「災害時、ガスの供給が止まっても電気があれば生活できる事」に魅力を感じ、新築ではオール電化を選択しました。一方で、未経験のオール電化、「光熱費はいくらかかるのか」という不安もありました。
電力価格、ガソリン高騰、新型EVなどエネルギーに関連するトピックが世間を賑わす昨今、家庭のエネルギー対策は毎月・将来のコストに関わる重要なテーマです。
これから3年かけて将来に向けたエネルギー対策を行う予定です。対策内容を決めるにあたり、まずは、以前住んでいた賃貸マンションと新築した平屋での光熱費・消費エネルギー量を比較します。
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目次
木造平屋と賃貸マンション比較の前提条件
光熱費を比較するにあたり、以前住んでいた賃貸マンションと新築した平屋の相違点をまとめます。主な相違点は3つあります。
- オール電化・住居形態での契約の相違
- 住宅パッシブ性能向上による省エネルギー化
- 家電・住設による必要電力の増加・減少
家族構成(共通)・生活スタイル
家族構成は引越し前後(昨年=賃貸マンション・今年=新築戸建)で変化はありません。妻・夫の2人世帯です。
2人ともフルタイムで働いているので、通常は朝8時頃には家を出て帰宅するのは20時前後。コロナ禍の在宅ワーク・ステイホームで、今年の在宅時間は昨年の倍以上に増えました。
オール電化・住居形態による契約の違い
賃貸マンションと新築戸建てでエネルギー契約の違いは次のとおりです。
今更ですが、賃貸マンション時の従量単価はかなり高いです。大半は2番目の(〜300kwh)単価に収まりますが、それでもオール電化の昼間単価より高い、驚きです。
詳細 | 賃貸マンション | 新築戸建て |
契約プラン | 従量電灯B | スマートライフL |
基本料金 | ¥1,144 | ¥2,860 |
単価(〜120kWh) | ¥19.88 | - |
単価(〜300kWh) | ¥26.48 | - |
単価(300kWh〜) | ¥30.57 | - |
昼間電気(6時〜25時) | - | ¥25.80 |
深夜電気(1時〜6時) | - | ¥17.78 |
賃貸マンションでは電気に加えて給湯・調理器具でガスを使用。ほとんどの月で2番目の(〜80㎥)に収まっていましたが、2人暮らしで月平均¥5,000と少し高めでした。
詳細 | 東京ガス | オール電化 |
基本料金(〜20㎥) | ¥759 | - |
従量単価(〃) | 約¥140/㎥ | - |
基本料金(〜80㎥) | ¥1,056 | - |
従量単価(〃) | 約¥125/㎥ | - |
基本料金(〜200㎥) | ¥1,232 | - |
従量単価(〃) | 約¥120/㎥ | - |
住宅パッシブ性能向上による省エネルギー化
賃貸マンションはRC造で標準的な賃貸仕様でした。
マンションなので気密性は高いですが、都市部という事もあり通風・採光は良くありません。また、角部屋だったので蓄熱したコンクリート壁が夜でも熱を放ち、エアコンは常時稼働していました。住宅のパッシブ性能では大きな差が出そうです。
項目 | 賃貸マンション | 新築戸建て |
広さ | 48.15㎡ | 134.41㎡(ロフト別) |
構造 | RC造 | 木造 |
部屋の特徴 | 4階・角部屋 | 平屋 |
通風 | △ | ◯ |
採光 | △(東向き) | ◯ |
気密性 | ◯? | ◯(C値:0.5㎠/㎡) |
窓サッシ仕様 | アルミサッシ・シングルガラス | 複合サッシ・トリプルガラス |
パッシブデザインとは?
気密、断熱、通風、日射調整などで屋内環境を改善し、エネルギー消費を抑える事がパッシブな省エネアプローチ。
気密・通気、断熱・日射調整といった屋外環境の影響を適切に調整できると、冷暖房を使わず過ごす時間を増やしたり、冷暖房の効果を逃しにくく省エネにつながります。
例えば今回の比較だと、コンクリートの放熱・窓サッシ・採光が「断熱・日射調整」、通風・気密性・窓サッシが「気密・通気」に関わる部分です。
住宅密集度合いや周辺環境にも影響されます。土地の良さを最大限活かし、ベースの省エネ性能を上げる事がパッシブアプローチのポイントです。
家電・住宅設備による必要電力
住宅設備・家電も比較しました。消費電力が大きい冷暖房機器は、賃貸住宅ではエアコン2基のみ。新築では200vを含む4基に加え、70畳の蓄熱式床暖房で平屋全体をカバーします。
賃貸マンション | 新築戸建て | |
エアコン | 100vエアコン(2基) | 100v(3基)・200v(1基) |
床暖房 | - | 温水式蓄熱型(70畳) |
調理器具 | ガスコンロ(2口+グリル) | 日立IH(3口+グリル) |
冷蔵庫 | 2ドア(134L) | 5ドア(455L) |
食洗機 | - | AEG(1基) |
給湯器 | ガス | エコキュート(450L) |
洗濯機 | 縦型洗濯機・乾燥使わず | ドラム型洗濯乾燥機・乾燥使用 |
照明器具 | ほぼLED電球(20灯前後) | LED電球(60灯前後) |
賃貸ではガスだったコンロや給湯器も、IH(200v)とエコキュート(450L)に置き換わり、電力の使用量は大幅に増えます。
冷蔵庫・洗濯機は10年前の機種が最新型に置き換わったので、省エネ性能は上がっています。照明器具は3倍に増えています。特に外構照明は戸建ならではなので純増要素です。
アクティブアプローチとは?
先ほどのパッシブアプローチに対して、機器を最新に置き換え省エネ化する事はアクティブアプローチとされます。
リストされているものは全て2021年時点での最新型です。生活家電の省エネ性能は年々向上するので10年前と比べると、消費電力の大きく削減できます。
今回の場合、冷蔵庫の性能向上は特に大きく、最新化と大型化で消費電力は3割以上も削減できました。
次のページでは「1年間の光熱費・消費エネルギー量の比較」を紹介します。