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2月の電気代は昨年比4割減!大幅削減のポイントと買電0への課題
比較的暖かい日が多かった今年の2月、ついに電気料金が2万円を切りました。オール電化の我が家はガス代は無く暖房も全て電気なので、2万円を切った電気代が光熱費の全て。ようやく高騰前の電気代水準が見えてきました。
今回の記事では、2月の電気使用状況・電気代について紹介します。2万を切る水準まで下がったポイント、2月の電気代で見えた買電0への課題について深掘りします。これから新築の方、太陽光や蓄電池の導入を検討中の方の参考になれば嬉しいです。
『2月の電気代は昨年比4割減!』のポイント
- 昨年同月比で購入電力は31%減少
- 〃 昼間電力の購入は74%減少/深夜電力は1.6倍に増加
- 〃 総消費量(買電+自家消費)は2.5%の微減
- 太陽光で1万円削減、国補助で7千円削減
- 太陽光の発電量が先月比2割増加
- 太陽光電力の自家消費率は66%に低下し頭打ちが鮮明に
目次(クリックで開閉)
2023年2月の電力状況
電力消費がピークの1月を過ぎ消費電力量にも落ち着きが見えてきました。一方で、太陽の軌道も上がり始め日射時間の増加から太陽光の発電量も大幅に増加します。そんな変化が2月の電力状況でもはっきりと見て取れます。
電力量の比較(23年2月と前年同月)
電気の総消費量では昨年同月と比べてほとんど変化は見られません。深夜主体だった床暖房や洗濯乾燥機を昼主体にシフトすることで太陽光の自家消費が増加。昼間電力の購入を大幅に削減できています。
23年2月 | 22年2月 | 2022年比 | |
総消費電力量 | 891kWh | 913kWh | 97.6% |
買電量 | 625kWh | 913kWh | 68.5% |
昼間電力 | 161kWh | 619kWh | 26.0% |
深夜電力 | 464kWh | 294kWh | 157.8% |
発電量 | 406kWh | – | – |
自家消費 | 266kWh | – | – |
売電量 | 140kWh | – | – |
購入電力の7割を占める深夜電力ですがその用途は次の3つです。
- エコキュート
- 保温程度の床暖房
- 蓄電池への充電
床暖房の停止やエコキュートの出力減、蓄電池の深夜充電停止(後述)で深夜電気は今後大幅に減る見込み。一方で、太陽光の発電量はしばらくは増加傾向が続きます。現時点では消費量が発電量より多い状態ですが、4月頃には逆転し発電量が消費量を上回ると考えています。
電気代の比較( 〃 )
続いて電気料金です。電気代高騰の原因「燃料調整費」ですが、国補助の▲7円と燃調費自体の下落で、昨年同月(1.86円)に対して3倍程度(4.69円)まで圧縮されました。この程度の燃調費であれば十分に許容範囲です。
23年2月 | 22年2月 | 2022年比 | |
電気料金 | 17,971円 | 28,796円 | 62.4% |
基本料金 | 2,860円 | 2,860円 | 100% |
昼間電気 | 4,154円 | 15,970円 | 26.0% |
深夜電気 | 8,250円 | 5,227円 | 157.8% |
燃調費 | 2,931円 | 1,671円 | 175.4% |
再エネ賦課金 | 2,156円 | 3,941円 | 70.3% |
売電金額 | ▲2,380円 | – | – |
燃調費の低下に加えて特筆すべきは買電金額。太陽光の発電量が増えたため余剰電力・買電量も増加し基本料金は帳消し。これがなければ2万円切りはありませんでした。
2月の電気代は4割減!
2月の電気代は昨年同月比で約4割(10,825円)の大幅減という結果になりました。燃調費・再エネ賦課金を昨年条件に合わせると削減幅はさらに大きくなります。太陽光・蓄電池の支払いを差し引いても十分にお釣りが来る結果です。
太陽光・国補助がなければいくら?
太陽光がない場合、国補助がない場合の電気代を試算しました。十分すぎる効果です。
- 太陽光がない場合:29,738円(+11,767円)
- 国補助がない場合:26,588円(+8,617円)
- 両方ない場合:38,355円(+20,384円)
電気代4割減のポイント
電気代が昨年比で大幅に安くなったポイントを深掘りします。
床暖房の使用が減った
オール電化の冬の電気代を押し上げるのは暖房費です。
今年の2月は暖かく、最高気温10度(過去の平均最高気温)を超える日が19日もありました。早々と床暖房の運転を間欠運転に変更。これにより消費電力を大幅に抑えることができました。また、太陽光の発電時間に運転時間をシフトしたことで、自家消費を維持し買電を削減する事ができました。
床暖房の運転比較
- 昨年2月:深夜3時〜6時と昼13時〜16時で加温(通常運転)、それ以外は保温(控え目運転)の24時間稼働
- 今年2月:深夜4時〜6時と昼10時〜15時で加温(通常運転)、それ以外は停止する間欠運転で太陽光電力による稼働に集中
発電量が先月比で21%UP
2月の発電量は406kWhと1月(335kWh)に対して21%も増加しました。
季節が進んで太陽の軌道が高くなったことで、朝夕の発電時間の増加しました。さらに、パネルへの日射角度も改善したため、時間あたりの発電量も増加しています。
具体的な発電状況の変化
- 時間あたり1kWh以上の発電:「1月 10時〜15時」VS「2月 9時〜16時」→ 発電時間が2時間増加
- 時間あたりの最高発電量:「1月 3.5kWh」VS「2月 4.2kWh」→ 最大で時間あたり0.7kWhの発電増
買電収入が無視できない金額に
単価17円なので売電には期待していませんでしたが、売電量が140kWhまで増加し売電収入は2,380円になりました。あと少しで基本料金(10kVa 2,860円)に迫る勢いです。これが無かったら2万円は切れなかったので、無視できない金額になったと感じてます。
手放しでは喜べない売電収入
無視できない金額ですが手放しで喜べることではありません。もしこの電力を自家消費し昼間電力を削減できたらどうなるか?試算しました。
140kWh×33.94円(単価+燃調費+再エネ)=4752円
本来なら全て自家消費で▲4,752円のところが、売電で▲2,380円になったということです。もったいないです。
今後、買電0を目指す上での課題
今後、春夏秋と季節が進む中で発電量や消費量も変化していきます。2月の電気状況から見て取れる買電0に向けた課題を紹介します。
良い兆候、発電量が消費量の46%まで上昇
1月の発電量は消費量の30%(発電335kWh/総消費1,084kWh)でした。電気を売らずに使い切っても3割程度しか賄えません。2月に入りこの割合が46%(発電406kWh/総消費891kWh)まで上昇しました。
発電量は今後600kWh超まで増加する見込みです。昨年の消費量の実績ですが、
- 3月の総消費量:754kWh
- 4月の総消費量:484kWh
このまま順調に進めば、4月には発電量が消費量を上回ることになります。全て使いきる事が出来れば、購入電力0で余剰電力を売電という状況が見えてきます。
蓄電池の運用見直しが必要
発電量が増えてきたので、蓄電池の充電を深夜電気から太陽光電力にシフトします。1月までは発電量が足りず太陽光だけでは蓄電池を満充電できませんでした。そのため蓄電池の運用方法は、
- 深夜電気で満充電
- 朝方(太陽光前)に放電した電力を昼の太陽光で補充
- 夕方(太陽光後)以降は蓄電池から放電し、その後買電
発電量が十分に増えてきたので、3月以降は深夜の充電を停止し太陽光のみで蓄電池を運用します。これにより、床暖房の停止による自家消費の減少を補うことができます。
翌日の天気というリスク
翌日が曇りや雨の場合、発電不足で充電する事ができず夕方以降の電力は全て買電になってしまいます。これを避けるため、ニチコンの無料サービス「AI自動制御」を活用します。
「AI自動制御」は、天気予報を元に深夜電気による充電要否を自動制御してくれます。例えば、「翌日が快晴なら深夜充電は無し」「翌日が雨なら深夜に満充電」といった具合です。毎日天気予報を確認して操作する必要がないので便利です。
自家消費の限界点
購入電力を0にするために課題となるのは夕方〜翌朝までの消費電力です。例えば、
- 1日の消費電力:16kWh(480kWh/月)
- 太陽光自家消費:9kWh(11月〜2月実績)
とした場合、これ以上昼間にシフトできる電力がない限り、不足分の7kWhが買電になります。発電量が増えても売電が増えるだけ、買電は減らないので『現状のままでは買電0は不可能』という結論になります。
蓄電池の容量次第
この試算だと、
- 蓄電池容量が+7kWhあり(=12kWh)
- 太陽光が日当たり16kWh以上発電すれば
電力を購入せずに生活できる事になります。天気次第なので毎日とはいきませんが、かなりの頻度で購入0で生活できるはずです。
※電力消費の大きいオール電化での試算です。ガス併用住宅で300kWh/月の消費電力であれば、+数kWhの蓄電池(7kWh前後)で十分です。
買電0はEV・V2Hの到着後
今年の7月にはEV(アリアB6)・V2Hが揃う予定です。これによりEVの蓄電池66kWhが、家庭用蓄電池として活用できるようになります。太陽光の余剰電力をEVに充電し不足分の7kWhをEVから補う事で、発電量が総消費量を上回る4月〜10月頃までは買電を最小限にとどめることが出来ます。
2月の電気料金まとめ
最後に昨年比で4割減った2月の電気料金のポイントをまとめます。
- 床暖房の間欠運転により消費電力・購入電力を削減できた
- 発電量の増加により売電収入が増加した
- 発電量が消費量の46%まで増加。4月以降、発電>消費の可能性が見えた
- 発電量の増加により蓄電池を太陽光による充電に変更する
- 現状のシステムではこれ以上の自家消費増加は見込めない
- 本格的な買電削減にはEV・V2Hが必須
3月使用分の燃料調整費は、2月分より1.44円下がり3.25円/kWhになります。まだ月半ばですが、3月の電気代は買電収益を含めると1万円を切る可能性が出てきました。別記事で紹介します。