トヨタ初の電気自動車が正式に発表され、国産SUVでもEVが本格的に動き始めます。
助成金や買取価格が下がっている太陽光パネルに対して、EVやV2Hでは比較的手厚い助成金が設定されており、災害対策も兼ねて以前より導入を考えていました。
ガソリン代の高騰もあり話題のEVですが、今回はV2H・太陽光・オール電化という切り口から総コストを検証。参考として、ハリアーHVと比較しています。
コスト検証でのポイント
- 5年間のEV購入・維持費用
- V2H・太陽光の導入費用(分割払い5年)
- 5年間の電気代
- DP /導入補助事業 無し:(安い)LEAF<ハリアーHV<ARIYA<bZ4X(高い)
- DP /導入補助事業 有り:(安い)LEAF<ARIYA<bZ4X<ハリアーHV(高い)
- ハリアーHV+買電・買燃料に比べると、EV+V2H・太陽光・電気代の総コストは大して変わらない
- オール電化でV2Hの導入を考えている方
- 新築でのエネルギー計画を検討中の方
- V2Hを前提にEV導入を考えている方
目次(ジャンプできます)
V2H(ビークル to ホーム)とは?

日産ARIYA(EV)
最近、高額助成金の条件とされるV2H(ビークルtoホーム)について、簡単に紹介します。
EVを蓄電池として活用
V2H(ビークル to ホーム)とは、電気自動車と家を繋ぐことで、電気自動車の蓄電池を家庭用蓄電池として代用する仕組み。
一部を除き、国産メーカーEV・PHV・PHEVの大半が対応しています。
せっかく家に充電設備を設置するのであれば、充電だけでなく放電もできるV2H設備の方が便利です。
メリット・デメリット
V2Hを導入したい我が家が感じているメリットは、
V2Hのメリット
- 家庭用蓄電池に比べて、EVの蓄電池は圧倒的に安い(家庭用蓄電池:20万円弱/kWh、EV:10万円弱/kWh)
- 1km当たりの走行コストが安い(EV:6km/20〜30円、ガソリン:10km/160円、HV:20km/160円)
- 大容量蓄電池で太陽光・深夜電気を最大限活用し、電気代を節約できる
- 災害時・停電時にも太陽光併用で長期間電気を使える(LEAF:13kWh/日消費で4日間、太陽光10kW発電で20日前後)
- 平均的な車の買替え頻度ならば、蓄電池も7年程度で更新できる(車の買替え平均:R2年 7〜8年)
EVの良さ、太陽光の良さを活かし、家庭用蓄電池の弱点を補うイメージです。
一般的に言われるデメリットは、
V2Hのデメリット
EVの蓄電池の劣化が早くなる(通常より充放電が多い)
- 家に駐車スペースが必要(戸建・駐車場付きが前提になる)
- 車が家にないと充放電できない(売買電が必要、VS家庭用蓄電池)
- V2Hの設備が高額(工事費込みで安くても70万円程度)
- 車としてのEVに疑問(航続距離・音など)
我が家がデメリットとして感じるのは#3ぐらいですが、一定期間でコストが回収できれば初期投資の問題です。
V2H設備の選択肢
現時点で選べるメーカー・製品は限られています。
- ニチコン:トライブリッド
- ニチコン:EVパワーステーション(ベーシック・プレミアム・プレミアム+)
- デンソー(ニチコンOEM):V2H 充放電機
- 東光高岳:SmanecoV2H
※三菱電機もスマートV2Hを販売していましたが、2021年3月をもって終売となっています。
太陽光と組み合わせる場合は、新しくなった1のニチコントライブリッドがベスト。
トライブリッドパワコンが太陽光のパワコンも兼ねるので設備投資が抑えられます。
太陽光・蓄電池・EVの3つの電池をまとめて制御するので、余計な手間や無駄な変換ロスが削減できます。
コストメリットが高いのは2のニチコンEVパワーステーション。
スタンダードの値上げが発表され(2022年6月注文分より)、プレミアムとの値差が縮まり、相対的にプレミアムの魅力が上がりました。
スタンダードとプレミアムの違い
停電時(自立運転時)の使い方に大きな違いが出ます。
- 200V供給(スタンダード:不可=特定負荷、プレミアム:可)
- 出力(スタンダード:3kVA、プレミアム:6kVA)
- 太陽光電力のEVへの蓄電(スタンダード:不可、プレミアム:可)
- その他、ケーブル長やスマホ連携にも違い
プレミアムとプレミアム+の違い
自立運転の起動方法
- プレミアム:EVステーションを起動するために、車のアクセサリーソケットへの配線が必要
- プレミアムプラス:ワンクリックで起動できので、追加配線は不要
自立運転時の電圧、太陽光連携が最大の違いです。災害・停電時の使い方を基準に選定することになります。
ざっくり補助金の種類
ざっくりと2022年に個人(法人以外)が活用できる補助金です。
- CEV補助金:日産ARIYA・LEAFで最大85万円まで補助。自家用のみが対象。
- V2H充放電設備 導入補助事業:設備代の1/2(上限75万円)と工事費(上限40万円・個人)
- 地方自治体の補助金:各都道府県・市町村で異なる
- DP(ダイナミック・プライシング実証事業):設備代の1/2(上限75万円)と工事費(上限40万円)
予算枠が限られていますが、EVとV2Hをセットで導入する場合、かなり高額の補助金がもらえます。
デメリットにあった高額なV2H設備代は補助金でほぼ相殺。
来年度以降は分からないので、EVのラインナップも充実し始める今年は良いタイミングです。
次のページでは「bZ4X・ARIYA・LEAF・ハリアーHVのV2Hコスト比較」を紹介します。予想外の結果です。