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電気代高騰対策で導入した太陽光・トライブリッド蓄電システム(中編)

前回の記事では、電気代の高騰対策で導入した一連の設備のうち太陽光パネルについて紹介しました。今回の記事では「パワーコンディショナー」「蓄電池」について紹介します。

太陽光パネルから得られる電気・蓄電池に貯めらる電気・EVに使用する電気は全て直流。一方で、電力会社から購入し家庭内で使用できる電気は交流です。このため、太陽光パネルを設置するだけでは発電した電気を家庭で使うことはできません。

そこで必要となる設備が「パワーコンディショナー(パワコン)」です。太陽光電力を家庭で使う時・蓄電池に深夜電気を充電する時に、直流と交流を変換する設備です。さらに、今回導入したトライブリッドパワコンには他のパワコンにはない特殊な機能が備わっています。

トライブリッドパワコンの仕様

パワコンの仕様詳細

パワコンにはニチコン株式会社の「トライブリッドパワコン ES-T3」を選択しました。屋外設置が可能で、軒下の壁面に設置してます。幅・高さ共に65cm前後で重量は44kg、壁面に設置すると結構な存在感です。重量があるので壁面強度も重要です。

複数の機器を直流のまま接続

太陽光・蓄電池・V2Hを直流で接続できます。このため各機器間で電気を移動する場合、直流・交流変換による電力ロスが発生しません。これがこのパワコンが持つ特殊な機能。トライブリッドパワコンを選択した最大の理由です。

例えば太陽光電力を蓄電池に貯めて使う場合、通常のパワコンだと家庭内の分電盤を経由するため

  • 太陽光(直流)→家庭内(交流)に変換
  • 家庭内(交流)→蓄電池(直流)に変換
  • 蓄電池(直流)→家庭内(交流)に変換

合計3回の直交変換が発生します。これがトライブリッドパワコンになると、

  • 太陽光(直流)→蓄電池(直流)で変換なし
  • 蓄電池(直流)→家庭内(交流)に変換

たった1回の直交変換しか発生しません。変換1回あたり5%前後の電力ロスが発生するので、トライブリッドだと約10%ロスが少なく効率よく電気を使えます

システム全体を一元管理

太陽光・蓄電池・V2Hを1つのシステムとして一括管理できます。液晶モニター付きのリモコンが付属していて、このリモコンから接続機器全体の動作モードを選んだり、リモンコン画面上で機器ごとの動作状況を確認できます。

例えば、グリーンモードを選ぶと昼間の余剰電力は蓄電池やEV(V2H)に自動的に充電され、太陽光発電の出力が下がる夕方以降は、蓄電池やEVから自動で放電し購入電力を削減します。機器1台1台を操作しなくても、複数の機器を一括操作できるのはトライブリッドの大きなメリットだと感じています。

トライブリッドパワコンの特徴

その他にも色々メリットがあります。トライブリッドパワコンの特徴・利点をまとめると以下の通りです。

  • 機器を直流で繋ぎ変換ロスを削減するため効率的
  • 複数の機器を1つのシステムとして運用でき手軽
  • パワコンが1台に集約され省スペース維持管理も1台で済む
  • 既存太陽光パワコンの置き換え、蓄電池やV2Hは後付けが可能

ただし、注意点もあります。

  • 屋外設置なので高気密住宅は配線穴の事前準備が必要(次回紹介)
  • 通常のパワコンと比べると値段は高い

太陽光と蓄電池の組み合わせだとハイブリッド蓄電池も選択肢です。このためトライブリッドは、太陽光とV2Hの2種、蓄電池を含めた3種連携で効果的です。

蓄電池の仕様詳細

蓄電池の仕様詳細

トライブリッドパワコンとセットで蓄電システムを構成する「ESS-T3S1」で、4.9kWhと7.4kWhの2種類をラインナップ。EV不在時のつなぎとして使うので、1kWh×5時間あれば十分と判断し4.9kWhを選択しました。

設置は屋内・屋外選べますが、屋外設置だと屋外用ケースが必要で別途5万円。床置きで土間コン基礎の上にブロックをおいて設置。テスラパワーウォール用に準備していた土間コンが役に立ちました。奥行き23cmと薄型なので犬走りに設置しても邪魔になりません

後から1基を増設可能

最小容量の4.9kWhを選んだ理由はもう1つ。蓄電池は後付けで1基追加し、最大2基での運用が可能です。価格を比較すると次の通りです。

  • 4.9kWh 120万円(24.5万円/kWh)
  • 7.4kWh 170万円(23万円/kWh)
  • 9.9kWh(4.9kWh×2) 240万円(24.2万円/kWh)

kWh単価で比較するとそれほど大きな差ではありません。V2Hも導入することを考えれば、足りなければ後から追加で十分だと考えました。

200V対応の全負荷モデル

輸入品のIHコンロや食洗機の他LDKのエアコンも200Vです。このため200V対応は必須条件。さらに分電盤全体をバックアップできる全負荷なので、停電時、特定配線へのコンセントの差し替えは不要です。

工事中に停電状態を確認できました。系統電力(電力会社の電力)を遮断するとすぐ、蓄電池からの放電が始まり照明が点灯。何の作業もせず1秒足らずで切り替わります。これだと停電に気づかないかもしれません。

パワコン・蓄電池のまとめ

導入したトライブリッドパワコン・蓄電池のポイントをまとめます。

  • トライブリッドパワコンは直交変換ロスが少なく効率的
  • さらに接続機器をシステムとして一括操作・管理できる
  • 接続機器は必要に応じて順次追加可能
  • 蓄電池は最大2基まで増設可能
  • 全負荷なので停電時にコンセントの差し替え不要
  • 停電時は自動で自立運転に切り替わる
  • V2H併用ならばEV不在時間次第で蓄電池容量を決める

次回(後編)では各設備の配線状況を紹介します。「新築後に後付け」を選んだ我が家は、「高気密住宅の壁に穴を開けること」に抵抗を感じ、事前に配管準備を行いました。事前に準備したこと、実際の配線状況を紹介します。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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