内装にこだわり始めると、エアコンの設置方法は悩みどころです。特に、LDK用のエアコンはサイズが大きく存在感があるので、インテリアの雰囲気を崩さないように設置したいと考えました。
見積りには目隠しルーバーが設定されていましたが結構な値段。そこで、思い切って自作しました。試行錯誤・手間と時間はかかりましたが、見た目も内装と調和しコストダウンにもなりました。今回は、そんな大好評の「可動式のエアコン目隠しルーバー」を紹介します。
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DIYに至った理由
出来上がった目隠しルーバーは、インテリアさんや建築士からも大好評です。可動式の縦ルーバーは珍しく、「外注お願いできる?」といった冗談もあり、苦労した甲斐があったと思っています。
エアコン以外の選択肢
全館空調は価格やメンテナンスから検討対象から外しました。天井埋め込みのエアコンは板張りの天井ではかえって目立ちます。移り変わりの激しい白物家電をビルトインにする点にも抵抗がありました。
モデルハウスはどうしている?
モデルハウスでは棚や押し入れ上部にエアコンスペースを作って押し込み、横ルーバーを取り付けて目隠しにしている事が多いです。他に良案もなく、我が家もエアコンスペースとルーバー目隠しにしました。
予想以上に高いので、作っちゃえ!
問題は、目隠しルーバーのコスト。我が家の設置場所は、幅180cmと大きく造作費用は8万円と予想以上にかかります。さらに、建築士からは「しばらくすると使わなくなる」とのコメントもあり、俄然8万円がもったいなく感じます。
考えた末、目隠しルーバーは自分で作ることに。ネットでは窓用の可動式ルーバーを自作した方の記事もあり、これを応用して可動式のエアコン目隠しを製作しました。
横でなく縦ルーバーにした理由
制作したルーバーは、幅180cm 高さ55cm 羽根の枚数は14枚。パントリー扉と同じマットブラックに仕上げています。
「縦ルーバーが珍しい」とよく言われますが、確かにモデルハウスで見るのは横ルーバーばかり。縦ルーバーだと羽根の枚数が増えるので、手間がかかるのも理由だと思います。それなのに何故?縦ルーバー?
結構な悩みましたが、「製作精度に自信が無いから」というのが、縦ルーバーを選んだ理由。
横ルーバーだと、羽根の幅は170cmを越えます。羽根を支える穴が1mmズレるだけでも、羽根は傾き動かした時にフレームと干渉します。
羽根が長いほど支点の位置(穴あけ位置)に精度が必要です。その精度は難しいと判断し、短くできる縦ルーバーにしました。
また、長い羽根は重いので、自重でたわみフレームと干渉しやすくなります。羽根を薄くして見た目をスッキリさせるためにも、自重がかからない縦ルーバーを選びました。
さらに、開いたルーバーを(自重で閉じないように)固定するためのギミックも必要で、構造が複雑になり精度が求められます。シンプルな作りの方が長持ちするとも思います。
縦ルーバーにすることで、羽根を短くし加工精度への許容幅を広げ、自重によるたわみも発生せず、シンプルで長く使える縦ルーバーを選びました。
使用した材料と費用、製作にかかった期間
製作にかかった費用と期間を紹介します。DIYを決めた理由にはコストダウンが大きいので、「いくらかかったか」は重要なポイントです。
材料と材料費の一覧
ハウスメーカーが設定していた固定ルーバーは8万円でした。2割弱の費用で作ることができました。下の表は材料・コスト一覧です。
材料名 | 数量 | 単価 | 小計 | 備考 |
①檜材(1820×15×60) | 3 | ¥1,080 | ¥3,240 | フレーム、コーナン |
②檜材(910×6×90) | 14 | ¥382 | ¥5,348 | 羽根、コーナン |
③ミニビス(M2) | 1 | ¥692 | ¥692 | 70本入り、AMAZON |
④樹脂ワッシャー(M2) | 1 | ¥833 | ¥833 | 1mm厚、100枚、ナイロン製、AMAZON |
⑤平ワッシャー | 1 | ¥1,306 | ¥1,306 | M3、50枚入り、黒、AMAZON |
⑥水性艶消し塗料 | 1 | ¥1,066 | ¥1,066 | カンペパピオ アーチブラック 0.5L、AMAZON |
⑦ネオジム磁石 | 1 | ¥1,080 | ¥1,080 | 12mm径、ネジ穴(4mm)付き、AMAZON |
⑧L字アングル | 2 | ¥194 | ¥388 | 2×4サポートL字アングル、黒塗装、コーナン |
⑨ポリエステルロープ | 1 | ¥738 | ¥738 | 8mm、20mm、コーナン |
⑩フェルトテープ | 3 | ¥110 | ¥330 | 家具脚用、1mm厚、ダイソー |
合計 | ¥15,021 |
①②木材は全て桧です。価格、加工しやすさと杉に比べて丈夫な事が理由。可動部もあるので、丈夫で長く使える樹種が最適です。
③羽根の固定(支点)は全てミニビス。羽根厚を薄く(6mm)するため、できるだけ細いネジを探した結果です。ブロンズ色なので隙間から見えても目立たないのもメリットです。
④⑤樹脂ワッシャーの厚みは1mm。金属ワッシャーと併用すると摺動部での滑りが良く、スペーサーとしての役割も果たせて便利です。
⑥塗装はカンペパピオの水性塗料を使っています。値段も安く0.5Lから購入できて無駄がありません。
パントリーの扉(神谷コーポレーション)が艶消し黒なので揃えました。
⑦ステンレス製のL字アングルを壁に固定し、穴付きのネオジム磁石をルーバーフレームにねじ止めしています。
磁石の力でアングルにルーバーを固定してます。
取り外す事もあるので、ちょうど良い固定力です。これも後ほど説明します。
⑨ポリエステルロープは各羽根に結びつけ連動させるために使用。端の1枚を開くと全ての羽根が開きます。(後ほど工夫ポイントで紹介)
⑩フェルトテープは壁との緩衝材、羽根の固定用に使っています。家具の脚につけて傷を防止するためのフェルトです。テープ状のものをダイソーで見つけました。(こちらも工夫ポイントで紹介)
フレーム用木材を固定するネジは手持ちのものを使ったため、リストには入っていません。特別なものではないので数百円ぐらいです。手間はかかってますが、ハウスメーカー品に比べると8割のコストダウンの総額¥15,000。これだけ安くなるとDやり甲斐があります。
制作にかかった期間
平日は仕事があるので週末土曜日に制作。結局1ヶ月ぐらいかかっています。家の建築と並行していたので、製作が進むごとに建築現場に持ち込み寸法確認をしました。
木材カットは購入時にホームセンターでお願い。店員ごとに精度がまちまちなので戻ってから微調整が必要。ビス穴・下穴を開け、サンディングして、塗料を塗って1日目は終了です。
数日後、塗装が乾いたことを確認して組み立て開始。羽根の枚数が多いので手間ですが、仮組みして可動部の隙具合を確認、スペーサーの枚数を調整しながら本組みします。組み立ては1日あれば十分です。
最後に現場に持ち込み、外周にガタつき防止・壁の傷防止でフェルトシートを貼り付け、設置確認して完成。壁にアングルを固定するのは引き渡し後に行います。
材料買い出し、塗装、組み立てを合わせて延べ2日。構想・材料図作成・現場確認でもう1日追加して、実工数は約3日。日当2万円だと思えば、材料費と合わせてちょうど8万円になります。日当分はコストダウンできたと思います。
次のページでは「制作で工夫したところ、公開しているところ」を紹介します。