6月中旬に納車された日産の電気自動車 ARIYAで、山中湖までの日帰り旅行に行ってきました。EVでの往復260kmは初めての経験です。
しかも、今回は犬連れ旅行。目的地で他の犬仲間さんと合流するので、自分たちの都合(途中充電)で迷惑をかける訳にいきません。
- 出発前の準備
- 実際に走ったルート
- 心配していた途中充電
について紹介します。
結果としては、特に困ることも無い普通の日帰り車旅でした。
増えたとはいえ、まだまだ少数派のEVです。購入にあたり不安に感じている方もいると思います。そんな方の参考になれば嬉しいです。
まずは今回の旅行についてのスペック紹介です。
山中湖までの犬連れ旅行
- 我が家の参加者:
夫婦2名と愛犬(バーニーズ) - EV歴:2週間(運転歴は20年以上)
- 目的地:道の駅 富士吉田
- 往復距離:260km
- 車:日産 ARIYA B6
- 電池容量:66kWh
- 充電認証:
ENEOS Charge Plus, エネチェンジ - エアコン使用:運転中・運転前15分は冷房MAX(LO)
- 時期:6月末の日曜日
- 交通状況:往路は車少なめ、復路は高速・下道で渋滞あり
気分は修学旅行?計画した旅程
電気自動車で初めての遠出。
「事前に充電場所の目星をつけておくべし」とのネット情報を参考に、全体の旅程と途中での充電計画を作成。
さらに、事故渋滞など最悪の事態も想定しバックアップの充電ポイントもピックアップ。旅行の計画なんて修学旅行以来です。
計画した旅程
今回はバーニーズのオーナー3世帯での旅行。「道の駅 富士吉田」に集合し森林散策、「ダラスビレッジで昼食」の後、「夕焼けの渚で湖岸散策」が主な目的。
EVでの初遠出に加えて初の犬連れの旅行です。車移動に慣れていない愛犬のため、往復路に休憩ポイントを設定(しおさい公園・Shonan Dog Field)してます。
START → しおさい公園(25km)→ 鮎沢PA下り(75km)→道の駅富士吉田(110km)→ ダラスビレッジ(125km) → 夕焼けの渚展望台(127km)→鮎沢PA上り(158km)→ Shonan Dog Field(213km)→ GOAL(233km)
1kWhあたり6km程度走るので、「233km÷6kWh≒39kWh」が消費電力の見込み。アリアの66kWhバッテリーだと約60%を消費する計算です。
途中の充電計画
総距離で230km程度なので、満充電で400km弱走るARIYAならば途中充電は不要です。とはいえ、初めての遠出。森林散策の1時間前に早入して充電を完了しておく計画です。
自宅以外での充電も初めてです。「高速道路での充電お試し」「本命のしっかり充電」として、充電ポイントを2カ所選定しました。
- 鮎沢PA下り(出力90kW×2台):高速道路でのお試し充電。やり方がわかれば終了して先へ
- 道の駅富士吉田(出力50kW×1台):1時間充電すればほぼ満タン。最大60分500円のリーズナブルな急速充電
最悪事態のバックアップ
充電スポットが故障や満車で使えない、渋滞で遅くなるといった場合は、帰路で鮎沢PA上り(出力90kW×1台)を使うことにしました。
さらに、鮎沢も使えない場合は、先の海老名SA(出力40kW×2台, 出力90kW×1台)で充電します。海老名はジャンクション・SAともに渋滞・混雑の名所なので、できれば近づきたくない最悪想定です。
心配していた事
心配だったのは冷房による電力消費。犬が暑さに弱いため乗車の15分前から冷房MAXで車を冷やします。
普段は1kWhあたり6km前後走行しますが、事前冷房は走行せずに冷房を動かすだけなので電費にはマイナス。これがどの程度影響するか分かりません。
EVの便利機能
ガソリン車と違ってEVはエアコンだけを動かすことができます。スマホアプリの他、iPhoneならSiriからボイスコントロールで遠隔操作が可能です。
犬と一緒に出かける時は出発の15分前からエアコンを動かして、車内温度を下げた状態で出発します。犬連れにはとても便利な機能です。
計画と全然違う!実際の行程
しっかり計画を立てて臨んだ初遠出ですが、実際は計画と全く違う行程になりました。そもそも走行ルートが全く違います。
実際に走ったルート
茅ヶ崎まで下道、圏央道・東名高速を経由して山中湖を目指す予定でしたが、東名高速を使わずに圏央道から中央道へ。結局、神奈川県をぐるっと1周し走行距離は260kmになりました。
START → 厚木PA下り(48km)→道の駅富士吉田(136km)→ ダラスビレッジ(149km) → 夕焼けの渚展望台(151km)→ Shonan Dog Field(238km)→ GOAL(259km)
消費電力は60%(40kWh)を見込んでましたが、実際は70%(46kWh)まで上振れ。
往路は上り基調、復路は下り基調なので復路での電費改善に期待していました。しかし、高速・下道で1回ずつ事故渋滞があり、ノロノロ運転中の冷房がかさみました。
実際に充電したポイント
実際に充電したのは次の2カ所です。
- 厚木PA(出力40kWh×1台):お試し充電を実施。ビジターは最初の5分250円なので5分だけ充電(3kWh程度)
- 道の駅 富士吉田(50kWh×1台):50分間しっかり充電。残電力62%から94%まで回復。
8時過ぎに道の駅に着き早速充電を開始。犬を連れてドッグランで小一時間遊んで充電終了。飲食店・土産物・モンベルストアもあるので、1時間はあっという間です。
出発前に発覚した事件
前日夜から充電し満充電で出発する予定でしたが、出発前に確認すると残量91%の表示。タイマーの曜日設定を間違えてました。
日曜日の出発だったので前日土曜日にタイマーをセット。深夜電気で充電するので日曜日のAM1時充電開始ですが、間違って土曜日AM1時スタートで設定。満充電▲9%(=▲54km)で出発です。
なぜ想定外のルート?
計画と違う走行ルートになったのは、Googleマップと純正ナビのルート案内の違いが原因。稀なケースかもしれませんが、充電スポットにも関わるので注意が必要です。
充電スポットには困らなかった
遠出で心配していた充電待ちですが思いの外スムーズでした。むしろ充電設備の多さに驚いたぐらいです。
意外と多い充電設備
今回行った富士吉田・山中湖周辺では、トヨタ・日産のディーラーや道の駅の他、ホテル・公共施設・観光案内所・飲食店など10カ所以上の充電設備がありました。
さらに、お隣の河口湖や御殿場まで足を伸ばすとさらに数十カ所。普通充電も含まれるので一律には扱えませんが、充電設備は意外に多いと感じました。
道の駅富士吉田は便利
急速充電設備は会員制のものが大半で、事前に会員登録し月額基本料金と利用に応じた従量課金という仕組み。
今回使用した「道の駅 富士吉田」の急速充電は硬貨(500円)で使用するタイプで、会員登録・基本料金は不要でした。便利です。
アプリ「高速充電なび」が便利
想定外のルート変更でしたが、スムーズに充電場所を決められたのは「高速充電なび」というアプリのおかげ。
路線毎に充電設備のあるSAPAが表示され「出力」「満空」が確認できます。このアプリは高速道路上の情報のみ表示するので、操作がシンプルで必要な情報を手早く見つけられます。
使用開始時間の表示
使用中の場合は「使用開始時間」も表示されますが、「充電待ちの有無」までは分かりません。10分後に空くと思って駆けつけても、先客がいれば「30分以上充電待ち」の可能性があります。
実用域は往復500kmぐらいまで
往復300km弱走って帰宅した時のバッテリーは50%。目的地での充電(22%)を差し引いて28%。100km以上走行できる残量なので、300kmぐらいなら追加充電は不要です。
目的地充電30分で+100km、経路充電(高速SAなど)30分でさらに+100kmなので、日帰り500kmまでがEVの実用域です。それ以上は、宿泊して充電する or レンタカーが良さそうです。
1人移動だと「想定外」が辛い
夫婦2人で移動したので、移動しながら充電ポイントを探すことができました。1人だと都度車を止めて探す事になり「想定外」は辛そうです。
車のコネクトサービス
車のコネクトサービスでも充電場所の検索が可能です。ボイスコントロール機能が充実しているので、うまく使いこなせば1人移動でも対処できそうです。
まとめ、心配して損した?
電気自動車での初めての遠出だったので心配事も多かったですが、実際走ってみると意外と普通の車旅でした。その意味では心配しすぎました。
それでも、冬にはエアコンの消費電力が大きくなり航続距離は一段短くなります。少しずつ距離を伸ばしながら、電気自動車との付き合い方を探っていきたいと思います。
次回は「ようやく導入できたトライブリッドのV2H」について紹介します。驚くほど便利な設備です。
最後まで読んでいただき有り難うございました。
トランクマット(広告商品リンク)
犬との長距離移動で心配なのはトイレ。特に高速移動中はどうしようもなく残念な事になりかねません。
そこで我が家が愛用するのは「KYG トランクマット」です。SUV対応の大判サイズがありしっかり防水。伸ばせばバンアーまで覆えるサイズなので、バックゲート周りの引っ掻き傷も心配無用。おすすめです。
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