造成されたひな壇地で、それぞれの土地は大谷石の石積み擁壁で区分けされています。
空き地だった頃は雑草が生い茂り土留めの役割を果たしていました。雑草が抜かれてむき出しだと、大雨の時は土を留める事ができず、石積みを越えて流れ落ちます。
これを防ぐため法面に土留めを設置することが1つ目のテーマです。

2つ目のテーマ。南側に面した主寝室と和室には掃き出し窓があり、それぞれ竹ロールスクリーンや障子を設置しています。
中庭があるので外向きの窓を開ける事は少ないですが、開けた際の目隠しとして樹木を植えます。そこで、主寝室と和室の前に高木を植える事で目線を遮る計画です。
庭土工事
この土地は掘ればすぐ岩盤と地盤がとても頑丈なのは良い事ですが、植物を植えるとなると非常に扱いづらい土地です。アプローチ(1m×8m)の土改良(DIY)でも篩っても石ばかりの土丹が1立米近く発生しました。
トクサを植える法面全面、主寝室と和室前の植え付け部も土を取り除き、アプローチの残土と合わせて2立米の残土を運び出します。もともと残土処分はハウスメーカーにも声をかけていました。2立米の処分費用は知れていますが、ダンプをチャーターする運搬費用が高額です。
今回工事の中でやるならと植木屋さんに激安でご対応いただきました。おかげで玄関周りのガラ袋もすっきり片付きました。
これは自分で庭工事をやるときの注意点です。最近は個人宅にも黒土や砂利をダンプアップしてくれる業者もあり、量がまとまれば安価に購入する事ができます。
しかし、捨てるとなると話が別です。処分してもらう立場になるので、輸送費用は実費でかかります。1番良い方法は、植物を植える場所の残土処分は、先行外構や基礎工事で済ませておく事です。建築後だと重機が入れない可能性もあり大変です。
地盤調査結果で地盤改良有無が分かりますが、同時に植物の植え付け可否もある程度見えてきます。改良費用に目が向かいますが、もし、芝生などのグランドカバーや雑木風の下草のある庭が希望ならば、植木屋さんや花屋さんなど植物の専門業者の意見も聞いてみた方が良いです。
ハウスメーカーとは異なる意見が出てくる可能性も高いです。

もう1点外庭で重要な作業があります。購入前に伐採してもらったモミの木の切り株と庭中に広がった太い根です。シロアリの温床になるので抜根すべきですが、石積み擁壁の近くで擁壁を崩す危険性があります。
話し合った結果、切り株を小さく刻み太い根は取り除く事としました。(写真は切り取った根と切り株の一部です。)
目隠し兼土留めのトクサ
法面部分の土留めですが、目隠しを兼ねてトクサを植えることにしました。トクサはスギナ(つくし)の仲間で地下茎で広がります。この地下茎を利用して法面の土を安定させます。ブロックやフェンスもありますが、最大のメリットは「安い」事です。
また、成長が早く垂直に茎を伸ばして群生するので、目隠しにも最適です。法面からトクサが立ち上がり、青々と涼しげな自然のフェンスが出来上がります。
寒さ暑さに強く日本の山に自生する植物なので、和風の庭との相性のとても良い植物ですが、注意点もあります。スギナの仲間といえば当然ですが、この強い地下茎を使って至る所から芽を出します。一旦根を張ってしまうとどこまで広がっているかもわかりません。
トクサを植えるエリアとその他のエリアの間に、畦板で地中に壁を作ってやるのも効果的です。

法面は幅7m×奥行き0.5mあり、そこに10cm間隔でトクサを植えていきます。
幅方向に42列、奥行き方向に4列で、合計160株超を植えるという気が遠くなる作業です。朝9時から4時間ほどかけて仕上げていました。
まだ隙間だらけですが、なかには小さな可愛らしい芽が生えているものもあります。これから1年ぐらいかけてトクサフェンスが出来上がると思います。
客間前の紅梅
客間前には紅梅を1本植えます。寝室と異なりそこまでシビアな目隠しは必要ありませんので、目隠し兼観賞用といった位置付けです。まだ、新芽が出始めたぐらいで、これから4月、5月と若々しい緑に包まれるのが楽しみです。
本来は、掃き出し窓の正面に植えたかったのですが、散水栓に近づきすぎるため30cmほどずらして植えてます。高木は根が大きく広がるものも多いので、庭木で目隠しをしたい方は、建築設計時点で雨水・汚水パイプ・縦管、水道メーター、散水栓の位置には注意が必要です。
主寝室前の常緑ヤマボウシ
主寝室前はしっかりと目隠しをしたいので、常緑樹を選びました。目線を遮る効果が高そうなので株立ちにしています。初夏には新緑と共に白い花が咲き、秋の果実、冬にかけての紅葉と、1年通して色々な表情を見せてくれます。
3月の今は、古い葉が落ちて新たに新芽が出始める季節です。パラパラと毎日数枚の葉が落ちています。最初は「常緑なのに、調子が悪いのか?」と思いました。色々調べてみると、常緑でも葉の代謝はあるそうです。
落葉樹は落ち葉の処理が大変ですが、それは一時の大変さだそうです。常緑樹は葉の生まれ変わりに合わせて少しずつ落ちるそうで、どちらが掃除が大変なのかは疑問が残ります。
アプローチのちょい足し ハランとトクサ

お隣からハランの株をいただきました。お隣さんは、そのお隣さんから昔もらったそうです。我が家のご近所にはハランがたくさん育っています。
買えば数千円はするものなので、ありがたく頂きシェードガーデンに植え付けます。

2カ所に分けて、背の高い1株はヒイラギナンテンの後ろに、低いものはヤツデとアオキの前に植えました。
横に広がるアオキやヤツデと異なり、縦に大きく葉を伸ばすので、高低差のアクセントをつけるように位置決めしました。
ハランは漢字で書くと葉蘭です。以前よく行っていた寿司屋さんが、カウンター越しにハランの葉の上に寿司を置いてくれてました。とても強い植物で、日陰でもしっかり育ちます。株分けも簡単にできるので、シェードで育ってきたら、外庭にも一部移植しようと思います。

法面で余ったトクサを少し分けてもらい、植えてみました。縦管の蓋が丸見えだったのですが、トクサをたてて隠してみます。
この場所で最終決定ではないですが、灯籠を設置してみてどんな見栄えになるか確認します。
次回の植栽工事
外庭の工事も終わり、残すは中庭の苔張り、防草シート、砂利入れです。こちらも全て植木屋さんにお願いします。それと、サニーガーデンに植えた枝垂れ梅の植え替えと八掛けのやり直しがあります。新芽がではじめているので早めに植え替えます。こちらは自分でやります。

2本植えた枝垂れ梅のうち1本が軽量メーターに近く、植木屋さんによると、将来根が張るとトラブルを起こす可能性があるそうです。
梅の木は根が広く張るのであまり狭いところに植えるべきではないそうです。
また、もう1本の枝垂れ梅に設置した八掛けが、植木屋さんからNGと言われました。八掛になっていないとの事です。ホームセンターの細い竹でやりましたが、これもよくないそうです。とはいえ太い青竹は手に入らないので、植木屋さんの在庫を分けてもらってやってみます。
植木屋さんの苔貼り工事中に並行して植え替えと八掛けをおこなって、最後に植木屋さんチェックで終了です。並行して作業するメリットを最大限活用します。
最後まで読んでいただき有難うございます。次回は、中庭の完成編です。
こちらもCHECK
-
-
やっと中庭が完成!その後、八掛で四苦八苦の梅の木移植、植栽工事5日目
DIYを含め5日間にわたる植栽工事も今回で終了となります。何も植えていない庭を眺めて、春を待ち続けた数カ月もこれでおわりです。今回は中庭の最終工事と植木屋さんにアドバイスをもらったDIYの修正項目です ...
続きを見る
-
-
トウガラシってナス?連作障害を避ける輪作カレンダーと土入れ替え
2022/5/20
5月上旬には家庭菜園をスタートする予定。このため、4月は畑やプランターの土の準備を行っています。 美味しい野菜を育てる上でとても重要な土ですが、昨年は知識不足から植え付ける野菜を選択ミス。同じミスを繰 ...
-
-
自分でできる土留め トクサエリア・アプローチ庭に連杭の設置完了
2022/5/20
今年最初の庭づくり作業「トクサエリア・アプローチエリアの土留め」を設置。今までは土留めがなかったので、 大雨の日にはアプローチ庭の黒土が砂利へ流出 トクサを植えている法面の土が流れてトクサの根元が露出 ...
-
-
【2022年の作業計画】暖かくなったので、庭づくり・家庭菜園を再始動!
2022/5/20
雪の多い寒い冬でしたが、日に日に気温も上がりあっという間に春。庭木のイロハモミジ、紅梅も新緑が広がり清々しい景色に変わりました。土いじりをしやすい季節になったので、今年の「庭づくり」「野菜づくり」の計 ...
-
-
3ヶ月経過したクラピア、植えた場所によって成長具合に差が出ました
2022/5/20
6月上旬に植え付けたクラピアですがとても元気に育っています。今年の夏は雨も多かったので、たっぷりの水と太陽で驚くほど広がっています。 芝生よりも成長が早く手間の少ないと考え、グランドカバーにはクラピア ...
-
-
花も咲きました。元気いっぱいのクラピア、植え付け1ヶ月後の成長状況
2022/5/20
引っ越してから半年かけて庭づくりをしてきましたが、最後の仕上げグランドカバーにクラピアを植えました。 成長が早いと聞いていましたが、植え付けから1ヶ月驚くほど大きく育っています。植え付け後1ヶ月のクラ ...