トップページ > エネルギー > オール電化

新築時の床暖房(エコヌクール)導入:反対から賛成へ変わった理由と実際の費用・電気代

新築時の床暖房(エコヌクール)導入:反対から賛成へ変わった理由と実際の費用・電気代

新築を考え始めた頃、床暖房の設置には反対でした。ネット上では「使わなくなる」という意見も多く、高額な費用を払い、希望の無垢フローリングを諦めてまで導入する理由が見つかりませんでした。

しかし、家づくりが進むにつれて床暖房に対する考え方も変化。新居に引っ越し床暖房を経験した今、床暖房なしの生活は想像できないほど気に入っています。

今回の記事では、「床暖房のデメリット」「賛成に変わったメリット」「温水蓄熱式床暖房の仕組み・設置費用・電気代」についてまとめます。

床暖房導入に反対だった理由

ネットや周囲の声などで見聞きする床暖房のデメリットが気になっていました。

導入費用

床暖房の導入費用は1畳あたり5〜10万円と高額です。例えば、15畳導入するだけでも75〜150万円かかり、エアコンの2.5〜5倍のコストです。他にも採用したいオプションが見つかる中で、床暖房を優先する理由が見つかりませんでした。

性能向上の恩恵が受けにくい

エアコンは新しいモデルが発売されるたびに省エネ性能や快適機能が向上しますが、床暖房は簡単に取り替えができないため、性能向上の恩恵を受けにくいと考えました。

生活スタイルに合わない

床暖房は部屋全体を暖めるのに時間がかかります。共働きで平日は夜遅く帰宅しすぐに就寝する生活スタイルでは、即効性のあるエアコンの方が向いていると感じていました。

無垢フローリングと併用不可

一部には床暖房可という無垢のフローリング材もありますが、一般的には温度変化が反りや変形の原因となり床暖房との組み合わせはNGです。無垢フローリングを諦めるという選択肢はありませんでした。

床暖房に賛成に変わった理由

導入に反対だった床暖房ですが、家の希望が変わったことや温水蓄熱式床暖房を知ったことで考えが変わりました。

床材の変更

無垢フローリングを希望していましたが、家のコンセプトが大きく変わり、全面タイル床に変更しました。床暖房と相性の悪い無垢フローリングから、相性の良いタイル床になったことで床暖房導入へ大きく傾きました。

平屋を選択

平屋は床下との接触面積が大きく、底冷えしやすい建物です。複数のハウスメーカーと打ち合わせましたが、平屋に全面タイル床であれば床暖房は必須との回答でした。

生活スタイルに合う

蓄熱式床暖房は一旦床が温まると数時間持続します。深夜や午後に稼働させれば出勤前や帰宅後も暖かい状態を維持できます。ヒートポンプを利用するため省エネ性能が高く、昼間不在のライフスタイルにも適しています。

広範囲を均一に暖める

温水式床暖房は広範囲を均一に暖めることができます。ヒートショックの対策にもなり、親が泊まる時や自分たちの将来を考えてもメリットが大きいです。

乾燥しない

温められた床の輻射熱で家全体を暖めるため、エアコンやファンヒーターと違って空気が乾燥しません。冬には朝起きると喉がガラガラになることもあります。感染症対策の観点からも、空気が乾燥しないのは大きなメリットです。

空気が汚れない

エアコンやファンヒーターは風を送るので床に溜まった埃やチリを巻き上げますが、床暖房の場合は足元の温められた空気がゆっくり上に向かって対流するため、埃やチリを巻き上げず空気を汚しません。

実際の導入費用

1畳あたり10万円と理解してましたが、実際には意外と安く導入しやすいと考えが変わりました。

温水蓄熱式床暖房の仕組みと費用

温水蓄熱式床暖房の仕組みはシンプルでトラブルも少なそうです。

仕組み

温水式床暖房の仕組み

温水蓄熱式床暖房は「温水システム」「温水循環パイプ」「蓄熱モルタル」の3つで構成されています。ヒートポンプで集めた熱で不凍液を温め、温水パイプを通って家中を循環させます。温水パイプ周りのモルタルに蓄熱し、部屋全体を均一に暖めます。

導入費用

施工面積123.5㎡の床暖房でかかった費用は130万円です。さらに、三菱電機の「エコヌクールレオ(70畳タイプ)」の設備費用が70万円。合計で200万円、1畳あたり2.6万円でした。

手前にあるのが熱交換器、奥の2台の室外機がヒートポンプです。床暖房面積が50畳までは「エコヌクールピコ」という室外機1台の温水システムです。70畳を超える我が家では、室外機2台の「エコヌクールレオ」というシステムになっています。

床暖房の電気代

12月〜3月まで床暖房を稼働しました。ヒートポンプの省エネ性能が高いという話でしたが、実際の電気代を検証しました。

消費電力と電気代

床暖房を使用していた12月〜3月の電気代から冷暖房なしの5月の電気代を引いた結果です。

  消費電力 電気代
12月 +613kWh +8,941円
1月 +774kWh +12,051円
2月 +449kWh +6,521円
3月 +281kWh +4,080円

エアコンと床暖房、どちらがやすいか?

我が家にあるLDK用大型エアコンと8畳用エアコンで消費電力を比較しました。

  LDKエアコン 8畳用エアコン 床暖房
消費電力 0.40kWh 0.14kWh 0.91kWh

単体で比較するとエアコンの方が消費電力は小さいですが、床暖房の範囲を全てカバーしようとすると合計5台のエアコンが必要です。0.4kWh+(0.14kWh×4台)で0.96kWhとなり、床暖房の方が消費電力は小さくなります。

蓄熱式床暖房をうまく運用すれば、エアコンよりも電気代は少なくなりそうです。ただし、消費電力の違いを見る限りランニングコストで初期投資を取り返すことは難しいです。

最後に

設計段階・引っ越し後の感想や感じたメリット・デメリットを交えて、温水蓄熱式床暖房についてまとめました。初期投資の大きさはデメリットですが、それ以外は十分に導入メリットを実感できる設備です。

新着情報はSNSフォローで

  • Instagram
  • Pinterest
  • Twitter
  • ブログランキング・にほんブログ村へ

他の記事も読んでみませんか?

同じカテゴリーから探す

同じタグから探す

    条件を指定して探す