- #電気代高騰
太陽光・蓄電池で購入電力は30%も削減!それでも電気代は横ばい?
11月頭に太陽光と蓄電池を導入。冬でも天気が良ければ、ガス併用住宅の1日分に相当する12kWhを発電してます。ところが、肝心の電気代は昨年同月比で横ばい。ちょうど燃料調整費の値上がりを帳消しにした格好。電気代の大幅減を期待していたので少し複雑な心境です。
今回の記事では、「買電が30%減なのに横ばいだった電気代」について、12月の電力収支をもとに実際の数字で紹介します。オール電化の冬はとにかく電気代が高いです。オール電化や太陽光を検討中の方の参考になれば嬉しいです。
『買電30%減でも電気代が横ばい』のポイント
- 太陽光電力の自家消費率は93.3%でほぼ使い切り
- 昨年同月比で購入電力は30%減少
- 〃 昼間電力の購入は70%減少/深夜電力は20%増加
- 〃 総消費量(買電+自家消費)は変化無し
- kWhあたり12.9円の燃料調整費で全て帳消し
目次(クリックで開閉)
2022年12月の電力状況
2022年12月、雨が降った日は4日しかありませんでした。太陽光パネルを設置して2ヶ月目ですが、思った以上にしっかり発電してます。12月の電力状況をまとめます。
電力量の比較(22年12月と前年同月)
2022年12月の電力量と前年同月の電力量を比較しました。2022年に太陽光・蓄電池を設置したので、購入電力とその内訳(昼・深夜)に大きな違いが見て取れます。
2022年12月 | 2021年12月 | 2021年比 | |
総消費電力量 | 959kWh | 954kWh | 100.5% |
買電量 | 654kWh | 954kWh | 68.6% |
昼間電力 | 184kWh | 566kWh | 121.1% |
深夜電力 | 470kWh | 388kWh | 32.5% |
発電量 | 305kWh | – | – |
自家消費 | 285kWh | – | – |
売電量 | 20kWh | – | – |
※太陽光パネル: 5.6kW(カナディアンソーラー)・蓄電池: 4.9kWh(ニチコントライブリッド)
電気料金の比較( 〃 )
同様に電気料金を比較すると次の通りです。燃料調整費だけで電気料金の3割を占め、そのまま値上がり幅に相当します。ただし、▲3~5円だった頃(2021年10月以前)と比べると、値上がり幅はもっと拡大します。
2022年12月 | 2021年12月 | 2021年比 | |
電気料金 | 26,715円 | 27,060円 | 98.7% |
基本料金 | 2,860円 | 2,860円 | 100% |
昼間電気 | 4,747円 | 14,603円 | 32.5% |
深夜電気 | 8,357円 | 6,899円 | 121,1% |
燃料調整費 | 8,495円 | ▲506円 | – |
再エネ | 2,256円 | 3,205円 | 70.4% |
売電金額 | ▲340円 | – | – |
変化の大きな項目
表中、変化の大きい項目をオレンジで記載しました。太陽光の導入により買電量(料金)は大幅に削減。さらに昼間電力が大幅に減り深夜電力が増えています。太陽光・蓄電池の効果は大きいです。
- 昼の消費電力を太陽光電力でまかなった事
- 蓄電池により深夜電気を昼間に使用できた事
- 蓄電池により太陽光余剰電力を日没後使用ができた事
深夜電気と昼間電気の単価差は8.8円なので、深夜電気を昼に使えば電気代は安くなります。ただし、燃調費や再エネ賦課金を加えると深夜電気でも35円前後。これらの追加費用を考えると、自家消費を増やす蓄電池の効果も無視できません。
結局、燃料調整費で帳消し
買電・昼間電気を大幅に削減できましたが、結局、燃料調整費の高騰で帳消し。昼夜関わらず購入電力に同額が付加されるので、深夜電気を増やしても燃調費は変わらず。購入電力をさらに減らすしか方法はありません。
冬の消費電力量
オール電化の我が家で、冬の消費電力は1ヶ月1,000kWh前後。1日平均35kWhの計算ですが、実際は30~50kWhと気温によって大きく変動します。
温水蓄熱式床暖房の変動幅が特に大きく、外気温が低いと時間あたり最大2kWh近い電力を消費。加えてエコキュートも沸き上げ・湯温維持のため消費電力が増加します。通年で均せばそこそこで落ち着くので、冬限定の一時的なことと理解しています。
電気代が横ばいになった(で済んだ)ポイント
燃料調整費がこれだけ高騰している今、電気代が前年同月比で横ばいは「喜ぶべきこと」かもしれません。電気代を横ばいで済ませられたポイントを紹介します。
電力購入を30%減らせた
電力の購入量自体を減らし電気代を抑える事ができました。太陽光の導入により購入電力を30%減らせたことは横ばいで済んだ大きな要因。さらに、値上がりの1番の理由「燃調費」を削減する事もできたので、電気代の削減幅はさらに大きくなります。
12月の発電時間帯は11時~14時半までの3時間半。太陽の軌道が低いため南東の山に遮られる時間も最長です。季節が変わり太陽の軌道が高くなると、発電時間は倍の7時間まで増え発電量も相応増える見込みです。
太陽光電力はほぼ使い切り
次に太陽光電力をほぼ使い切った事。売っても17円にしかならない電力を使い切り、買えば45円(燃調込み)の昼間電力を削減。100kWhを売電したとすると2800円多く電気代がかかっていたことになります。
季節が進み発電量が増えると、課題となるのは自家消費を増やす手段。床暖房の停止・エコキュートの消費電力減少も重なり、電気余り(=売電増)が発生します。そこで電気余りの受け皿としてEVを導入し、ガソリン代を余剰電力で代替する計画です。
蓄電池による昼間電気の削減
深夜電気と太陽光電力の比率を高めた事も大きな要因。昼間電力に比べて、kWhあたりそれぞれ8.8円・45円を削減可能です。ここでは蓄電池の果たした役割が顕著。深夜・太陽光の時間に電力消費を集中するにも限界があります。割安な電力を貯めおくバッファができた事で、無理せず割高な電気の購入を削減できました。
EVと併せてV2Hを導入します。これによりEVを大型蓄電池として使用できるようになり、今まで以上に割安な電力を使いやすくなります。EV不在時は蓄電池がバックアップ。蓄電池の満充電には2~3時間かかるので、その間の外出ならば売電を避けてEVを使えます。
総消費電力量は変化無し
前年同月と比べて消費電力の総量は+4kWh(+0.5%)で変化無し。節電も色々試しましたが、気温次第で暖房費が増減し節電効果が見えづらい状況。在宅仕事が減るなどライフスタイルに大きな変化がない限り、冬の消費電力はこの水準だと考えています。
国の負担軽減策の効果
23年2月の請求分(1月の使用分)から国の負担軽減策が導入されます。東電の「暮らしTEPCO」では、2月分の燃調費は6.04円(前月比▲6.95円)と記載されています。買電量は750kWhを見込んでいるので、5,000円程度電気代が下がる計算です。
最後に、「冬が横ばいで済んだ」が我が家の理解
太陽光・蓄電池を導入しても電気代は前年同月と同水準。これをどう理解するか?我が家は「冬が横ばいで済んで良かった」と理解しています。
冬は消費電力が最大・太陽光発電量が最小になり収支が最も厳しい季節。太陽光導入のメリットが一番感じにくい季節です。この時期に8,000円を超える燃調費を帳消しできたことは十分な効果。季節が変わり消費電力減・発電量増になると、電力収支は大幅に改善します。
6月にはEV・V2Hも揃い、余剰電力を貯める大型蓄電池として機能します。ガソリン代のみならず、買電量のさらなる削減、柔軟な電力消費に期待しています。
次回のエネルギー記事は「蓄電池4.9kWhの効果を検証、やっぱり蓄電池はやめた方が良い?」について紹介します。最後まで読んで頂き有難うございます。