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エネルギー

床暖房は不要?温水蓄熱式(エコヌクール)のメリット・設置費用・電気代

2021年6月13日

実は床暖房の設置には反対でした。ネットの情報を読んでも「使わなくなる」といった記事も多く、高い費用を払い、希望の無垢床を諦めてまで入れるものではないと考えたためです。

しかし、いくつかの事情が変化し床暖房に対する考え方も変化。入居後に実際に使ってみた結果、快適そのものです。

今回は「床暖房は必要か?」という疑問に対して、反対が賛成に変わった理由や設置費用、電気代について紹介します。

この記事でわかる事

  • 否定的だった床暖房のデメリット
  • 考えを変えた理由、温水蓄熱式床暖房のメリット
  • 温水蓄熱式の仕組み・費用・電気代
  • エアコンとの電気代比較

こんな方におすすめです

  • これから新築の人
  • 床暖房の導入を考えている人
  • 床暖房の設置費用を知りたい人
  • 床暖房の電気代を知りたい人

目次(ジャンプできます)

    床暖「反対」から「賛成」に変わった理由

    寒がりの妻は床暖房は絶対必要との意見でした。一方で、いくつか気になる点があり、どうしても同意できずにいました。

    最終的には導入に賛成。新居では床暖ライフを満喫しています。「同意できなかった理由」「賛成に変わった理由」「最終的に導入を決めた理由」を順番に紹介します。

    床暖房に同意できなかった理由

    2019年に環境省が実施した「地域別最もよく使う暖房機器調査」によると、関東甲信地方では

    • エアコン(40.4%)
    • 電気カーペット/こたつ(20%)
    • 灯油ストーブ(16.0%)
    • 電気/ガスストーブ(計14.4%)

    で全体の90%を占めます。一方で、電気・ガスを含む床暖房の割合は6%とかなり少数派。(集合住宅を含むため戸建のみだと若干数字が変わります。)

    「新築時以外では導入しずらい事」も理由ですが、新築時でもデメリットを考え導入しない人も少なくありません。家づくり当初、導入に否定的だった理由は次のとおりです。

    導入費用が高額

    まず気になるのは導入費用。床暖房の種類(熱源・方式)にもよりますが、導入にかかる費用は

    • 1畳あたり5〜10万円
    • 15畳導入すると75〜150万円
    • 35坪の住宅で坪単価で2〜4万円の増額

    30万円前後で購入できる30畳エアコンと比べると2.5〜5倍。差額で導入できるオプションを考えると導入メリットは見当たりません。

    省エネ性能は年々向上

    家電は毎年新しいモデルが発売されそのたびに省エネ性能・機能が進化します。エアコンに比べると床暖房設備の買い替えはハードルが高く、そういった進化の恩恵を受けにくくなると考えていました。

    さらに、床暖房があっても冷房としてエアコンは必要。冷暖房が2つの機器(床暖房・エアコン)に分けるため、導入・メンテナンス・更新では2重に費用がかかります。この点も床暖房に否定的だった理由です。

    温まるのに時間がかかる

    エアコンは直接暖気を部屋に送り込むため、比較的早く部屋を暖める事が来ます。一方で、床暖房は床から間接的に部屋の空気を温めるので、どうしても時間がかかります。

    夫婦共働きのため、(コロナ禍の在宅は別として)平日は夜遅く帰ってきて数時間後には就寝という生活スタイル。床が暖まる頃には布団に入ります。生活スタイルに合わないと考えていました。

    無垢床との併用は厳しい

    一部床暖房と併用できる無垢床材も販売されていますが、一般的には無垢板と床暖房の組み合わせはNG。温度変化が床材の反りや変形の原因となるためです。

    アカシア無垢床材の柄が好きで「床はアカシア無垢材」と2人で決めていましたが、「床暖房ダメなら無垢は不要」と妻は早々に離脱。頭の作りが違うのか、簡単には諦めきれず床暖には反対でした。

    床暖房賛成に変わった理由(温水蓄熱式)

    導入に反対だった床暖房ですが、家に対する要望の変化や温水蓄熱式を知ってから考えが変わりました。賛成派に変わった理由は次のとおりです。

    床は全面タイルに変更

    無垢床希望でしたが、モデルになる北欧建築家の自宅と出会い、床材はその家と同じ全面タイルに変更。夏は冷たくて気持ち良いタイルですが、冬はキンキンに冷えて触れたものではありません。

    屋内で靴を履かない日本の住宅ではタイル床には床暖房が必須です。タイルは熱伝導が良く床暖房との相性は抜群。ハードルだった無垢床がなくなりタイルで追い風。床暖房が俄然優勢になります。

    ヒートポンプの省電力で長時間稼働

    すぐに暖まらず使えないと思っていましたが、蓄熱式床暖房の場合、一旦床が温まると数時間は暖かさが持続します。深夜・午後に稼働させれば、朝の外出前・夜の帰宅後も暖かい状態を維持できます。

    長時間稼働による電気代が気になります。温水式床暖房は電力効率の高いヒートポンプを利用するので、ヒーター式床暖房と比べて半分以下の電力消費。エアコンと比べても同程度。

    「生活スタイルに合わない」というデメリットもクリアになりました。

    広い範囲を均一に暖められる

    広い範囲を均一に暖められるのが温水式床暖房の利点。他の暖房機器にはないメリットです。家中の配管に温水を循環する仕組みなので、場所によって時間差はありますが全体を均一に暖めることができます。

    最近話題になっているヒートショックですが対策のポイントは寒暖差を作らない事。床暖房で家全体を暖めれば居室・脱衣所の寒暖差もなくなります。親が泊まる時、自分の将来も含めて床暖房のメリットです。

    意外と導入コストは安かった

    1畳あたり10万円と思っていましたが、意外と安かったのも前向きに考えられた理由。さらに温水配管の寿命は建物と同じぐらい。50年という人もいるそうです。

    ヒートポンプは15年程度で更新が必要ですが、大型エアコン1台と同程度の価格。突然壊れると大変ですが、計画的な更新ならば大騒ぎする値段ではありません。

    導入を決めた1番の理由

    床材をタイルに変更したことが、床暖房導入に傾いた最も大きな理由です。真冬にマンションの屋外タイルに裸足で立ってみたら良く分かりました。極寒です。

    椅子でなく床に座りたい時、裸足になりたい時もあります。室内で床下断熱もあるので屋外タイルほど冷えませんが、真冬に冷たいタイルは避けたいと思いました。

    次のページでは「温水蓄熱式の仕組み・設置費用・電気代」をまとめます

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