PVアクセスランキング にほんブログ村

「1人で使う」「夫婦2人で使う」II型キッチンのサイズから考える作業動線と効率

「キッチンハウス・デュエ・サイズ」や「II型キッチン・サイズ」という検索で多くの方にご訪問いただいています。

Web内覧会でキッチンサイズについて書いたので、写真も小さく見づらかったと思います。改めてキッチンの採寸を行い「II型キッチン」の使い勝手を確認しました。

「1人でキッチンに立つ」「2人でキッチンに立つ」など状況によって使い勝手に違いがあります。夫婦の役割分担を踏まえ、作業動線や寸法について感想を交えて紹介します。

II型キッチンのレイアウト寸法と移動距離

まずは、我が家のII型キッチンのレイアウト寸法を紹介します。調理時の作業動線毎に移動距離も確認しました。

キッチンのエリアを冷蔵庫・シンク・下ごしらえ・調理(IH)・盛付・配膳の6エリアに分け、作業動線を分類しています。このキッチンレイアウトだと、左から右に向かって作業が流れていきます。

エリア間の移動が2歩以内の距離に収まると、II型キッチンの良さが出ると思います。

キッチンハウスII型キッチン

作業内容とその動線距離をまとめた表です。番号は、上図の距離番号と対応します。

キッチン作業と動線距離

①〜④の短い動線

身長によって歩幅は異なりますが、我が家夫婦の平均歩幅は70cm前後。①〜④の作業は1〜2歩の移動で完結する距離。これらの動線は「手を伸ばせば届く距離」と感じています。歩数とも合っているので納得です。

⑥の最も長い動線

⑥「冷蔵庫とコンロの間」がもっとも離れています。実際の作業では、冷蔵庫とコンロを直接行き来することは稀で、遠くて不便と感じたことはありません。

電子レンジと冷蔵庫が近いのは、すぐ隣で解凍できて便利です。炊飯器の位置も、炊いたご飯をタッパーに入れて、すぐ冷凍庫へ収納しやすい場所です。

⑤が最も距離を感じる動線

⑤「シンクとコンロの距離」が、調理作業の中でもっとも距離を感じる動線です。

「茹ですぎ」を避けたいパスタや蕎麦・すぐに冷水に取りたいお浸しでは時間との戦い。シンクにザルやボウルを用意して、タイミングを見計らって熱い鍋を運びます。コンロの横にシンクがあると便利です。

ショールームでは、II型のコンロ脇にシンクを設置した展示もありますが、給排水が2倍となり意外と割高です。この点では、シンク・コンロが横並びになるI型(壁付け)やアイランドが便利です。

フロント・バック間の距離は適切か?

作業動線の距離だけならば、振り返って手を伸ばせば反対側のスペースに届く、100cmの距離がちょうど良いと感じています。

120cmを考えた時期もありますが、背面の引出しやワークトップが遠く感じます。逆に狭くする場合、動線距離は問題ありませんが、2人作業時は動線が交錯し狭く感じると思います。

食洗機から食器を片付ける時も、フロント・バック間の距離は重要です。

食洗機の扉を全開し食器トレーを引き出すと60cm超のスペースを取ります。100cmの距離があれば、バック側の引出しを開き、食洗機から直接横移動で収納できます。

距離が近すぎると引出しを開けず、①食器を取り出して仮置き、②食洗機を閉じて、③引出しを開いて収納と、3アクションになります。

作業効率が悪く食器を落とすリスクも上がります。II型キッチンで海外食洗機の場合、キッチン間は100cm-110cmが適切だと思います。

「ワンオペ」「ツーオペ」II型キッチンの作業効率

II型キッチンは動線が短くな以外にもメリットがあります。2人で作業する時、役割分担で作業エリアを分けられるので、「動線が交差しにくい」ので作業効率も上がります。

夫婦や親子でキッチンに立つ家庭も増えています。「1人で調理」「2人で調理」と分けて、作業効率を考えたいと思います。

1人で調理作業をする時

我が家は夫婦どちらもフルタイムで働いているので、朝食は各自、夕食は早く帰ってきた方が調理します。朝食はレンジと湯沸かしぐらいなので、1人で調理をする夕食で考えました。

  1. 冷蔵庫から食材を取り出し、「レンジ」「シンク」「シンク横作業スペース」に移動
  2. 下ごしらえが終わったら、反転して、コンロ脇に必要な調味料を並べ、鍋・フライパンを準備
  3. (炊飯器とコンロの間の)盛り付けエリアに必要な皿・椀類を準備して調理開始
  4. 出来上がった料理を盛り付け、ダイニングテーブルへ移動
  5. 使ったボウルやフライパンはシンクへ移動し、再度使うものは洗ってコンロへ戻す
キッチンハウスII型キッチン

例外的な作業もありますが、9割はこの流れで作業しています。畳1.5枚分(縦1m 横3m)の中に必要なものが揃っており、手を伸ばせば大半のものに手が届いて効率良く調理できます。

そうこうしているうちに相方が帰ってきて、なぜか出来たものをつまみに飲み始めるのが我が家のパターンです。

2人で調理作業をする時

続いては2人で調理する場合です。フロント・バック側の距離が100cmあるので、作業を分担すれば2人同時にたっても効率良く作業できます。

2人が同時にキッチンに立つのは、「下ごしらえ・調理と分担して作業する時」「夫・妻がそれぞれ自分の食事を作る時」です。分担作業を例にII型キッチンでの「動線の交錯」をまとめました。

妻の役割分担と作業動線

II型キッチンのレイアウト

主にキッチンの左半分までを使った作業です。

  • 炊飯
  • 食材の取り出し、解凍、洗い
  • 食器・箸などの準備
  • 手洗いの洗い物

唯一動線が交錯するのは、炊飯器とコンロの間にある引き出しを開く時。カトラリーを収納しているので、コンロでの調理作業と重なる事があります。

夫の役割分担と作業動線

II型キッチンのレイアウト

主にキッチンの右半分を使った作業ですが、コンロとシンクを移動する時は動線が交錯します。湯切りなど重くて熱い鍋を持って移動する事が多いので、危ないと思う事もあります。

  • 食材切り
  • 調理
  • 食器準備
  • 盛り付け
  • 配膳

大半の作業は独立して行えますが、2人の作業が接近する部分は動線が交錯しやすくなります。共働きである以上、夕食の準備は時間との戦いです。手探りでも考えていきたいテーマです。

妻からの指摘がありました。コンロの(画像に向かって)右下に調味料や調理器具(フライ返しやお玉など)を収納しています。調理作業とこの収納でぶつかる事があるそうです。

反対側に収納を設置すれば良いかったと思います。

2人作業時のフロント・バックの幅はどうか?

100cmの幅だと避ければ行き違いもスムーズです。2人作業でも効率が良く、引出しを50cm引き出しても残り50cmで通ることができます。

それでも、キッチンへの出入り口が1つだと動線が交錯し渋滞したはずです。このキッチンは回遊動線で入り口は2つあります。普段座る位置が異なるので、キッチン内へのアプローチルートが異なり便利です。

全体のレイアウトや機器・エリア配置を考える場合、「誰がどこを通り、何をするか」という動線設計が重要。これが出来れば、設計に合わせて機器や設備の配置を考えるだけです。

キッチン内では、家族全員が頻繁に使用するのは「冷蔵庫」「電子レンジ」です。このあたりで渋滞が起き動きにくくなります。冷蔵庫・レンジに向かう抜け道を作ると動線がスムーズになります。

特に飲み物を取りに行く時は、冷蔵庫前でコップに移し替えるため滞在時間も長くなります。冷蔵庫を隠す間取りも多いですが、デザイン製の高い冷蔵庫にして表に出すと動線がスッキリします。

まとめ

リビングスペースを広く取るために、II型キッチンの間隔を90cmにするケースもあります。しかし、2人での作業を考えるなら100cmは確保したい距離です。

1人作業が前提ならば、主要な移動距離(上の表で①〜④)は2歩以内にまとめた方が効率が良いです。

II型キッチンは作業性に優れたキッチンですが、広さが必要なレイアウトです。皆んなでやれば、料理も家族の時間です。キッチンを家族の集まる生活空間と考えれば、リビングを少し減らす意味もあると思います。

書く場所が見つからないので、ここで少し書いておきます。

S社の営業さんからは「II型キッチンは床が汚れやすい」との話がありました。確かに③と⑤の作業で、床に水が落ちることは多いです。

ただし、どの形のキッチンでも、コンロまわりは油ハネが多く頻繁に掃除が必要です。油掃除の頻度の方が多いので、II型だから掃除の頻度が増えることはありません。

油・水汚れがキッチン内だけに限定されるため、床掃除に関しては、むしろ手間がかからないという印象です。

次回は、II型キッチンのフロント側・バック側で、「正解だった寸法・後悔している寸法」について書く予定です。実は、ネットで見かけるニトリ・KEYUKAの調味料入れが引き出しに収まりません。

外寸、内寸の計測結果を踏まえて、キッチン設計の寸法問題を深掘りします。

広告

広告