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オール電化にして後悔?1年半暮らして感じたメリット・デメリット

2022年4月26日

今までガス・電気併用で生活してきた我が家にとって、オール電化は「理屈上は良い」と分かっていても「不安が残る」決断でした。そんなオール電化生活もようやく1年半が経過。

色々トラブルもありましたが、実際に暮らしてみて「オール電化を選んでよかった」と感じています。今回の記事では次の3点について紹介します。

今回の記事のポイント

  1. オール電化を選ぶ時に感じた不安とその結果
  2. 最終的にオール電化に決めた理由・メリット
  3. 住んでから分かったオール電化のデメリット

オール電化を検討中の方、これから新築の方の参考になればと思います。

オール電化に決めるときに感じた不安

人生初のオール電化、経験が無いので不安もありました。オール電化で決める時感じていた不安をまとめます。

全部が電気、光熱費が大幅に増える?

以前住んでいた賃貸マンション(電気・ガス併用)の年間光熱費は15.5万円でした。これに対し、新居(オール電化)の年間光熱費は18.9万円と約2割増です。光熱費を心配していた理由は次の通り。

光熱費が増えると考えた理由

  • 建物面積が2.5倍(賃貸:48㎡/新居:134㎡)
  • バスタブも1.5倍に大きくなる
  • 大型床暖房(75畳)が入る
  • 上下階・左右の部屋が無く暖房費が高い

5割増しぐらいを覚悟していましたが思ったほど増えず一安心。参考まで、賃貸マンションと新築での光熱費は次の通りです。

年間消費電力 年間光熱費 平均単価
マンション(ガス電気) 4,164kWh 155,398円 37.3円/kWh
新築平屋(オール電化) 6,662kWh 184,500円 27.7円/kWh
差額 2,497kWh 29,102円 ▲9.6円/kWh

※賃貸マンション(2020年)・新築平屋(2021年)

お湯切れリスク、使いたい時にお湯がない?

引っ越してから1年半経ちますが湯切れは一度もありません。冬は風呂にお湯を入れると、残湯目盛りは1/4まで下がりますが湯切れには至りません。

2人暮らしだとエコキュートのタンクは通常370Lですが、災害時の生活水確保のためひと回り大きい460Lを導入しました。実勢価格では数万円しか変わりません。設置スペースがあれば、湯切れ対策・災害対策でひと回り大きめのタンクがおすすめです。

大きなタンクと電気代

エコキュートはタンク内の温度センサーでお湯(45℃以上)と水の割合を把握しています。さらに日々の使用湯量もモニターし必要湯量も把握。深夜になると不足する湯量を自動で計算して沸き上げる仕組みです。使用湯量が一定であれば、タンクが大きくなっても沸き上げる湯量は変わりません。このため、タンクサイズと消費電力はあまり関係がないとされます。

IHは調理しづらい?

使いにくいと賛否が分かれるIHクッキングヒーターですが、(調理器具を選ぶ点は除いて)慣れれば使いやすいと感じています。

湯沸かしの早さなどメリットはいくつかありますが、1番良いのは夏に部屋の温度が上がらないこと。賃貸では12畳程度のDKでしたが、冷房を入れてもガスコンロの火力で室温がグングン上昇。今はコンロを使っても室温変化はありません。大きなメリットです。

深夜電気に縛られる生活はストレス?

安い深夜電気を使うために昼の家電使用を控えるなど、生活自由度に制約がでると感じていました。実際生活してみると、エコキュートも床暖房も自動運転。食洗機・洗濯乾燥機もタイマー機能が充実。無理して深夜電気を使うという感覚はありません。

生活の中で違和感は感じない

はじめてのオール電化生活ですが、ほとんどの事を設備が自動でやってくれるので、ガス併用の生活と違いは感じません。

コラム:オール電化×食洗機で食器が増える?

唯一戸惑ったのは食洗機。深夜だけで動かす場合、日中に食器や調理道具が不足します。探し回った挙句、食洗機の中で未洗いで見つけた時は思わずため息が出ます。追加で数セット用意してからは気になりません。

オール電化で大型食洗機導入の場合、食器・道具類を余分に収納できるように設計に余裕をもたせると安心です。

オール電化に決めた理由・メリット

不安がある一方でオール電化にメリット・魅力も感じていました。オール電化に決めた理由・感じていたメリットを紹介します。

火を使わない安全な生活

宅内で火を使わずに生活できる事は大きなメリットだと感じました。三井住友海上の資料によると、

火災原因のTOP5(令和元年)

  1. キッチンコンロ周り(13.6%)
  2. タバコ(9.6%)
  3. 電気配線(6%)
  4. 配線器具(5.6%)
  5. ストーブ(5.3%)

ガスコンロの安全装置が進化して火災リスクは下がってますが、それでも、火を使わずに生活できる安心感は大きいです。火災保険もオール電化は割引です。

キッチンとリビングを一体的にデザインしたい

ガスコンロを設置するキッチンは火気使用室に該当し、平屋や最上階キッチン(平屋や2階建ての2階)以外では壁・天井の仕上げ材に制限(準不燃材以上)がかかります。

「オープンキッチンでLDKの天井材をキッチンまで広げて一体感をだしたい!」という場合、平屋・最上階キッチン以外では、選択肢が限られ値段も高い「準不燃材(以上)の天井・壁材」しか選べません。火気使用室にあたらないオール電化では比較的自由に建材を選べます。大きなメリットです。

キッチンだけ仕上材を切り替える

準不燃以上の制限は火気使用室だけなので、キッチンとの境で天井材を切り換えればクリアです。問題はどうやって切り替えるか?平面で仕上材を切り替えると見切り・小口(切断面)が目立ち、見た目が良くありません。

よく見かける対策は「キッチンの天井だけを折下げて段差(入隅)で仕上材を切り替える」方法です。ハウスメーカーのモデルハウスでも割と見かけます。ダクトスペースも確保しやすく、かっこいい見た目、切り替え見切りと一石三鳥のデザインです。

IHコンロは掃除が楽、調理効率もUP

ガスコンロの掃除では、五徳を取り付ける溝周りの汚れ掃除が面倒でした。最近のガスコンロはかなりフラットですが、やはりIHヒーターの掃除しやすさは別格です。この点は本当に楽になったと感じています。

また、余計な凹凸がないので作業場所になるのも便利なポイント。コンロ周りの限られたスペースを多目的に使えるので、とても重宝しています。

電気は創れるエネルギー、災害に強い家

電気が止まると何もできなくなることが、オール電化のデメリットと言われます。しかし、裏を返すと、電気さえあればガスがなくても普段通りに生活できる事がオール電化のメリットです。高耐震住宅・太陽光パネル・EVがあれば「在宅避難しやすい災害に強い家」が作れます。

太陽光パネルも普及し「電気を創る」は当たり前です。今後EVや家庭用蓄電池が普及すれば、(電気代の高騰もあり)発電電力の自家消費率は大幅に上がります。「電気は原則自家発電、自家消費、不足する時だけ買う」というのも遠い未来ではないと感じています。

実際に住んでメリットを実感できた

オール電化を選ぶ上で考えたメリットは住み始めて実感することができました。特に掃除のしやすさ・調理スペースの確保は、毎日のことなので日々便利さを実感しています。

コラム:災害レジリエンスとマイクログリッド

大半の電力は発電所から繋がる広域送電網(グリッド)で供給され、「大規模・集中型」の電力システムと言われます。発電設備を集中・大型化でき効率が良い一方で、災害で停電すると広範囲に被害が及ぶデメリットもあります。そこで注目されているのが「地域マイクログリッド」です。

地域の送電網をグリッド(広域送電網)から切断し、地域内の太陽光発電・蓄電池・電気自動車を活用して地域内電力の自給自足を行うもので、「分散型電源」とも呼ばれます。他地域の停電による影響を受けないため、地域の災害耐性(レジリエンス)向上策として期待されてます。

V2H(EVから家に電力供給する)設備には高額な補助金が設定されていますが、申請書には「災害時の協力要請に(可能な限り)応じる」という条件が含まれています。脱炭素社会で語られるEVですが、実は「地域マイクログリッドの中核として災害対策への期待も大きい」というお話でした。

次のページでは「オール電化のデメリット」を紹介します。

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