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アプローチ階段のタイル貼り#3 階段のタイル貼りはDIYには難しい?

コストダウンのために行ったアプローチ階段のDIYタイル貼り。今回の記事では、

  • 階段タイル貼りをやってみて難しかった所
  • 階段のタイル張りはDIYに向いているのか?

について紹介します。正直な所、かなり難易度が高いDIYでした。

また、新築の場合、外構工事もハウスメーカーに依頼することが多いと思います。

DIYは外構工事の後に行うので、この点も階段タイル貼りをDIYで行う事の難しさです。

全部で3回連載の記事です。

  1. 予算不足、タイルはDIYできるか?
  2. タイル施工の手順と必要な道具
  3. 階段タイルDIYで難しかった事、DIYに向いてない?(今回の記事)

上手くできた所?… 無い

貼った本人にとっては失敗した所ばかりが目につき、正直、上手くできたと思う事はほとんど有りません。

遠くから見ればそれなりにタイル階段、できれば夜に見てほしいと思う限りです。

事前に動画やネット記事を読んで入念にプランニングしたつもりでしたが、作業を始めると想定外や思うように行かない事の方が多かったです。

それでも何も知らずに階段タイルを見た人からは、「違和感は感じない」「DIYと思わなかった」というコメントは貰えました。

初めてのタイル貼り。悔しいですが、「最後までやり切り、なんとか形になった事」が、唯一良かった点です。

階段タイル貼りはDIYには向かない?

アプローチ階段にタイルを貼ってみましたが、とにかく難しく思うようにできませんでした。

全体の工程順・作業自体の難しさを考えると、階段タイルはDIYには向かないと思います。

「圧着貼り工法」で施工すれば、シンプルなタイルデッキは比較的容易にタイルを貼れます。これはDIYにおすすめ。
圧着貼りとは?

タイル個別にモルタルをつける「直貼り工法」に比べると、作業工程が独立しているので比較的ゆっくり、工程ごとに集中して作業できるのがメリットです。

通常「砂:セメント:水=6:2:1」で作るモルタルですが、水の量を大幅に減らし「バサッとしたモルタル」を使います。

  1. バサモルをタイル施工範囲に2〜3cm厚で敷き詰め、しっかり叩き込んで空気を抜く
  2. ノロと呼ばれる「セメントを水で溶いた接着剤」を流し込みタイルを圧着

1工程ずつ丁寧に仕上げやすいので素人作業には向いています。

しかし、階段になると、形は複雑で寸法面でもシビアな貼り付けが必要。実際にやってみて感じた難しさは、

  1. 作業順:他の外構工事が終わってからタイルDIYなので、周りが固められ調整幅がない
  2. 踏み面:狭い限られたスペースに、所定枚数のタイルを収めなければならない
  3. 蹴込み:蹴込みタイルのモルタル量を一定にしないと、踏み面の広さが変化する
  4. 連続する平面と垂直面:1段当たりの少しのズレが、最下段に行く頃には大きなズレになる

具体的に苦労したポイントを順番に紹介します。

タイルの高さ合わせ

まず1点目はタイル同士の高さ揃え。これは階段だけではなく、タイル施工全般に言えること。慣れが必要な難しさです。

比較的高さを揃えやすい「圧着貼り工法」を選択しましたが、場所によっては高さがチグハグ。

苦労した原因は、

  • バサモルの水不足:ノロ(接着剤)の水分をすぐ吸ってしまい、表面が乾いてタイルが貼り付かない
  • ノロが多すぎる:ノロをたくさん流しすぎて、バサモルが極端に柔らかくなりタイルが沈む

上から下に施工したので最上段では高さ違いが特に多め。下に行くにつれ水の量やノロの使い方が安定し、だんだん上手くなっていきます。

もう一度、最初からやり直せるならと思いますが、一発勝負なのがモルタル作業の難しいところ。

それでも、それなりの見栄えに仕上がったのは「圧着貼り工法」のお陰です。

側面のタイル貼り

階段側面のタイル貼りも苦労しました。これは「#1 タイル作業を最後に行なった事」の弊害。

垂直面へのタイル施工は直張り工法(モルタルをタイル裏に盛って直接貼り付ける)で行いました。

同じ垂直面でも、蹴込みと側面で作業性が大きく異なります。

  • 蹴込み面:貼り付け後、踏み面に楔形のスペーサーを使って仮固定できる
  • 側面:地面が斜面になっていてスペーサーが使えない

側面はスペーサーが使えず、貼り付けてもずり落ちて斜めに傾きます。結局、貼り付けて20分ぐらい手で押さえてました。

事前に側面の地面を平に均しておけばスペーサーも使えますが、植栽が育っているため土を掘り起こすことができません。

タイル施工・土入れ・植栽の順ならばここまで苦労しなかったと思います。

水平面と垂直面の合わせ

蹴込みにタイルを貼るとき、モルタルの量が多かったり少なかったり。その結果、階段のコーナー部分がうまく揃いません。

これは「#3 モルタル量が安定しない事」という問題。

  1. モルタルの量が安定しない
  2. 蹴込みタイルの位置がずれる
  3. 踏み面の奥行きが変化
  4. 踏み面と蹴込みが合わなくなる

モルタルが一定の厚みになるように、治具を作っている記事も見かけましたが、そこまでは不要だと甘くみていました。

せめてお玉やカップを使って、簡単に一定量を計って貼り付けるといった工夫をするべきでした。

均等な目地幅

先ほどのコーナー部分の合わせを優先したため、均等な目地幅は諦めざるをえません。

「#2 所定枚数を限られたスペースに貼り付ける事」の難しさ。

奥行き60cmの踏み面に、29.7cmのタイルを2枚・目地幅5〜6mmで配置する作業。

  • モルタル多く、蹴込みが5mm手前にはみ出すと、目地幅は0mmに
  • モルタルが少なく、蹴込みが5mm奥にずれると、目地幅は10mmに

バサモルの敷き込み易さ、まとめてタイルカットを優先し、蹴込みを仕上げてから平面を貼りました。

平面を先に施工してから蹴込みの垂直面を貼るべきだったのか?作業手順にも問題があったかもしれません。

いずれにしても、限られた範囲に所定枚数のタイルを配置する難しさを感じました。

最下段は調整できず

踏み面・蹴込みが連続するため、上段のズレが積み重なり下段ほど大きなズレになります。「#4 面が連続する階段」の難しさを感じました。

実際、ズレが集約する最下段では、数mmですが、踏み面タイルが軒のように張り出す始末。

さらに、最下段の施工が難しかった理由がもう1つ、これは「#1 タイル作業を最後に行なった事」によるもの。

最下段の両隅は、砂利と土間コンを仕切るためのピンコロが埋め込まれています。

タイル厚み分、階段とピンコロの間に隙間を開けてもらいましたが、積み重なったズレが大きく蹴込みタイルが収まりません。

タイル後にピンコロ施工ならばこういった事は起きませんが、タイルが後回しになったので、こういった部分に皺寄せがきます。

面変化が連続する階段の難しさに加え、本来の施工順序と逆になった事が、難しい階段をさらにシビアにした原因です。

剥がれて再施工で悲劇

施工後、怪しいタイルが1枚。1ヶ月後、その1枚が剥がれました。モルタル面には大きな空洞があり、全く接着できていません。

大変だったのはここから。タガネとハンマーで下地モルタルを剥がし、再度モルタルで貼り付けます。

叩く音が大きく近所に響き渡ります。さらに、重いハンマーを振り下ろすのは体への負担も大きく、1日1時間が限界。遅々として進みません。

結局、剥がし切るのに1週間かけ再施工。うまく貼り直せましたが、かなりきつい作業でした。

DIYでタイル貼りをやりたい方へ

失敗ばかりなので偉そうに言えませんが、DIYでタイル貼りを考えている方にアドバイス。

階段のタイル貼りは難しい

タイル施工は達成感がありコストダウンも見込めるDIYですが、階段になると難易度はかなり高いです。

水平面・垂直面と考えることが多く、初めてのタイル貼りでチャレンジするにはハードルが高すぎます。

まずは「平面だけのタイル」や「独立したタイルデッキ」をやり、難しさを理解してからチャレンジした方が良いと思います。

モルタルの配合具合・ノロの使い方・目地の入れ方など一通り経験できていれば、勝手がわかり気持ちに余裕が出ます。

もう少し小さいタイルが貼りやすい

施工性・道具の値段・手間を考えると、30cm角タイルぐらいがDIYで楽しくチャレンジできる大きさです。

玄関ポーチに合わせて比較的大きなタイル(30cm×60cm)を貼りましたが、大きめタイルは取り回しにくく、ちょっとのズレが端にいくと大きなズレに。

さらに、タイルカッターの値段が高いのも難点。30cm対応なら数千円ですが、60cm対応だと数万円。

極端に小さなタイルは貼る枚数が増え手間なので、タイルの大きさも重要なポイントです。

目地はモルタルで十分

今回は色付きの目地材を使いましたが、土埃にまみれる屋外タイル目地ならばモルタルで十分です。多少の色は汚れれば分かりません。

作業性も異なります。専用の目地材は、きめが細かいペースト状で、目地に押し込むのに苦労しました。

モルタルは砂が粗いので目地に押し込みやすく、色がついていないので拭き取り作業も楽です。

水少なめで硬めのモルタルを練って押し込み、多少水を含ませたスポンジで拭き取れば、仕上げやすいと思います。

独立した工事がDIYには最適

業者作業の間にDIYを挟む事はできません。

玄関ポーチ・アプローチと連続するような階段の作業は、一連の作業としてまとめて行う方が調整代があり融通が効きます。

新築でDIYを取り込むときは、周辺工事の制約の少ない独立した部分(タイルデッキや擁壁タイルなど)などがおすすめです。

次のタイル施行計画

階段のタイル貼りはかなり手こずりましたが、懲りずにDIYでタイル貼りを行う予定です。

次は、駐車場脇にある土留めブロック擁壁。階段はモルタルを使いましたが、踏まれる事のない擁壁は接着剤でチャレンジします。

さらに、貼り付ける材はタイルではなく石材を使う予定。

今回よりも施工範囲が広く、素材が石材、接着剤を使うので、想定外の滑った転んだが予想されます。

それもDIYの楽しさです。楽しみながらチャレンジします。

#3のまとめ

コストダウンを理由にチャレンジした階段タイルですが、予想以上の難易度に苦労しました。

それでも、貼り上がった階段を見ると、以前のブロック階段とは見違える存在感です。特に遠目でみれば、細かい所が見えないので十分な出来栄え。

職人に頼むほうが遥かにきれい仕上がりますが、作業の楽しさや「タイル貼りもDIYでやった」という満足感を感じることもできました。

事も無さげにタイルを貼る職人の姿、あの姿の裏には技術と経験が詰まっています。その事を身をもって感じられたのも、やってみたからこその収穫です。

結果としては無謀な挑戦でしたが、やってよかったと思います。

階段のタイル貼りDIYはここまでです。次回のDIYは、駐車スペースに車止めを設置します。暑い季節が始まるので、サクッとできるDIYです。

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